いまいち盛り上がりに欠ける今シーズンの鳥羽近辺のメバル釣り。何度か釣行して貧果というわけではないものの、釣り人の性(さが)というか一番良かった光景が忘れられない。知れ渡る不調を知りつつあえてのメバル釣行。勇気があるのかバカなのか。
不調だからこそ燃える?
不調時に敢えての釣行なんて、ドMな私のハートはそれだけでトキメキが止まらない。「ぜひとも行きましょう!」のかけ声とともに3月12日にサビキメバルに挑んだ。
当日の朝は風もなく絶好のメバルナギといったところだが、気になるのは前日の前線の通過による底荒れだ。
当日の状況とタックル
乗船は三重県鳥羽市赤崎岸壁から出船の仁洋丸。
出船して間もなく空が明るさを増すにつれ、海の濁りと湾奥からと思われる浮きゴミの多さが目につく。船長はいつもの朝一のポイントをスルーし、濁りの影響の少ない場所を探し始める。
潮的には9時前の満潮までが勝負。下げに入ると水温は下がり、川からの濁りもきつく入るだろう。
合図と同時に釣りが開始できるよう、急ぎ準備を進める。
使用したタックルは、ロッドが40号負荷のグラスムーチングロットに、リールはPE1号を巻いた小型のベイトリール。サビキはミキイト2号にハリス1号の魚皮サビキだ。取りあえず様子見として、魚皮の色は緑と白の鳥羽では定番の製品を使用した。
付けエサとして冷凍イサザを用意したが、まずはサビキのみでチャレンジだ。
幾分濁りがマシなエリアに到着し船長から合図が出される。
低活性に苦戦
着底後は素早く1m底を切りゆっくりと、至極ゆっくりとサオいっぱいまで誘い上げ、ポーズの後に逆に誘い下げていく。ラインが斜めになればタナがぼけるので、底立ちを取り直すとき以外は極力イトを出さずに釣っていく。
やはり真水の濁りは底にも影響したようで、1カ所目2カ所目と反応はない。
嫌な予感が…。
手を休めて魚探をのぞきに行くと、メバルは映っていない。正確に言うなら浮いていないのだ。
潮も時間帯も悪くないのに活性が低いメバルを釣るのはなかなか難しい。
強烈なアタリの正体は?
カサゴを避けるために下2本以外にイサザを付け、大きく誘わず底から1~2mだけを漂わせる。
船長もピンポイントでタイトに攻めてくれるので、これならなんとかアタリ出せるかなぁと構えていたところ、およそメバルらしからぬ強烈な引き込みが。
いいトコ見せてやろう、なんてスケベ心を出したのがよろしくなかった。
「じゃあここから追い食い狙ってみまーす!」
ムーチングロッドはひん曲がり、内心ドキドキしてるくせに冷静を装って待つこと数秒、
「ブチッ!」
いや実際には音なんてしないが、私の心には確かに聞こえた。
震える声で「切られましたねぇ…。」上げてみると、28cmと22cmが残っていたが、下2本はオモリごとなくなってしまった。
残念だが魚への食わせ方は分かった!
数伸びずも型は良し
急いで仕掛けを張り替えて追い食いを無理に狙わず、1匹1匹慎重に取り込んでいく。どのポイントでもメバルは浮かず、何とか食わせても下バリばかりだ。
何匹か釣れたメバルをイケスに入れておいたのだが、春先に多く吐くカニやエビのゾエア幼生やゴカイなどの多毛類などは一切見当たらず、黄緑やだいだい色のノリを吐いている。まだ冬の海か…。
赤の魚皮が入ったサビキに交換し、ここからはポツリポツリと釣果も伸びてきた。
特筆すべきはサイズだ。20cm以下は皆無で、半数は25cmを超えている。