厳寒期の釣り場選びの鉄則は釣れていること、そして強風などの悪条件でも釣りが成立すること。群馬県藤岡市にある神流湖の観光ボート桟橋なら上記の条件をすべて備えている。この時期にして数十枚はおろか束釣りも狙えるほどの高活性。減水の影響で直近の釣況は低迷気味だが、今回の記事が投稿されるころはちょうどいい水位になり、今よりさらに釣れだすとの予想。桟橋なので手軽に狙えるのも魅力だ。
TSURINEWS編集部
神流湖の今年の概況
長期に渡り釣れ続く観光ボート桟橋。厳寒期はさすがにアタリもなくなるだろうと思うのは早合点。連日尺～尺2寸をアベレージに数十枚出ており、日並みがいいと束釣りも狙えるというのだから驚きだ。
桟橋を管理するスタッフは「これでも減水中で食いは落ち気味なんだよ。去年は誰が釣っても50枚以上は出ていたからね。」と話す。
観光ボート桟橋の様子現在やや食い渋っている原因は減水だ。少雨で利根川の水位が下がったため、それを補うのに神流湖（いわゆる下久保ダム）が1月初旬から放水を始めた影響らしい。
「今がいちばんこの桟橋にとって中途半端な水位なんだよね。あと10日前後すれば、ちょうどいい水位になってもっと釣れるようになるはず。」詳細はこういうことらしい。
減水がうかがえる斜面減水すると桟橋の位置も変わる。だが底の状態も減水前と同じとはいかない。傾斜がきつい・緩いなどによって桟橋下の水深が変化し、それに応じて魚の着き方も変わる。
だが大きな桟橋が影を作っているので、魚がこの周辺からいなくなることはない。単に魚がエサを食べやすい場所が減水による地形変化で変わってしまうだけ。そして今がもっとも魚の着きが悪いタイミングらしい。
現在、水位は一日で10～20cmずつ減っている。このまま雨が降らなければ1週間で最大1.5m前後は減水するだろう。すると地形のいい位置に桟橋が移動するから、今よりもっと釣れるようになるというのが管理スタッフの説明だ。
ポイント
事務所から本湖を見て左右に分かれ、釣りはすべてこの浮き桟橋上から行う。
向かって左側が長方形で右側はいびつ型。おもな釣り座（向き）は図のとおりで本湖向きで釣りをすることはあまりない。
ポイント図
岸向きメーンなので地底はほぼ逆カケアガリ。さらに左右いずれかに深くなったり、逆カケアガリとの複合地形だったりする。つまり平坦な底はほぼ存在せず、場所によっては根掛かりだらけの所も。ただしジャリやガレ場がおもな地質で、ヘドロのように掘れたりはしない。
底釣り
水深3m以上、底に根掛かりがなしが必須条件だろう。
まずは竿18～21尺竿で周囲の底ダテをしてみて、そのうえで釣り座を決めて好みの長さで釣りを始める。概ね逆カケアガリがきついので、穂先～ウキ間は余らせず常に同じ位置に仕掛けがナジみ込むようにする。ハリス段差を広げて上バリでタナを取れば、仮に流されて仕掛けが手前にズレても下バリの底切れは防げる。
底釣りタックルエサは両グルテン。バラケを打つとジャミが離れづらくなってしまうので、仮に打つとしてもサナギ系の集魚成分が少ないペレット系やスイミー系メーンのダンゴチックなタッチを使う。
チョウチン釣り
チョウチンタックル
水深5m以上が必須。仮に10尺竿を振るにしても、水深4mと5mとでは魚影が明らかに違う。浅場の宙釣りはリスク大と覚えておこう。
エサは両グルテン。開く、まとめる、持たせるの性質に加えて、ここではジャミをかわすために比重も必要だ。いもグルテンや野釣りグルテンなど底釣りで使うような銘柄をエサの全体量に対して1～2割程度ブレンドするといい。軽くて開くだけではジャミにつかまりやすくなる。
同様の理由でハリスもあまり長くしない。最長60cmをめどに、しっかりナジミ幅が出るような長さとハリの大きさを考えよう。ただしどれほど対策をしてもジャミは寄ってくる。するとトップはナジまない。
だがヘラが寄ってくれば「あら不思議」とばかりナジミ幅が出るようになる。つまりナジませる（持たせる）ばかりに集中せず、ヘラを寄せることも考えてみよう。
広大なフィールドゆえ、日並み次第で寄せまでの時間を要することもザラにある。打っていればいつかはナジむ（ヘラが寄ったサイン）と我慢を続けることも必要だ。
釣行メモ
桟橋料金…入釣料含み￥2000。釣り台必携
アクセス…関越自動車道本庄児玉IC～R462経由で上野神流方面へ。
下久保トンネルをくぐってすぐの「ボート乗場」と書かれた看板の道を湖畔に下りる。
神流湖へのアクセス＜週刊へらニュース版 棚網久／TSURINEWS編＞
神流湖
