焼津の夜アジが好調らしい。夏の釣り物なのだが、今年は冬になっても釣れており、しかも脂が乗っていて旨いという。12月中旬の悪天候の日に、夕方ショート便でコマセアジに挑戦してきた。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）
目次
駿河湾のコマセアジ釣り
駿河湾では各地でアジが釣れるが、イワシミンチやアミコマセではなく、オキアミを撒くことが多い。付けエサもイカタンやイソメでは無く、オキアミをそのまま使う。
ショート便なら8切（1.5kg）で足りる（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）タックル
タックルもマダイやイサキ狙いのコマセ五目の物がそのまま使える。エリアによってタナが大きく変わるのでオモリの重さは一概に言えないが、ＬＴタックルに対応している一部の船では、ジギングタックルでやっている方もいるほどなので道具もそれほどこだわらなくても大丈夫である。
初心者にもオススメ
筆者は船釣りを始めるとき、先輩や釣具屋さんなど様々な方から「まずはコマセアジから始めなさい。」と勧められた。それくらい基本がつまっていて釣りやすい、初心者向きな釣りなのである。
焼津小川港松栄丸で釣行
松栄丸は元料理人の船長が案内する船宿で、旬の魚を狙って様々な釣りを提供してくれる。船長のインスタで「おすすめです」と言われた釣り物は釣れるうえに美味しいので、本当におすすめだ。
近場から遠征まで、中深海・底物・コマセなどのエサ釣りのみならず、タイラバ・ジギング・キャスティング・ティップラン等々、様々な釣り方に対応する守備範囲の広さも魅力で、筆者もたびたびお世話になっている。
松栄丸（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）当日のタックルと仕掛け
松栄丸の夜アジはコマセ（電動＆LT）・バチコン・ジギング・サビキと様々な釣り方で挑戦できるが、今回は一般的なコマセ釣りで挑戦。
使用したタックル
五目船竿：03 リーディングＸ ユウイン 279M（オモリ負荷120号）
電動リール：19 ビーストマスター 2000E
道糸：PE4号 300m
天秤：腕長40cmのストレート形状
カゴ：サニーカゴM
オモリ：100号
クッションゴム：1.5mm 50cm
仕掛け：市販品 3号2m 2本針
天秤はここまで長くなくとも問題ない。クッションゴムはお好みで。仕掛けは3～4号の一般的な吹き流し仕掛けで良いが、当日はツリノの『アジ・イサキ・タイが狙える吹き流し仕掛』を切り詰めた物が好調だった。
使用した仕掛け（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）雨も降るタフな状況
海況が悪く、しかも夜にかけて風が強くなる予報でさらなる悪化が予想された。当初は18時～22時の予定だったが、状況を鑑みて15時半集合に変更。そこからやれる時間までやりましょう、という話になった。
冬の夜釣りということでそもそも過酷なのだが、船の揺れに加えて北東からの冷たい風、更に雨も降ってきてタフな状況であった。
スローなスタート
港から出てすぐのポイントに着いたが反応がない、まだ明るい時間帯なので仕方がないのだが。「ポイントを変更します」とすぐに決断して移動してくれた。16時半ごろに再び竿入れ。着底と同時に筆者が船中ファーストヒットを頂くが釣れたのは小さいイトヨリ。幸い内臓も出ていなかったのでリリースできた。
ゲストで釣れたイトヨリ（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）他の方を見てもアオハタやイトヨリと本命以外が上がっていたが、暗くなったころにようやく本命のアジをゲット。反応はずっと出ているようで期待感が高まる。
船中ファースト本命を頂いた（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）手前マツリが多発
しかしどうにもオマツリが多い。しかも自分の道糸に絡むような手前マツリである。底潮が吹きあがっているのか……。ショート便で時間が惜しいので、どんどん仕掛けを切って交換してしまうが、何度入れても道糸に絡んでしまい釣りにならない。
仕掛けを微調整
アレコレ考え、市販仕掛けを1m切り詰め、50cmの短いクッションゴムを入れて水馴染みを調整。それでも雑に着底させると絡んでしまうので、メカニカルブレーキとサミングで落下速度をコントロールし対策する。ここまでやってようやく絡まないようになった。
40cm級のギガアジが中心
本命アジは釣れるとデカく、引きもアジの引きとは思えないほど強い。早く巻き上げてしまうと身切れしてしまうので、電動リールの表示で15程度の速度で巻き上げたうえにタモ入れをして丁寧に回収していく。
40cmで体高もあるギガアジ（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）すでに日没を迎え周囲は真っ暗。釣れれば大体がアジで、入れ食いと言うほどではないが、船中ポツポツと釣れ続けていた。タナはほぼ底で、場合によってはオモリが底に着いていても釣れてしまう。
天候は予報よりマシだったが悪化する一方。いつ終わるか分からないので手返し重視で1匹でも多く釣るように心がける。
好ゲストにオオスジハタ
よれた仕掛けを4号自作の物に替えた一投目、今日一番の大きなアタリがでた。フッキングも成功し電動巻上で上げてくるとドラグが出るのである。どう考えてもアジではない。
マダイかと思っていたら反対舷の方とマツっていたらしい。オモリの重さでそう感じただけみたい。しかもオマツリほどいてもらったら軽くなっていたのでバラしたか……と諦めて高速巻上にしたらいきなりぐんぐん引き始めた。まだ付いていたのである。慌てて巻上速度を落とす。
まさかのハタ！
ドラグを出す一進一退を繰り広げながら上がってきたのはハタ系の魚。焦りながらタモを入れて無事ゲット。針も伸びていて危ない所だった。後で調べたらオオスジハタという魚だった。
1.7kgだが小型（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）この1匹を釣り上げたところで海況も限界。船長からも「もう限界なので上がりましょう」と終了コール。帰り道はまさに嵐で、来るときの倍時間が掛かった。
ブレスサーモで動きやすく寒さ対策【PR】
悪天候だったが凍えずに済んだのはインナーのおかげ。『ミズノ プレミアホットインナー ブレスサーモ Activeモデル 厚手』を上下着込んでいったのだが実に暖かかった。
筆者は仕事柄、電熱ベストなどの防寒着も使うがそれらより圧倒的に暖かい。全身くまなく覆っているので、保温と発熱で稼いだ熱をどこからも逃がさないのが良いのだと思う。
伸縮性も抜群
伸縮性も良く、かといって締め付けるような素材では無いので着ていて気になることも無い。筆者は身長180cm、体重88kgのメタボ体型なのだが上下ともＬでピッタリであった。とても良い製品だけにお値段もそれなりな点は致し方ない。ずっと使いたいアイテムだけに大切に扱おうと思う。
ジャストフィットで袖口も動かない（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）最終釣果
筆者の釣果はアジ5匹にオオスジハタ1匹。少なく感じるが、早上がりで2時間程度の釣行での内容なので悪くない。何より個体がデカいので満足感が高い。
常連さんは手巻きで7匹＋ゲストと流石の釣果。レンタルタックルで挑戦していたグループの方々も結構な数を上げていた。
筆者の個人釣果（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）アジフライが最高！
オオスジハタは寝かせることにして、アジは全て翌日に料理した。刺身用の柵にできるほど大きいアジは脂ノリが良く、刺身が旨かったのだが一番良かったのはアジフライ。大型を開きそのまま揚げてもらったのだが身が厚くてジューシーで絶品。食べ応えもあって最高であった。
アジ5匹分全て料理したのだが4人家族では食べきれないくらい。一家そろって満足な食卓となった。
アジのフルコースを楽しんだ（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）短時間釣行も満足
今回は天候が悪く実釣時間が短い上、開始時刻も早くてイレギュラーが多かったのだが十分楽しむことができた。底で釣るのでタナ取りも難しくないし、仕掛けも短くて良いので初心者向き。ベテランさんは数を稼ぐために工夫の余地があるし、何より食べて美味しいので本当に誰でも楽しめる釣りである。
焼津はアクセスも良いので遠方からのお客さんも多い。冬の夜釣りは寒いが、それだけの価値はあるので、暖かくして是非挑戦してみてはいかがだろうか。お問い合わせは焼津小川港 松栄丸まで。
5匹でも相当なボリューム（提供：TSURINEWSライター・黒犬ちこり）＜黒犬ちこり／TSURINEWSライター＞
