初夏の到来を知らせるムギイカ。
食欲旺盛でアグレッシブな彼らはイカメタルの入門に最適で、近年これを狙ったムギイカメタルが新たなゲームとして定着しつつある。
4月28日、開幕直後の様子を見るべく、イカメタルの名手でAnisakis代表の岩城透さんと福井県敦賀市の敦賀港から出船しているKAZUMIMARU(一美丸)の半夜ロング便に乗船した。
初夏の到来告げる夜のお祭り
ポイントに着いたのは午後6時すぎ。
スタンバイが完了すると、北野船長のアナウンスが入る。
「タナは70mです。スッテは15号以上でやってください」
待ってましたとばかりに各自一斉に投入を開始する。
早速右舷の都筑さんのロッドが曲がったと思いきや、他の人にもドドッとヒット!いきなりのトリプルヒットでゲームスタートのゴングが鳴った。
その後も断続的にヒットが続いたが、本番は暗くなってから。
ゆっくりとアイドルタイムが過ぎていく。
乗船者の中には、イカメタルもイカ釣りも初挑戦という堀田さんがいた。
この間に岩城さんがノウハウをレクチャー。
堀田さんはマンツーマンで実技を習得していた。
漁火点灯でムギイカメタルフィーバー
やがて日は落ち新調された集魚灯が点灯。
まぶしいほどの光とともに、発電のためのエンジン音がバックミュージックとなって場を盛り上げる。
早速50m台で連打が始まると、高まるテンションに合わせてムギイカたちもヒートアップ。
右舷の都筑さんが連打を決めると、左舷の小島さんが見事にダブル。
堀田さんもイカメタルがすっかり板に着いたようで、着々と釣果を追加していった。
当日のヒットパターンはワンピッチジャーク。
ラインを張った状態を維持し、スッスッとシャクル感じ。
ラインスラックは生じさせない。
イカたちは良くも悪くもなぜかこのアクションにのみ偏食しており、岩城さんも特異なパターンだと言っていた。
それはさておき、釣れっぷりの方は、そんなことなど気にならないほど絶好調。
急上昇する釣果とともに、タナの方も50~40~25mと順調に上がっていき、やがて10m前後に固定しイカ祭りは最高潮に達した。
同行した加藤さんはスッテ2個なのにトリプルでゲット。
さらに同じトリプルでも1つのスッテに3匹抱きついてきたりと、もうめちゃくちゃな爆釣だ。
とにかく海はムギイカで飽和状態。
何かを試すには最高のシチュエーションだ。
そんな私の思いをくみとったのか、岩城さんが発売中の乗せ調子ロッド、『ソルティストAGS SQ610XULB-SMT(DAIWA)』と、発売直前の攻撃的な掛け調子ロッド同『60L-A(試作モデル)』での実釣を体感させてくれた。
前者はグーッと曲がり込むスローテーパーが持ち味で、イカの噴射をしっかり吸収。
また、連ノリしたときの見る見る曲がり込んでいく感じは、ファイトを一層面白くさせてくれる。
また、後者の方は鋭角に曲がるティップのおかげでイカの軽いタッチを視覚でしっかり捉えることができ、パンと張ったベリーは瞬時のアワセにもキチッと追従してくれる。
このモデルは「あのアタリを掛けられれば……」というイカメタリストの悩みを解消してくれる特効薬と表現するのがピッタリだろう。
イカ釣り初挑戦で束釣り達成!
その後も釣り人とイカが繰り広げる夜の祭典は続き、保存用のトレイが満タンになる人が続出。
沖上がりを待たずに納竿の準備を始める人も見られた。
当日の釣果は全体で推定2500匹オーバー。
多い人で240匹前後、イカ釣り初挑戦の堀田さんもなんと117匹の大漁に恵まれ、すっかりイカメタルの魅力に取りつかれてしまったようだった。
敦賀沖の夜のイカ祭りに皆さんもぜひ参加してみよう。
<週刊つりニュース中部版 編集部・五井/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2017年5月12日号に掲載された記事を再編集したものになります。