独特な釣趣の『完全フカセ釣り』でマダイにヒラマサ手中【兵庫・柴山】

完全フカセ釣りで多彩な魚種が狙える海域はいろいろあるが、港から10分の近場で多彩な魚種が狙えるエリアは限られる。6月5日はそんな稀有な条件に恵まれた日本海、兵庫・柴山港を基地とする第三豊洋丸に、完全フカセ釣りの魅力を探しに行ってきた。

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TSURINEWS編集部 TSURINEWS編集部

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完全フカセ釣りの醍醐味

「ピッ、ピッ、ピッ」潮になじんだ仕掛けが等速で引き出されるのを伝える電動リールの電子音が、「ピピピピピッ」と急に速まった。自動でクラッチが入ると、サオが一気に絞り込まれる。ビッグな魚とのやり取りの幕開けだ。

ここは日本海、兵庫・柴山沖の水深45mポイント。アンカリングされた船の後方には魚が付くグリがあり、乗合客3人はそこに向けて仕掛けを流している。スルスルと引き出されるラインが急に速まれば、魚がエサに食いついた合図。さあ、至福の時間が始まる。

群青色の海からマダイが浮上

ヒットポイントは100mほど潮下、心地いい引きをみせる魚とのやり取りは、結構長い。これぞ完全フカセの醍醐味である。電動リールがストップすると、船長がラインを引き寄せ、取り込みをアシスト。

群青色の海からピンク色のマダイが浮き上がった。登場したのは50cmほどの美しいマダイ。この日最長寸のマダイを仕留めたのは、常連の藤田さん。最後のポイントへ移動してすぐのヒット。船長判断も光る価値ある一匹だ。

この日最長寸のマダイ51cm

航程5分のポイントで実釣

この日は常連の乗合で、定員いっぱいの3人で7時前に出船。航程約5分でポイントに到着した。船長はしばらく潮をみて、この時期ヒラマサが付くグリの潮上にアンカーを入れた。「水深45m。」船長の合図で一斉に仕掛けが入り、まきエサのオキアミがばらまかれた。

潮は完全フカセにはちょうどいい速度で、スプールからラインがスルスルと吐き出される。

開始から40分ほどしたころ、右舷トモからサオを出す岸さんにヒット。手巻きリールでやり取りを楽しみ抜き上げたのは、40cmほどの美しいマダイだった。カウンターで40mほどのところでヒットしたとのこと。すぐに船長が皆に情報を伝えてくれる。

この日1匹目の良型マダイ

そして、その30分ほど後に、今度は左舷トモの竹原さんにも良型のマダイがヒットする。色が濃く、よく肥えたグッドプロポーションで、食べるのには最高のサイズである。

情報共有でマダイを追加

が、なかなか次がこない。出船前、「昨日は渋かった。今日は食ってくれるといいけれど…」と船長がこぼしていた通り、アタリはぽつぽつの状況。発泡ウキを付けて浮かせてみたり、サルカンを足して沈めてみたりと常連さんたちも工夫しているが、反応はよくならなかった。

深場へポイント移動

8時過ぎ、「深場で様子をみてみる?」と船長から提案があり、ポイント移動。東へ15分ほど走ったところで、アンカーが入れられた。水深は68m。潮が速く、船長からフロートを外すように指示が出る。

帯を作るイメージで少量ずつまきエサをまいて仕掛けを流していくが、うまくタナに入っていないようで、頃合いを見て回収した仕掛けにはエサがそのまま残っている。見かねた船長からカゴを付けてみてはとの提案。1匹でも多く釣って帰ってもらおうという、船長の気持ちがうかがえる。

まきエサとの同調に苦戦

完全フカセの仕掛けは非常にシンプル。ミチイトにサルカンを結び、その先にはハリス6号、3本バリ15mの仕掛け、エサはオキアミの抱き合わせというもの。それゆえ魚とのやり取りはダイレクトで、その魚本来の引きが楽しめる。

達観した感のあるベテランの常連3人は、釣果よりも釣趣を選択し完全フカセにこだわる。

複数ポイントで拾い釣り

その後は乗船客の希望を優先し、少しでも反応のいい、そして釣りやすいポイントを探して、ポイントを点々とする。アタリは散発的ながら各所で拾い釣り、最終的にたどり着いたのが、冒頭で紹介したマダイが上がったポイント。柴山と佐津の間にあるポイントだ。

よく肥えたイサギも登場

ここはアンカーを入れてしばらくは調子よく連発したが、遠くに見えていた潮目があっという間に近づいてきて、それが通り過ぎると一気に二枚潮の釣りにくい状況となった。

急に速くなった潮に対応するため、船長は船を小移動。グリから少し離してアンカーが入れなおされる。これで多少状況がよくなり、ヒラマサにイサギ、小ダイを取り込み、納竿の時間を迎えた。

結局、この日は爆発こそなかったものの、移動した先々でぽろぽろと拾ってお土産は十分。皆さん笑顔で帰港となった。

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