「未来の釣り人を育てよう!」。半世紀を超えて活動を続けているグローブライド社のD.Y.F.C(ダイワ・ヤング・フィッシングクラブ)。DYFCカラーのリールやレインギアなどの商品まで登場するほど、その活動は一層パワーアップしており、全国で開催されるイベントは希望者が殺到し、抽選での参加が決定となる人気のイベントへと成長している。
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和歌山マリーナシティで開催
今回の会場となる和歌山県和歌山市の「和歌山マリーナシティ・釣り公園」は、同イベントの中でも大人気の会場で参加が多く、数年前より2日間の開催。
この施設は、釣り堀と広く長い堤防での釣りを選択でき、釣り堀ではマダイ、シマアジをはじめブリなど大型の青物から高級魚クエまで放流しており、手軽に大型の魚の引きを楽しめる。一方、堤防ではイワシやアジなどファミリーフィッシングの人気魚種が豊富で、それをエサとするシーバスや青物、アオリイカも回遊し、エサ釣りだけでなくルアーフィッシングの人にも人気の高い釣り場。
今回、1日約140人以上の生徒が参加し、2日間で300人近い規模での開催となった。
コーチとして参加
私はコーチとして参加。140人の釣具をセットは大仕事(汗)…。前日からスタッフ一同汗だくでの作業で準備に奮闘する。
初日、朝早くから保護者の皆さんに連れられ、参加者の子どもたちが集合していく。普段に比べて相当早起きしたはずだが、子どもたちはすでに笑顔!釣りとなると早起きも苦にならないのは大人も子どもも同じようだ(笑)。
受付を済ませ専用のライフジャケットをセットし、プロコーチと記念撮影。ライン結びやワンポイントアドバイスを聞いて、釣り場まで移動する。年齢に応じて3~4人に分かれ、釣り堀と堤防へ20班ずつ移動する。
まずは釣り堀で開始
今回、私が受け持った班は小学5~6年生の女子チーム。前半が釣り堀で後半は堤防へと移動となる。釣り堀専用ロッドに4000番のリールをセットし、釣り堀専用のウキ釣り仕掛けでスタートフィッシング。
釣り堀ではマダイ全員安打
ダンゴやエビ、キビナゴとエサをかえ、ウキ下を調整しながらウキの動きを真剣に見つめる子どもたち。時間経過とともにポツポツとヒットし始めた。コーチにアドバイスをもらいながら、必死にロッドを立ててリールを巻く子どもたち。
頻繁にヒットするのは40~50cmのマダイが多く、たまに30cmオーバーのシマアジが交じる。ウキが小さく揺れたり上下すると、ついついアワせてしまいがちなのだが、実はマダイに即アワセは厳禁!ウキが揺れ、ゆっくりと沈み、ウキ全体が水中に引き込まれたぐらいでアワせるのがベストタイミング。
そんなテクニックを説明すると、1人また1人とロッドを大きく曲げていく。不思議なもので、朝初めて顔を合わせたチームメイトなのだが、誰かがヒットすると、即座に釣りを中断してタモを準備したりしている。個々が力を合わせて釣りに取り組む姿勢は、毎回感動する。
マダイ全員安打に堤防ではイワシが大量と、笑顔に溢れ初日は終了した。
2日目はお姉さんチームと
2日目に担当したのは中学3年生~高校生2年生の女子チーム。小さなころからDYFCに参加しているだけに、仕掛けなどほとんど自分でセットできるお姉さんチーム。朝、釣り堀でマダイを全員安打し、後半戦は堤防へと移動した。
小学1年生の子も奮戦
開始早々サビキ仕掛けでイワシを連発する。そんな女子チームが「かわいい!」と連呼する隣の班の小学校1年生の男の子は、女子チームが連発するイワシをうらやましそうに眺めていた。
1人での釣りは初めてだろうか? 少し緊張している様子。背が低く、策の間からしか海を覗き込めず苦戦していた。そこで、海底まで仕掛けを沈めたらリールのハンドルを2回巻き、穂先の動きに集中するようにアドバイスする。
すると、穂先がブルブルブル!「きたよ!」と声をかけると真剣にリールを巻く!魚の姿を見た途端に笑顔が溢れ、お姉さんたちからの祝福に照れていた。1匹釣ると、コツを掴んだのか次々とイワシをヒットさせていく。
コノシロ30cmをキャッチ
そんな時、突然大きくサオが曲がる。懸命にリールを巻く彼をアシストして魚を抜き上げた!
上がってきたのは30cmのコノシロ。自分で釣り上げた初めての大物に、笑顔で自慢する姿がとてもかわいかった。
動く魚が怖いのか、初めはコーチに外してもらっていたのが、徐々に自分で外すまで成長していった姿は、間違いなく1人の釣り人の誕生となったはずだ。
イベントは無事終了
汗ばむぐらいの晴天に恵まれた2日間。事故も無く、終始、子どもたちの笑顔に包まれたすばらしいイベントとなった。
魚を釣るだけでなく、釣り仲間と仲良くすることや帰りに皆で釣り場を清掃することの大切さなどを覚えて、素敵な未来の釣り人になって欲しいものだ。
<辻原伸弥/TSURINEWS・WEBライター>
和歌山マリーナシティ