低水温期の2、3月を経て、水温が上昇してくるこの時期、初夏の産卵期へと向かうカワハギの活性が急上昇してくる。水温の上昇が遅れている今年の和歌山・日ノ岬沖だが、そろそろ本番突入!?と願いを込めて4月16日、和歌山・由良の尾張屋を訪れた。
底潮の温度が重要
「表層はずっと上り潮で昨日も16度あったけど、どうも底潮が冷たいようやね」とは尾張屋丸を操船する松下船長。
底まで上り潮が入ってくれれば一気に春カワハギが爆釣モードに入るハズ。それは今日か、明日か、はたまた…。
当日の状況
午前6時に集合したカワハギフリークは大阪の南村さん、山本さん、枚方の日置さんの3人。6時半ごろに出船した尾張屋丸は、なぎの海を30分ほどで日ノ岬沖、水深45m付近へ。魚探には底付近にカワハギらしき反応がよく出ている。
左舷ミヨシに陣取った南村さんは自作集器(中オモリ2号付き)に胴つき3本バリ仕掛け。マルキユー・カワハギゲッチュ(冷凍生アサリ)を刺してのスタート。オモリは船内統一で30号だ。
ハリは2種類
ハリは大きくタイプを分けると、速掛けのいわゆる「ハゲバリ」タイプとノマセ型の「キツネ」タイプを使い分ける。釣っていくうちにどの位置のハリにどのタイプのハリを使うのかを探っていく。
南村さんの自作集寄はビーズを連ねた集器に取り外し式の中オモリを付けたもので、中オモリの交換もワンタッチでできる便利なアイテムだった。
トモで25cm級がヒット
さて、中層でフワリフワリと誘ってから、さらに仕掛けを揺らしながら落としていき、着底直後に出るカワハギの小さなアタリに集中する。が、なかなか反応がない。やはり水温が低くてカワハギの活性が低いのか…。
右舷トモでは日置さんがかなり大きめの誘いからの底でステイさせる時間を長めに取っていきなり25cm近い良型カワハギをゲットした。
「中層で触ってきたので、ゆっくりと下げてオモリ着底後、少ししたらきれいにアタリが出ました。でも実は触りがあってからの誘い上げですでにバラしてるんですよ(笑)」と、笑顔で話す。
食い浅く工夫必要
今日はスローなのか、それとも派手に動かしてアピールした方がいいのか、南村さんもかなりバリエーション豊富に誘いを入れているがなかなかアタリが出ないのが現状の様子。その南村さんとは対向の位置に釣り座を構える日置さんはいいペースでアタリをとらえているようだ。
さすがに食いが浅いのか、掛かってもすぐにバレたり、釣り上げたカワハギの口元を見るとハリが唇1枚にかろうじて掛かっていたり…そこをうまく釣り上げている。
カワハギ釣りはほんの小さな動きの差で、その日、その時に誘いや食わせ方が合った人に連発する。本当に不思議なターゲットだ。
サオをたたく快感が…
そして、ついに南村さんにもその時がやってきた。かなり中層を意識して、底から浮かせての誘いをしつこくしてから、ゆっくりと下ろしていくとコンッときれいなアタリが出てすかさずサオを立てるとゴンゴンとカワハギ特有のたたく引きにかわる。
ごくごく小さなアタリを掛け合わせた直後から始まる、激しくたたくような重々しい引き。これがカワハギ釣りのだいご味でもある。
水深45mの底から、バレないようにゆっくりと浮かせたのは23、24cmのカワハギで、「ようやく釣れました~」と笑顔になった。