世界中には様々な世界一があり、魚の世界にも存在します。今回は世界一小さい魚と世界一大きい魚について生態などもまじえて比較してみました。
世界最大の魚
世界最大の魚と聞いて、皆さん何を想像しましたか?もしかしたらクジラ?シャチ?なんて想像した人もいるかも知れません。
それは不正解です。
クジラやシャチは哺乳類ですので、正確には魚ではありません。わたしたち人間にすごく近い存在なのです。
では、世界最大の魚はなにか。
答えは…
ジンベイザメです!
全長13.7mのジンベイザメ
沖縄の美ら海水族館や、大阪の海遊館で見たことがある人も多いと思います。水族館に展示されている個体の大きさはだいたい8m~9m、重さは約5トン。水族館で見た人は、「大きい~」「デケー」などの感想が出たことでしょう。
しかし、自然界の個体はもっと巨大であり、その最高記録はなんと…
13.7m!
水族館の個体よりも実に1.5倍も大きいのです。さらに非公式ではありますが、20mを超える個体も目撃されており、その重さは推定20トン。
大きさだけで見れば電車1両くらいに相当し、重さは大型のトラックくらいでしょうか。
そんな巨大な魚が海の中にいるのだから驚きです。
ジンベイザメの生態
ジンベイザメはその大きな体とは裏腹に、とても小さいランクトンやオキアミ、小魚を主食としています。
ジンベイザメの口は口径が1m以上もあり、巨大な口の中には、米粒ほどの大きさの歯が帯状に約300列並んでいます。
その総数は1万本にもなりますが、物を噛んだり餌を捕ることには一切使っておらず、もともとあった歯が退化したものだと考えられています。
では、どのようにして食べるのか。
彼らの食事は非常にダイナミックで、100Lもの海水を一気に飲み込み、鰓耙(さいは)と呼ばれる鰓(えら)の一部でプランクトンなどを濾し取るのです。
その際、意図せず大きな魚を食べてしまった場合は、飲み込まずに吐き出すそうです。歯も鋭くないので、飲み込まれてしまった魚も、無事に生還することができるようです。
ジンベイザメは非常に優しい魚だと言えます。
世界最小と世界最大
上記2種類の魚を比較すると、その大きさはなんと…1370倍!
学問的に見れば、正確にはジンベイザメは軟骨魚類、ドワーフフェアリーミノーは硬骨魚類なので、近いようで遠い存在なのかもしれませんが、【魚】としてみた場合、とてつもない数字だと言えます。
世界最小の魚『ワーフフェアリーミノー』は非常に過酷な世界に生息しており、世界最大の魚『ジンベイザメ』はとても巨大で、非常に優しい魚だということがわかりました。
でも、この広い海の中には人類がまた見ぬ魚がたくさんいるはず。その中には記録を塗り替えるサイズのものがいてもおかしくない気がします。
<近藤/TSURINEWS・サカナ研究所>