ムギイカメタルとケンサキイカメタルのアクション方法の違いを解説。それを踏まえて、テクニカルなムギイカメタルの実釣をレポートします。
ムギイカメタルとケンサキイカメタル
イカメタルと単純に一括りにはできない。ムギイカとケンサキイカでは釣り方が大きく異なる。先ずその違いから説明していこう。
ムギイカメタル
ムギイカはスルメイカの若イカ、つまり子どものイカにあたる。
スルメイカといえば獰猛なイメージが強くそのため動いているものに果敢にアタックしてくるイメージが強かったが、事実は多少違っていた。竹宝丸 の船長曰く、イカが触った瞬間にオモリや電動リールのアクションで掛かる。つまりイカが触った瞬間向こう合わせで掛かっているのである。
ムギイカやスルメイカ釣りはもともと胴付仕掛けから始まり、この釣りは、深場に100号からの重いオモリに何本もの針を付けた仕掛けを電動リールでシャクリ上げてくる。そのためシャクリ上げるアクションで掛かる仕組みというわけだ。
ではこれをイカメタルでするとどうなるだろう。答えは簡単で、必然的にワンピッチジャークでシャクリ上げる事になる。そして胴付きと同じくイカが触った瞬間向こう合わせて掛けていくのだ。
途中にロングステイで狙ってアタリはあってもヒットに持ち込めないのは、それぐらいアタリが小さく繊細なためだ。
こういった背景からイカが触った瞬間必然的に合わせる事が可能なワンピッチジャークがムギイカメタルのメインの釣り方になっている所以である。
ケンサキイカメタル
反対にケンサキイカメタルはどうだろう?
ムギイカメタルは動の釣り、ケンサキイカメタルは静の釣りと言われる程、ふたつは似て非なる釣り方だ。つまりムギイカがアタリを探るのに対し、ケンサキはアタリを待つ釣りということだ。
ケンサキイカメタルはピンポイントでイカがいる棚を探りテンションフォールやフリーフォール、時にはロングステイでイカのアタリを待って待って待ち尽くしてイカが触った瞬間に間髪入れずフッキングしイカを掛ける釣りになる。
ティップを見つめ僅かに伝わるアタリを見極めヒットさせる繊細な釣りだ。因みにケンサキイカメタルに魅せられたヘラ師を私は知っている。ヘラも繊細なアタリを待つ釣り、このアタリにヘラウキとイカメタルの穂先に共通点あるのだろう。誠に興味深い限りだ。
敦賀でムギイカメタル
平成が終わり令和が幕を開けた5月1日、今回はムギイカ(スルメイカの若イカ)をイカメタルで狙いに福井の敦賀へと向かった。お世話になる船宿は敦賀色浜の「竹宝丸 」だ。
メンバーはWしんちゃんの相方S氏と釣り友達のMさん!3人での釣行は久しぶりで釣り談義に花が咲く。
敦賀のムギイカは4月下旬に開幕し、好不調はあるものの徐々に調子を上げている。夕刻降っていた小雨も出船時には上がりポイントまで小一時間船を走らせ18時過ぎ、ボルテージ最高潮の中いよいよ実釣開始!
水深130mから実釣開始
ワンピッチジャークで1投目からヒット!
20号のスッテを100mまで落としお決まりのワンピッチジャーク(1回のリーリングとジャークを同時に行う事)で誘いあげてくるイメージだ。しかし時には、フォール中にイカがアタックしスッテが止まる事もあるのでその時はすかさず合わせを入れることがキモ。
ヒットゾーンは深場でヒットする事もあればピックアップ寸前でヒットする事もあるので最後まで気を抜くのは禁物。
すると幸先よく1投目からヒット!程なくするとS氏とMさんにもヒットが続く!
中々いい感じのスタートと思いきや次の1杯までが長い。船中ポツリポツリとヒットするが中々テクニカルな状況が続く!
カラーチェンジで追加
相方のS氏はワンピッチジャークを中断し、ロングステイでアタリをとる作戦に出たがアタリはあるもののヒットしない。先程も説明したが、アタリは非常に繊細で待つ釣りはとても難しい。
このようなテクニカルな状況の時私は頻繁にルアーチェンジを試みる。厳しい状況のイカメタルに関しては1度ヒットしたスッテを当たりカラーだと思って使い続ける事はご法度だ!むしろヒットしたらこまめにスッテをチェンジし、常に新鮮なカラーをイカにアピールする事が大切になる。
この日のスッテはエギ型より丸型のものにヒットが集中していたので形は変えずカラーチェンジを繰り返し数を伸ばしていく。