産卵を終え春先から活発になるメバル。数も釣れて、小気味良い引きも楽しめるのが船で釣るメバルの楽しみだ。今回は伊勢湾周辺の船釣りでのメバル釣りについて紹介しよう。
伊勢湾メバルシーズン
一年で最も水温が下がる2月後半から春先、この伊勢湾周辺では例年なら春を告げるコウナゴ漁が開始される。このコウナゴを捕食するため、産卵を終えたメバルの活性が上がるのもこの時期からだ。
産卵を終えたメバルがエサを活発に拾い、浅場に移動し始めるのもこの時期である。意外と知られていないことではあるが、脂が乗っておいしくなるのは、これからの晩春から初夏にかけての時期なのだ。
今年の伊勢湾は例年に比べ水温が高く、スタートが遅れている。例年ならば年明けから徐々に上向いてくるメバルの釣果だが、水温の影響もあり1月現在まだ本格的な釣果につながっていないのが実情だ。
水温が下がり、その水温が落ち着いてくれば例年通りのメバル釣りを楽しむことができ、またシーズン終盤の晩春まで楽しめることに期待しよう。
メバルの遊泳力
メバルの習性は他の根魚に比べて遊泳力が高いこともあり、底から数m上の層を群れを成して行動し、捕食の際は底からかなり上まで浮いてくることもしばしばある。
このためメバルの活性が上がり、底からかなり上のタナで釣れる場合は、一度に何匹も釣れる多重連を狙いやすい。またその小気味いいアタリから、この厳寒期の釣りのなかでもメバル釣りが人気であることも事実だ。
船メバルタックル
まずはタックルから紹介しよう。サオは3m前後、胴調子でオモリ負荷が30~50号のもの、リールは小型両軸リールに、ミチイトは1mごとにマーキングされたPEの2~3号を200m、その先に先イトをナイロンの5号前後を10mほど取る。
仕掛けの全長は、サオの長さと同じぐらいが扱いやすいので、3m前後の胴つき仕掛けになる。オモリは伊勢湾の乗合船では、60号前後が一般的だ。ちなみに私のメバル用のタックルは、サオが3.6m、オモリ負荷30号の胴調子、リールは小型両軸リール、ミチイトはPE2.5号、先イトはナイロン5号10mだ。
メバルは漢字で目張と書く。目がいいとされ、基本的に細い仕掛けを使用する。
ミキイトは2~3号、ハリスは1~1.5号を25~40cm、ハリはメバルバリの7~10号を使用した胴つき5~7本バリが一般的だ。
仕掛けが釣果の差に
船からのメバル釣りの場合、基本的にはメバルのタナに仕掛けを合わせれば、比較的簡単に釣れる。しかしながら数を伸ばそうとすると、非常に重要になってくるのは、いかに追い食いをさせ一度に何匹釣れるかということ。その最大のポイントが私は仕掛けだと考えている。
前述したように一般的な仕掛けから、釣り人ごとにこだわりをもった仕掛けを使用するのもこの釣りの特徴だ。
ハリスの太さ
私の場合は、過去にはハリスを0.8号まで細くし、ミキイトも1.5号という超極細仕掛けを使用したこともあったが、船の場合オモリが重いことや多重連になったときに重さで切れてしまうこと、またハリスがヨレやすいなどの理由から、近年は徐々に太めの仕掛けを使用している。
私のこれまでの経験からの感覚では、ミキイト2.5号、ハリス1.2号までならメバルの食いはほとんど変わらないような気がする。それよりも重要なのはハリの大きさやハリスの長さ、その間隔であるような気がする。
船メバルのハリ
もちろんハリは小さければ軽く違和感がない状態で魚がエサを食べることができるので、小さければ小さいほど食いはいい。しかし、あまり小さすぎるとハリ掛かりが悪くなり、アタリがあってもフッキングしない、あるいは途中で外れてしまうことも多くなる。
私は基本的にはメバルバリ8号、メバルが良型の場合は細軸のチンタメバル9号、食いが渋い場合はメバルバリ7号の3種類を使い分けている。メーカーによってハ リの形状が違うので、いろいろ試してみよう。
仕掛けのバランス
ハリスの長さも通常は30cm、枝間隔はハリスの長さプラス10cmをビーズで止め、基本は7本バリ、ハリスを40cmにする場合は仕掛けの全長も考えて6本を使用する。
またメバルの活性が高い場合やコマセを使って釣る場合は、ハリス25cmでハリはグリーンのサバ皮や蓄光のフラッシャーを付けた8本バリ仕掛けを使う。
基本的にハリの大きさとハリスの長さのバランスを自分なりに工夫するのも、この釣りの楽しみの1つであることを理解してほしい。
船メバルのエサ
次にエサについて。時期によっても若干は違ってくるが、もし手に入るなら生きたイサザがナンバーワンであることは間違いない。
しかし高価なので一般的には冷凍のイサザやイカを薄く細く切ったものや、また水温が上昇してきてからの浅場での釣りでは、モエビやウタセエビなどエビ類も一般的なエサだ。
近年私はコマセを使うメバル釣りの場合、イカの短冊を多用する。生きイサザは別としてエサ持ちが良く、食いがいい場合なら食いにほとんど差はない。また手返しが断然良くなるので、ぜひ試してほしい。