今シーズンは少し遅れている。昨年は3月下旬には釣れていたムロアジ(現地ではキンムロ)がようやく釣れだした。名物のジャンボイサギも顔を見せるようになったので、5月8日は見老津の黒龍丸を訪れた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)
目次
黒龍丸でキンムロ釣り
午前4時半、船長に左舷ミヨシを指定され、道具を積み込む。隣では釣友の李さんがタックルセッティング中だ。前日、出船確認の際に船長からサビキを持ってくるように指示があった。キンムロ(ムロアジ)を狙うつもりなのだろう。この魚が食べたくてこの時期に予約したと言っても間違いではない。絶品の魚である。
当日は、昼前から南西の風が強まり午後は雨も降る予想だったので、朝イチが勝負と見込んでいたが、港で準備している段階から怪しい雲行き。午前中の降水確率は0%だが、念のためにカッパを持ち込んだ。
黒龍丸(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)サビキ釣りからスタート
午前5時10分、満船の黒龍丸が河岸払いして港を出て南下する。先ずは、キンムロを狙うためアミエビ用のカゴを付けてサビキをセットするように船長から指示がでた。
穏やかな日の出(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)黒龍丸では、天びん、カゴ、オモリ、クッションは船からレンタルされる。マキエのオキアミやアミエビも乗船料金に含まれており頼めば仕掛けやロッドとリールのレンタルもあるので、手ぶらで釣りが楽しめる仕組みになっている。
釣り方
ポイントをぐるぐる回って良さそうな群れを見つけたのか、合図があった。指定のタナは25mだったので、28mまで落として3m巻き上げ、軽くしゃくってマキエを出す。船長曰く、小さくこまめにしゃくってマキエの煙幕の中にサビキを入れることがコツとのことだ。
針が手に刺さるトラブル発生
やがてクッと小さいアタリがあったので、送り込んでから優しくロッド立てた。軟調のロッドが大きく曲がりグッグッグッと魚の抵抗が伝わる。弱めに設定したドラグが滑って上がってこない……。
これはサバだなと判断してドラグを締めてグイグイ上げてくると40cm級のゴマサバ。難なく抜きあげて針を外そうとした時に右手薬指にチクッと違和感。仕掛けがサバに絡んでいたのは目視していたが、暴れた拍子に針が刺さったようだ。
まさかの針抜けず
やばいと手を引いたが、針は取れない。サバを甲板に置くが、刺さった針のハリスがシッポに絡まっているので、暴れる振動でどんどんと刺さっているような……最悪。
李さんに助けを求めようとみたら、やり取りの真っ最中で気づいていない。まぁ見ていてもサバから針を外そうとして悪戦苦闘しているように見えるだろう……(汗)。
カエシまで刺さる
なんとかハリスを切ってサバから解放されたのは良いが、残念ながら針はカエシまでぶっ刺さっていた。試しに抜こうとしたが、がっつり食い込んでいて抜けそうもありません。さてどうする?
敢えて貫通させる
確実なのは病院に行くことでしょうけど、この状況では無理です。針にラインを結んで引き抜く「ストリング・ヤンク・テクニック」という方法もありますが、身を貫いた針先が微かに見えていたので、敢えて貫く判断をしました。
迷いは痛みにつながるので、覚悟を決めて針を推し進めると幸いなことに大した痛みもなく貫通。カエシが出てきましたので、李さんにカエシをプライヤーで潰してもらって抜き取ることに成功。消毒液を掛けてガーゼを当ててテーピングで固定しました。
実は、自分を釣ってしまうのはこれで3回目なので、落ち着いて処理できました。こんな事、慣れたくはないですが、刺さった針を抜く方法は知っておいて損はないと思います。
タカサゴがヒット
さて、肝心な朝の時合いにこんな状態でした。右手を気にしつつ仕掛けを組み直して再スタートしたものの、時合いのピークは過ぎ去った感じがします。それでもキンムロが食べたいと目の色を変えて狙う。タナで仕掛けを馴染ませてしゃくってアミエビをだす。
数秒後にキューと穂先を絞り込んだのは、ミドリ色に黄色いラインの魚。狙いのキンムロと配色は同じですが、こいつはタカサゴという魚で絞めると赤と黒に変色します。沖縄でグルクンと呼ばれる南方系の魚です。温暖化の影響で紀伊半島でも普通に釣れるようになっています。
念願のキンムロ登場
君じゃないんだと続けているとコツンと小さいアタリ。これはキンムロだと慎重に送り込んで優しくやり取りして浮かす。35cmほどの魚だが、念には念をでタモに入れてキンムロをキャッチ。やっと釣れた~と心の声が出ました。
ウメイロを狙うも……
隣の李さんは朝から調子よくキンムロをキャッチして、ウメイロまで釣っています。(ウメイロは)サビキに来たのか?と聞くとオキアミをカラ針に刺していたら、それに食って来たとの事。
キンムロも欲しいがウメイロも欲しいので、真似してオキアミを刺してやるとドーーーンと激震。掛けた瞬間からドラグが唸りラインを取られます。ウメイロも派手なアタリでロッドを引き込むのですが、こいつは強すぎる。
正体はサンノジ
ウメイロなら超大型クラスでしょうけど、なんとなく相手がわかります。船長からは大型マダイもいるから慎重にと声を掛けてもらいましたが、浮いてきた魚を見て船長は船室に帰ってしまいました(笑)。
そう、サンノジ(ニザダイ)の大型です。典型的な招かれざる嫌われ者ですね。それでもファイトは楽しめました。
マムロ2匹をキャッチ
その後は、タカサゴ2匹とキンムロ1匹を追加してサビキタイム終了。船長から何匹釣れたと確認され、2匹と答えると残念な顔をされましたけど、あんなトラブルの後ですから仕方ありません。釣れた2匹は、船長が美味しいというマムロと認定されたので「ヨシ」です。
当地ではムロアジをキンムロと呼ぶのですが、2種類いると船長は言います。より美味しいタイプを黒龍丸ではマムロと呼びます。マムロじゃない奴は、普通のキンムロと呼んで差別化しています。
イサギ狙いに転戦
次はイサギやるで~カゴ変えて~と船長。ポイント移動中にオキアミ用のサニーカゴに変更し、仕掛けをハリス4号3本針としました。仕掛けの全長は6mとしています。昨年は、5mの仕掛けを使用して撃沈しました。イサギや尾長を狙う場合は長い仕掛けが有利で、ウメイロには短めがお勧めです。
33cmイサギがヒット
枯木灘の名礁「三ツ石」が見えるポイントでイサギ狙いスタート。狙う水深は20mと浅い。28mまでカゴを落として8mを巻き上げてカゴを振ります。その後は静かにアタリを待っているとクッの前アタリの後にズキュンとロッドが絞り込まれる。
連を期待して少し待ちましたが、次のアタリは無く巻き上げる。33cmイサギはぷっくりと抱卵した旬の魚体ですが、見老津としては小型に分類されます。
レギュラー小サイズ(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)ジャンボを狙う
回収の合図があり、潮上に戻って2回目の流し。これも直ぐにきましたが、同サイズです。船中でも期待のジャンボは上がりません。みんなジャンボを釣りに来ているので、このサイズでは満足できません。しかも3流目はクッと来ただけで食い込みませんでした。船長曰く、潮が動いていないから渋いとのこと。
食い渋るイサギ
船長は釣れるポイントを探してランガン。どのポイントも渋く、最初の流しは食い込んでくれるが2回目はサシエが潰されて上がってくる。イサギでもこんなに食い渋るんだと気付かされた。食い渋る相手に仕掛けを送ったり、軽く張ったりして掛けていく。
40cmジャンボイサギ浮上!
この時期のお楽しみに尾長グレがいるのだが、この日は登場せず。李さんが口太を2匹仕留めただけだったので、尾長は期待できないと判断。ハリスをナイロン3号にして潮馴染みを優先させたところガツンと引っ手繰られた。
ドラグ音を聞かせて楽しませてくれたのは茶褐色のイサギ。貴重な大型イサギをタモで掬うと船長からジャンボの認定を受けました。50cm級も出る見老津ではジャスト40cmでは満足する事は出来ないが、当日の状況を考えると善戦したのではないだろうか、なんとかツ抜けできた。
李さんの釣果(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)キンムロ追加はならず
最後までポイント移動のたびにサビキに戻してキンムロも狙い続けたが、朝以降はキンムロが姿を見せることは無かった。かなり条件は悪かったようだが、狙いのマムロもジャンボも釣れたことだし満足して納竿。
筆者の釣果(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)今後の展望
これからノマセの大型狙いが始まるまではマムロとジャンボで賑わいます。特にマムロは絶品で美味しさ保証の魚で釣人しか味わえません。皆さんも行かれてはいかがでしょうか。
マムロとイサギの刺身(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)食味は抜群
マムロは刺身とナメロウでいただきました。言うまでもなく激ウマッ! タカサゴ(グルクン)も脂が乗って塩焼きで最高でしたよ。
マムロの漬丼(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)ちなみに針を刺した部分は、化膿もしなかったので、万事OKでした。
<田中こうじ/TSURINEWSライター>




