潮が緩んだ瞬間、船上の空気が変わる。反応があっても口を使ってこない、あと一歩届かない──ジギングで誰もが経験する場面だ。そんな沈黙の時間に、もうひと口を引き出すことを狙って開発されたのが、亜鉛合金製メタルジグ「get two/ゲッツー」。従来のタングステンや鉛とは異なる発想で、フォールの耐空時間を伸ばす設計が採用されている。潮止まりや地合い後の低活性時に強みを見せる注目のルアーを取材した。
(アイキャッチ画像提供:テイクス)
低活性を斬るジグ「get two」
亜鉛合金製でしか成し得ないパフォーマンス。沈下までの「喰いの間」を長く設計することで、地合い後のもうひと食い、潮が緩んだ際の低活性時にこそ釣果を呼び覚ますリーサルウェポンとして開発されたのが“get two/ゲッツー”。
特徴は、左右非対称の特殊な鋭角カットと、それを可能にした巧みなホログラム転写技術。この設計でトリッキーな動きと、大小に見える独特のシルエットを生み出し、魚を魅了。その存在感で集魚効果を発揮。
さらにTGや鉛では成し得なかった【耐空時間】を実現。亜鉛合金製の特徴ともいえる軽さが絶妙な喰わせのタイミングを演出。
また、強厚コーティングで塗装強度を極限まで高めることで、大型青物の乱暴なバイトや強烈なファイトを耐え忍ぶ耐久性も兼ね備えた唯一無二のメタルジグが完成。特にサワラとの相性が良く、ブリやヒラマサなどの大物に高い実績を持つ亜鉛合金製のメタルジグだ。
ゲッツーで仕留めた魚たち(提供:テイクス)TGや鉛とは対極の攻め
従来のジグではありえなかった、革命的な3つのフックアップ要素を凝縮!潮緩み、地合い後の喰い渋りなど低活性時のターゲットにもうひと押し。ついついバイトに持ち込む次世代メタルジグが登場。
亜鉛合金が創る驚異の超耐空性能
鉛でも、高価なタングステン(TG)でもない、環境に優しい亜鉛合金(165g)を採用。TGや鉛とは真逆の発想。シャクリの頂点から沈下開始までの「無重力耐空時間」が、従来のジグより格段に長い!魚が思わず喰いつく「フォールの間」を最大限に引き延ばし、バイト数を劇的に増加させる。
二匹に見える錯覚シルエット
特殊な非対称ボディが、水中で見る角度によって「小型ベイトの群れ」や「大型のベイト」に変化。アピールと警戒解除を同時に行い、低活性でジグを見切るターゲットの視覚を惑わせる。誰もが経験する「もうひと押し」を、このシルエットが実現してくれる!
特殊カットが生み出す乱反射
熟練の技師による特殊技術で、左サイドを鋭くカット。このカット面へ、通常の技術では不可能な美しいホログラム転写を実現。この芸術的なカット面が、予測不能な強烈な乱反射フラッシングを生み出し、深場や濁りの中でもターゲットを強力に引き寄せる。
魚を引き寄せる乱反射フラッシング(提供:週刊つりニュース中部版編集部・長谷川)
ジギングの真髄はフォールにあり!
シャクるばかりが能じゃない。その手を止めた後が肝心!
キャストして着底までのフォール
高速巻き、ジャークからのビタ止めロングフォールなど。誘い方は同じでもそのフォール時間。高速フォールに反応しない魚に効果的な緩めの沈下速度と、その落ちて行く様はヒラヒラフラッシングしながら遠くにいるブリなどのフィッシュイーター達を刺激。
まるで2匹の小魚がじゃれ合うようにフォール。食い気が落ちた青物も思わずパクッと口が出る艶めかしい演出。
さらに潮緩みや地合い後の魚の活性が下がるタイミングにこそ“ゲッツー”最大の効果発動。TGや鉛には叶わないゲッツーの真骨頂!耐空時間の長いスローフォールがワンチャンスをモノにする。
カラーラインナップは5種類
なんといっても特徴的なのがそのネーミング。見た目とは裏腹にカラーネームに引っ張られてカラーと結びつかないところは開発者の遊び心。「安直なカラー名じゃなく、ネーミングで語る釣果が滑稽で楽しい。
ぜひこのジグで1匹釣り上げてSNSに届けてほしい。カラー名でお話ししましょう」と、テイクスの大山さんは語る。
赤金=マチコチャン(提供:テイクス)
緑金=エリチャン(提供:テイクス)
グローヘッドシルバー=グローヘッドカスケイ(提供:テイクス)
シルバー=ヒロミゴー(提供:テイクス)
青黒=テイクス(提供:テイクス)
ゲッツーで仕留めたブリ(提供:テイクス)フックセッティングについて
ジギングで、特にフォールを多用する際に注意したいのがフックがラインを拾う、いわゆるテーリング(「エビる」とも言われ、ルアーやリーダーがフックに絡むトラブル)だ。
おすすめのフックセッティングを大山さんに伺った。
『テーリングを避ける場合はフロントWフックが効果的。フックサイズは#2/0~3/0。ユーザーの好み、ターゲットによって様々。自作する際オリジナルのフックセッティングを見つけるのも楽しいのでいろいろ試してみてください。』
例えば、垂らしラインは1cm×1cmがトラブルが少ない。フックは株式会社カツイチ、パイク#2/0や、ヴァンフック株式会社、ジゲン#3/0 などから試してみてはいかがだろうか。
対日本海ヒラマサセッティング(提供:週刊つりニュース中部版編集部・長谷川)ルアー製作会社 Take’s
株式会社Take’s(テイクス)は、法人・個人を問わず、フィッシングルアーの OEM/ODM(受託製造・設計製造)を通じてブランド立ち上げをサポートするメーカーだ。企画から製造、パッケージに至るまで一貫体制を持ち、オリジナルルアーの事業化を後押ししている。
1. 高品質と低コストの両立を追求
メタルジグやスプーンなど金属系ルアーを主力とし、タングステンや亜鉛合金といった難素材にも対応。さらに、プラグ・ワームといった樹脂ルアーや、フックシステム、ブレードなどのパーツ製作まで幅広く手掛ける。
海外の専門工場と連携した高精度成形により、ブランド製品と比較しても遜色ない品質に加え、開発工程の最適化によって **低コストの商品化を実現** している。
2. ルアービジネス参入をサポート
異業種からの参入が増える中、ネット販売やSNSを活用した個人ビルダー、脱サラを目指すビルダー、企業の新規事業など、時代に即した多様な参入者を支援。製造だけでなく、事業化における提案も行う。
3. 釣具以外の用途でも力を発揮
オリジナルルアーは釣り具としての機能に留まらない。お土産やノベルティ、イベントPRなど、集客や認知向上のツールとして活用する事例も増えている。ユニークなデザインは話題性が高く、ユーザー接点の創出にも効果を発揮する。
企画、設計、製造、パッケージ、ステッカー制作までを一貫で対応し、釣り人の「こだわり」を形にする体制が整っている。オリジナルルアーを通じて、新たな釣り文化とビジネスの可能性を広げる存在といえるだろう。
<牧田亘/週刊つりニュース中部版編集部>

