毎年11月に開催している、TFT(東レフィッシングチーム)関東主催、東レフィッシング協賛の懇親磯釣り大会が11月16日静岡県下田市須崎の沖磯一帯で開催された。私が主宰している磯釣り奨励会の月例会もこの大会に参加する形で併せて行った。その時の模様と当日のメジナの状況やどう釣りを展開したかをお伝えしよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)
いよいよメジナ釣り本番
11月中旬ともなると、朝晩は寒いと感じる日が多くなる。寒くなり出すとメジナ狙いの釣り人たちの血が騒ぐ季節。いよいよメジナ釣り本番を迎える。
今まで水温が高くてメジナよりもエサ取りたちの活性が高い状態であったのが、活発にメジナも動き出すからだ。大会もそういったことからこの時期を選んでいる。まず、東レ懇親磯釣り大会について簡単に説明しよう。
大会の計量(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)東レ懇親磯釣り大会
伊豆下田市須崎で開催するようになって今年で9年目となる。東レ製品愛好家の釣り人が集い、和気あいあいの懇親大会。受付時にエントリーフィー(渡船代+参加費)を払い、抽選くじを引き、乗船する渡船と渡礁順番の番号が決まる。
ルールは、状況によって厳しいときもあるため、大会当日に規定サイズを発表。この日はサイズ指定なしのメジナ5匹の総重量で競うことになった。
須崎地区
大会会場となる須崎地区は、冬の季節風である西風の影響を受けにくい釣り場が多くあるため、一年を通して釣り人は多いが、特に冬場には良型のメジナを狙いに訪れるグレ師が多い。須崎の渡船エリアは、大まかに分けて3か所ある。
須崎港を出て右側の地方も含めたエリア。それと、その先の下田湾側の通称水族館エリア。港を出て左へと向かった先の磯群から、爪木島の先にある隣町の外浦地区一帯の磯エリアがある。
すべての釣り場を合わせると相当な人数を収容できるキャパではあるが、風の向きやウネリの状況で渡礁出来ない磯もあるので、大会開催としては安全に釣りができる参加人数を絞る形を取っている。募集は60名であったが、キャンセル等で60名弱となった。
協力渡船
いつも協力して頂いている渡船はすさき丸様、弁天丸様。各船1便2便体制で、安全に釣りができる磯へと役員がポーターとなって向かった。私は、弁天丸の2便で下田湾側の磯へと2名で渡礁した。
朝日を浴びて出船(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)この磯は初めて上がった磯なので名前を船長に聞いたが、船長も上げたことがない無名磯。どうりで、磯も綺麗で釣りをした形跡が全くない。釣り場の地形は地磯だが、陸地から下りてこられない崖になっている。崖の先に細長く30mほどせり出した足場の低い釣り場。
当日の作戦
渡礁後すぐにコマセの準備をした。オキアミ6kgをマゼラーで細かくカット。配合エサは、グレパワー沖撃ちスペシャル、グレパワーVSP、グレパワーV9各一袋。
バッカンに全部入れて一度に作ることはできないので、2回に分けて作った。この日は下田湾奥から吹き付けてくる北風が非常に強かった。強風の中でも遠投が効く水分量で調整して仕上げた。
釣り座
釣り座は受付時に引いたくじ番号の若い方から選択権がある。私に優先権があるので風を正面に受けるポイントを選んだ。事前の天気予報だと10時頃から風は弱まるはず。後半に入るポイントの方が本命ポイントに感じられたので、前半は風を正面に受ける方を選んだ。
当日の釣り座(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)仕掛け
釣り始めの仕掛けは、釣り人が入っていないことと、地方の釣り場でメジナの反応やサイズはあまり期待出来ないと考え、大会時間内でできるだけ早く結果を出し易い繊細な仕掛けを始めから組んだ。
タックル図(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)釣り方
風は右から、潮流も緩いながらも右から左と潮と風の向きが一緒。これでは、仕掛けの張りが作り難い。潮筋を流せないだけでなく、サシエサが不自然に流れてしまうため、メジナの食いが非常に悪くなってしまう。
使用した仕掛け(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)
そこで、まず磯際から10mラインを狙った。理由は、地形的に山を背にする関係で陽射しがない分海中が暗い。5mくらいの水深と、ハエ根もあまり出ていないため入れ込んで狙えた。
使用タックル(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)
前半は小型メジナのみ
ササノハベラ5匹、ブダイ1匹。風が弱まるタイミングにどうにか20~40mラインを遠投して狙うもフグが沖にいて毎回ハリが取られてしまう。その内、隣の人が20cmくらいのメジナを釣り上げた。
先に釣られたことよりも、坊主覚悟だったから「メジナがおった!」ことに驚いた。俄然やる気が。思った通り私にも40mほど沖に投入した仕掛けが綺麗に左へ流れ、馴染むと同時にスルスル仕掛けを入れ込まないようにしていたウキがゆっくり沈んだ。アワセを入れ取りこんだのは本命のメジナ。サイズは25cmないくらいだが、とりあえず1匹キープ。
続けて2匹目もキャッチ。相手も釣り、釣り合いとなる。私は3匹、相手は5匹キープして場所交代の時間。
後半に37cmメジナを追加
いよいよ本命場所で追い上げながら、少しでもサイズアップさせて入れ替え出来る釣りをしなくては。しかし、相変わらず強風は収まらない。右横からの強風に負けない仕掛けを組まないと釣りにならない。相手は棒ウキで、円錐ウキではとらえにくいアタリを、敏感に出る棒ウキを使いリミットメイクした。
私は風対策として、円錐ウキと水中ウキのコンビ仕掛けを選択。円錐ウキB号と親ウキよりもサイズが大きいーB号水中ウキの組み合わせ。水中ウキのサイズが大きいのは、潮をしっかり掴んでくれることと、ラインメンディングをした際に多少仕掛けを引っ張ってしまってもサシエサが不自然な動きをしない利点がある。
普段はあまり使わない仕掛けではあるが、常に道具バッグに入れているから、こんな状況下ではすぐに使える。作戦は大当たり。後半の釣り開始から3投目でこの日の最大口太メジナ37.5cmをキャッチ。
35cmを追加
続けて35cmと良い感じに。先にキープしていた1匹も入れ替え出来た。さあこれからという所で、潮流の流れ方がやや沖に速くなり食いが止まってしまう。試合終了前に左側のハナレ磯から延びる沈み根の先でようやく食わせたが、ハリスが根に当たって切られてしまった。
直前にコッパ尾長を釣っていたのに、しっかり対応出来なかった。どうにかリミットメイクは出来た。あとは検量の結果が気になる。
キープした魚(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)大会の結果
港に戻って検量すると、5匹1,895g。私の船中3位の成績で総合11位と惜しくも入賞はならなかった。
表彰式では、会の仲間が総合第4位と第6位に入賞していた。優勝者は、平磯という港を出てすぐの磯で、メジナ5匹最大41.5cmを含め3,575gを釣り上げて見事優勝。
優勝から4位表彰(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)表彰式は総合10位まで、レディース賞、大物賞、東レ賞、お楽しみ抽選会など豪華賞品で大いに盛り上がった。無事に開催でき、早朝より一日協力して頂いたすさき丸船長様、弁天丸船長様、この場をお借りして御礼申し上げます。
結果ボード(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)また、参加された釣り人の皆様、安全に大会を行うことができ、皆様のご協力に感謝致します。来年も役員一同皆さまのご参加お待ちしております。
メジナの大物賞入賞者43cm(提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)磯釣り奨励会月例会の結果
東レ大会後に磯釣り奨励会のメンバーと会の表彰式を行い、35cm以上メジナ1匹の長寸規定で、42cmの口太メジナを釣り上げた女性会員が優勝。風は一日強かったけど、メジナ釣りが大好きな釣り人たちが集まって和気あいあいの大会で一日楽しむことができた。須崎の磯にも感謝感謝!
<塩田哲雄/TSURINEWSライター>

