今回はテンビンフカセで狙うオニカサゴ釣りについて詳しく解説していく。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・桑原一幸)
オニカサゴの釣り方
オニカサゴの基本的な釣り方を解説しよう。
「底取り→底切り→待つ」の繰り返しが基本的な誘いとなる。テンビンフカセの釣りは、「誘い続ける釣り」ではない。
(1)オモリを着底させ、
(2)底を切った位置でエサを漂わせてアタリを待つ。
(3)アタリがあったらアタリの変化で食い込み(アワセのタイミング)を判断し、アワセを入れる……という流れとなる。
具体的には、着底後はすぐにイトフケを取り、オモリを底から50cm~1m持ち上げる。この動きが誘いとなる。
良型キャッチ(提供:週刊つりニュース中部版・桑原一幸)底を切った後は10~20秒ほど待ち、ハリスが潮にナジむのを待つ。この「待ち」の時間にアタリが出ることが多い。底から仕掛けを上げすぎるとアタリは減り、逆に底を引きずると根掛かりが多発する。海底は起伏があるため、こまめに底を取り直すことが釣果に直結する。
オニカサゴのアタリは意外に小さい。コツンという前アタリがあったら穂先に集中して、穂先を押さえ込む本アタリを待つ。本アタリが出たらしっかりアワセを入れる。
このサイズなら抜き上げ(提供:週刊つりニュース中部版・桑原一幸)アワセのタイミングが取りづらい人は、前アタリがあったら仕掛けを緩ませるイメージで穂先を50cmほど下げてみよう。3~5秒ほど待ってからゆっくりとも先を持ち上げて、穂先に重みが乗ったら大きくアワセを入れると良いだろう。
3大バラシポイントに注意!
オニカサゴはヒット後のバラシが意外に多い魚だ。特に注意したいのが次の3つのポイントだ。
バラシポイント(1)
バラシポイント(1)は水深50m付近。ヒット後巻き上げて水深50m前後に差しかかったころ、周囲に光が届く水深となり周りが明るくなるため、魚が急に暴れだすことが多い。
ワームが良い場合もある(提供:週刊つりニュース中部版・桑原一幸)ヒット後の速い巻き上げは口切れにつながるため、ゆっくりと巻き上げたいところではあるが、巻き上げ速度が極端に遅いとこの50m付近の引き込みでテンションが抜けてしまい、バレてしまうことが多い。50m付近まで巻き上げたら、ドラグや巻き上げ速度を調整しながら、テンションを保つことが重要だ。
バラシポイント(2)
バラシポイント(2)は、電動リールが止まる瞬間だ。これは意外で見落としがちな危険ポイントといえるかもしれない。電動リールは水面が近づいてくると自動停止するため、その瞬間にテンションが抜けやすいのだ。
そこで水面が近づいてきたらハンドルを回しながら電動リールのスピードを落とし、電動から手巻きに切り替えて巻き続けるとバラシを防げる。
バラシポイント(3)
バラシポイント(3)は水面だ。無事にバラシポイント(1)(2)を無事クリアして、いよいよオニカサゴとご対面。しかし油断は禁物。実は水面が最も危険なバラシポイントとなる。仕掛けが上がってきてテンビンをつかんだ際に、船の揺れなどでテンションが抜けてハリが外れてしまうことが良くある。仕掛けを緩めないことを意識しつつ、可能なら誰かにタモですくってもらった方が安心だ。
取り込みはタモを使おう(提供:週刊つりニュース中部版・桑原一幸)ちなみにオニカサゴは浮き袋がないため、水面でバラしても元気よく海底へ帰っていってしまう。こうなると、悠々と海底へ帰っていくオニカサゴをただ見送るしかない。精神的なダメージが大きいことから、最後まで油断は禁物だ。
釣った後は毒バリに要注意
オニカサゴの背ビレ、胸ビレ、尻ビレには毒腺があり、刺されると強い痛みと腫れを伴う。魚はフィッシュグリップで保持し、ロングノーズタイプのプライヤーでハリを外すと安全。タチウオ用の魚つかみも便利だ。持ち帰る際は背ビレの棘をキッチンバサミなどでカットしておくと、帰ってからも安心だ。
オニカサゴの毒はたんぱく毒。もし刺された場合は流水で洗浄し、40~45度程度の温湯に患部を浸すと痛みが軽減される。たんぱく毒は熱分解される性質を持つ。症状が強い場合は、医療機関を受診した方が良い。
食べておいしいオニカサゴ
オニカサゴは透き通るような白身で、イセエビにも例えられるほど濃厚なうま味を持つ魚。刺し身はもちろん、鍋、唐揚げ、煮付けなど、どの料理でも絶品だ。釣った後の楽しみが大きいことも、この魚の人気の理由だろう。
極上の食味を誇る(提供:週刊つりニュース中部版・桑原一幸)熊野灘のオニカサゴ釣りは、基本を押さえれば初心者でも十分に結果が出る釣りだ。中深海の赤い高級魚を自分の手で釣り上げ、刺し身や鍋で味わう。釣りから食まで楽しめるのがオニカサゴ釣りの魅力だ。皆さんもぜひオニカサゴ釣りの基本事項をマスターし、良型オニカサゴに挑戦してほしい。
最後になるが、オニカサゴは成長が非常に遅い魚だ。小型はリリースするなど資源保護にも心を配ってほしい。前述の通りオニカサゴは浮き袋がないため、そのままリリースしても、元気に泳いで帰っていってくれる。末永くこの魅力的な釣りを楽しんでほしい。
<週刊つりニュース中部版・桑原一幸/TSURINEWS編>

