2日前の中深海に続いて長期連休の最中の8月15日、静岡県湖西市の遠州新居港わし丸で出船した。
最近はSNSで過去の思い出が出てくるようになっており、ちょうど4年前の同じ日に私はアラを釣っているのが分かってちょっと感慨深い。
大本命はアラだが五目狙い
午前5時半の集合時間に合わせ3時すぎに起床し出発。
エサは前々日に使った残りを使う。
5時前に港に到着して準備を開始する。
そこへ中深海フリークのルアー氏とOTが集合。
ルアー氏は今年アラを結構釣っている。
OT氏はアラはまだのようで、これからに期待。
雨模様の天気なので、船長はサオを出さずに合計3人での釣りとなった。
私はじゃんけんで勝ち、船長横の左舷トモに着座。
トモであっても潮次第で結果が分からないのがこの釣り。
大本命アラ、本命オニカサゴ、ウッカリカサゴ、お土産はノドグロカサゴ(ユメカサゴ)という目標はいつもの通りだ。
潮緩くノドグロカサゴも単発
6時すぎに船は岸を離れて一路太平洋へ。
雲が厚いので太陽が照りつけて一日汗をかきまくるということもないようで、船が走りだすと逆にちょっと肌寒い感じもする。
今切を出て太平洋に出ると、波もなく穏やかで揺れはない。
1時間ほどで漁場に到着し早速釣り開始。
自分で保存してあったエサはちょっとにおいがきつくなっていて、海水で洗って使うことにする。
イカエサも少し耐性がなくなっており、冷凍しておけばよかったと後悔。
すでに短冊に切ってあるので、これを3本バリの自作の仕掛けに装着。
合図とともに投入してリールのスプールをフリーにすると、イトがどんどんと出ていく。
水深は180~200m程度。
船長が実績ポイントを流してくれるので、あとは仕掛けの操作に専念する。
いつもならすぐにアタリがあるはずだが、この日はなかなかアタリがない。
ノドグロカサゴは着底直後でも食ってくるのに、この日は何だか機嫌が悪い。
仕掛けを操作したり底を取り直してみたりするが、シーンとした感じ。
サバやシイラの攻撃がないので楽だが、カサゴの攻撃がないのは困ってしまう。
ルアーでアラがヒット
そんななか、ルアー氏がちょっといい魚を掛けたようで、クイクイと巻き上げている。
上がったのは小型のアラ。
小型でもアラはアラだ。
潮の流れが弱いのでルアーが有利なのだろうか。
私の方は投入してしばらく待ち、運があればノドグロカサゴが食ってくるような状態。
アタリがあってもハリに掛からない、掛かっても外れてしまうケースも多い。
2時間で数匹のノドグロカサゴをゲットしているが、ちょっとのれんに腕押し状態だ。
やがてキュンという引きで上がったのは小型のオニカサゴ。
これで少し楽になったが、天気と同じくどんよりとした感じだ。
11時すぎ、着底してグイグイという引き。
これはいい魚に違いない。
少し待つと追い食いしたようで巻き上げ開始。
結構な引きを楽しんで上がったのは、ウッカリカサゴのダブルだった。
ラスト投入でドラマが待っていた!
たまにノドグロカサゴという状態で午後も過ごし、船長からラストの投入の宣言。
深めの水深なので大きめのエサを付けて落とし、タナを取ってしばらくするとちょうど根に入ったのかサオ先にグンというアタリ。
これはとサオを起こすとかなりの抵抗を見せる。
巻き上げを開始すると抵抗が半端ない。
前ではOT氏も掛けたようだ。
私の方はグイグイという抵抗を何度も感じさせてくれ、水深が半分になったころにおとなしくなった。
水圧変化で弱ったのだろう。
水深が浅くなると逆に浮き速度が速くなるので、リールの径が太くなって巻き上げ速度が速くなるのと調整しながら、魚の抵抗感がある程度のスピードにする。
海面にぷっかり上がったのは大本命のアラ。
それもいいサイズだ。
後の検量では3.7kgだったが、丸々と太ってなおかつ色もいい。
極上の1匹は胃袋を吐き出して浮いているので、船上に上げての処理。
絞めて血が出る間にトゲを切る。
最後の流しで大本命がくるのは、まさに有終の美で非常に気持ちがいい。
ノドグロカサゴは少なかったが、結果的に大本命、本命をゲットしてクーラーはにぎやか。気持ちもマックスで帰港となった。
今年はアラがよく釣れている。
幻に会いに皆さんもぜひ事前問い合わせの上、釣行いただきたい。
夏のアラの味は暑さを忘れるほど格別だ。
<週刊つりニュース中部版 APC・植島孝裕/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2017年9月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。