前回はテンカラ釣りの概要とタックルを主体に解説したので、今回は釣り方、ポイント選びをメインに解説する。ぜひ参考にして、今年はテンカラ釣りに入門だ!
テンカラの釣り方
テンカラ釣りで最も重要なことは、狙った場所(バケツ、洗面器ぐらいの範囲)に毛バリを振り込む事ができるか否かである。
振り込みは、アナログ時計に例えるならば、まずは強くバックキャストしてサオを2時の位置で一瞬止める。続いてフォワードキャストは10時の位置で止める。この繰り返し。重要なのは、バックキャスト時に一瞬待つ〝タメ〟を入れること。こうするとラインが後方に伸びきり、パワーが生まれてきれいなループを描くだろう。
よく駐車場などの広い場所で練習されている方もおられるが、私は現地で練習することをお勧めする。この方が飽きないし、偶然にも釣れたら感慨もひとしおだと思う。
初心者練習場所
釣り場は源流域、渓流域、本流域に分類される、テンカラ初心者は渓流域からスタートするといいだろう。源流域、渓流域は釣り上がり、本流域は釣り下りが基本。源流域、渓流域では川の流れに対して上流に振り込む。
テンカラ初心者は開けた淵や、トロ場で振り込みの練習を兼ねて実釣するといい。上流に振り込み、「いち、にい、さん」ぐらいの流しが1サイクル。これでいったん回収し、再び違うポイントに振り込む。フライフィッシングのようにポイントを最後まで流し切ることなく、この繰り返し。
実際大淵では何十回と振り込みを繰り返すことになる。現場では川上川下から風が吹き振り込みに苦労するが、最初の1匹を釣るまでめげずに頑張って頂きたい。
アワセ方
アワセはシャープに行う。しかしながら現場で実際に魚が掛かったら、初心者はいわゆる「ビックリアワセ」になると思う。アワセは手首を返すぐらいで十分ハリ掛かりする。私も最初は水中から魚が飛んでくる、「空中遊泳」を何度もした。
しかし、慣れてくれば、魚がどの辺りでヒットするか分かるようになる。そうなればシャープなアワセがバッチリと決まるようになる。あとはラインをたぐってタモでゲットすれば一丁上がり。
ポイント(釣り場)選び
解禁当初は放流地点周辺がポイントになる。エサ釣りの釣り人が居てもポイントに余裕があるなら、振り込んでみたい。イクラやブドウ虫にスレた放流アマゴがテンカラで釣れることは多々ある。
ポイントの見極めとして、放流地点の一級ポイントに目がいきがちだが、「岸寄り、緩い流れ、沈み石」この3点で構築される。サオ抜けを狙うのもお忘れなく。
解禁当初はどうしても、成魚放流アマゴがターゲットになるため、魚が溜まりやすいトロ場や淵がいいが、GW前後からは段々瀬が中心になってくる。瀬は白泡や巻き込みが多く、毛バリが確認しづらいので敬遠されがちだが、酸素供給量の多い瀬にはヤル気満々、プロポーション抜群の天然アマゴが潜んでいることが多い。体全体を出してジャンプして毛バリを追う姿も度々見れる、ぜひチャレンジしてほしい。