季節は冬を迎えた日本列島にあって、今だ盛期を思わせる釣りが展開されている釣り場が静岡県伊豆市にある早霧湖だ。浅ダナ両グルテンで入れパクになり、こんな記者でも13時までに57枚。初心者クラスでここまで釣果が伸ばせるのは、ひとえに魚影と活性の高さのたまものだろう。どのような釣りでもアタリをもらえるので、釣技を磨くにも最適。数釣りの自己新記録を狙ってみても面白いだろう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース・編集部)
早霧湖の概況
11月26日時点、水位は満水から約40cm減。当日朝の気温が6度だったが水温は13度もあった。
早霧湖の概況(作図:週刊へらニュース・編集部)釣況はすこぶる好調。とくに人災の影響が少ない平日ならば、どのような釣りをしても釣果を伸ばせるだろう。しかもアベレージサイズが尺1寸前後なので引きも抜群。11月12日に新ベラも放流済みで、たまに交じる新入生がヒットすると、さらなる強引を楽しませてくれる。
初心者でも釣果が期待できる
週刊へらニュースライター山口氏との取材時、記者は朝から竿9尺浅ダナ両グルテンで始めた。1投目からヒットし以降はアタりっきり。写真撮影などで途中40分ほどエサ打ちをやめたが、それでも7~13時で57枚。
初心者に毛が生えた程度の記者でさえここまで釣果を伸ばせるのだから、腕達者な読者の皆さんなら束釣りもたやすいことだろう。
なお今の時期、例会組以外で舟釣りをする人は少ない。メインは桟橋と思われるので、以降の紹介記事と実釣記は桟橋をメインにしたい。
ポイント:釣り桟橋
以下、本湖向きをA、岸向きをBとする。
入口から見て右側が本湖向き(提供:週刊へらニュース・編集部)ABどちらにも万力を取り付ける受け木が設置されている。あぐらスタイルの人ならクッションだけでも釣りが可能だが、敷板にすき間があるので小物類を落としやすい。ハサミならまだしも車のキーやスマホを落としては大変なので、小さめのレジャーシートなどを敷いて万が一に備えたい。
双方の魚影について
魚影は圧倒的にAが有利。水深もあるので長竿の底釣りを楽しみたいならA一択だろう。ただし朝はほぼ正面から太陽が昇るのでかなりウキが見にくい。これでさざ波でも立ったら、トップはほとんど視認不可能。A狙いであれば偏光サングラスは必携だろう。
魚影は薄いと言ってもそれはAと比べての話しであってBでも十分に楽しめる。ただ問題は底の形状だ。Aは手前から沖に向かって深くなるがBは沖ほど浅い逆カケアガリ。どちらが釣りやすいかは至って明白で、しかもBには根掛かり箇所もあると聞いている。竿は長くなってしまうが底釣りが希望ならAのほうが無難かもしれない。
ただしAの底釣りでは、最低でも19尺以上が必要でBなら釣り座によっては11尺前後で底に届く。しかもウキが見やすいのはB。どちらを選択するかは読者次第といったところか。
釣り方とエサ
土地柄、釣り客の多くは静岡県民が目立つ。同県の多くの釣り場では長竿いっぱいでやれる釣り場に恵まれていないため、早霧湖は貴重な存在。よって釣果は二の次で長竿を好んで使用する人が目立つ。また時期的にも底釣りが主流となるので、これからの時期は桟橋本湖向きで竿いっぱいの底釣りが人気となる。
底釣りであればエサはグルテンセットが一般的で、ここではウドンを用いた段差の底釣りをする人は少数派だ。ただやって釣れなくはないので、段底好きの人は大いに楽しんでほしい。
尺上新ベラ(提供:週刊へらニュース・編集部)チョウチン底釣りが吉
段底にしろバランスにしろ同湖で底釣りをするなら、できるだけウキの位置がチョウチンになるよう心がけたい。
というのも同湖桟橋の底は大なり小なりカケアガリならびにカケサガリとなっており、打ち込み点のズレがそのままナジミ幅のズレとなる。正確な落とし込みは限界があり、穂先~ウキ止めの距離が短いほどエサ打ち点の正確性が増す。
ナジミ幅のズレほど底釣りで厄介なものはない。竿長で合わせきれない場合は、道糸やハリスの長さを調整してでもチョウチン底釣りを目指したいところだ。
数釣りなら浅ダナも有効
なお釣果だけなら、まだ短竿浅ダナの釣りが有利だ。閑散時なら両ダンゴまたは両グルで十分。ただし混雑すると食い渋るので、人災対策としてセット釣りの準備もお忘れなく。なおセットの食わせはインスタントウドンや力玉などでOK。
また長竿が苦手だけど浅いタナは苦手という人は、竿8~10尺チョウチン両ダンゴ、または同セットもよく釣れるので試してほしい。
<週刊へらニュース・編集部/TSURINEWS編>
早霧湖
桟橋:2,700円。小型レジャーシート用意。

