今日の問診票
人気急上昇のアカムツ。料亭ではノドグロと呼ばれる高級魚。最近は関東でもかなりメジャーな釣りものになって来たようですが、初心者でもアカムツが釣れますでしょうか。自分で釣ったアカムツを食べてみたいんです!基本的なタックルや仕掛け、誘い方を含め、是非教えて下さい。
診断結果
【ノドグロ熱発症】
恋は盲目ならぬ、ノドグロは盲目の状態のようですね。アカムツは別名ノドグロとして北陸、山陰といった日本海の高級魚というイメージでしたが、近年は関東のポイントも広く開拓されてきました。良型は引きも強く、勿論食味は最高ですから、人気があって当然です。その中でも、冬場でもアカムツが釣れる場所として2年前から注目されているのが犬吠埼沖です。初夏頃から産卵期にアカムツが集まってくることで知られていた茨城沖のカンネコが水深120~140mに対し、犬吠埼沖は150~320mと水深は深まります。昨年から犬吠埼沖のアカムツ釣期は漁業者との取り決めで1月から6月末の半年となりました。
処方箋
新しく開拓されたポイントだけに今期も非常に魚影が濃く、数だけで無く40センチを超える錦鯉のような良型が高確率で揚がるのもこの場所の魅力です。また大半は泥地に小さな根が点在する緩やかな斜面なので根掛かりの心配もありません。資源保護のため、針数も2本までと取り決められたことで、かえって仕掛けもシンプル。ですから初心者でもアカムツの数、型を狙える絶好のポイントになっているのです。出船は茨城・波﨑港、銚子・外川港、銚子・犬若港、九十九里・飯岡港となります。
それでは、ノドグロ釣りのキホンを解説していきましょう
ノドグロ釣りのタックル
使用錘は大抵200号です。そしてポイント水深が150~320mですから、それを踏まえたタックルチョイスになります。
リール
近年はPEラインの強度進化でPE3~4号で十分で400Mを巻ける電動リールが基本です。これより太い道糸はオマツリを助長するので良くありません。
ダイワなら300番もしくは500番ですが、手持ちで誘う釣りを行うなら軽量で機動力のある300番がお勧めです。
またオマツリによる高切れも考慮して予備リールを持参するのが好ましいです。
ロッド
ロッドは200号負荷対応の中深場ロッドまたはアカムツ専用ロッドで長さは2m前後。
中深場釣りは確実な底取りが必須ですから基本は操作性に優れた8:2や7:3先調子ロッドです。しかしこの海域はうねりも入りやすく、あまり硬いロッドは仕掛けが跳ねたり、口が柔らかいアカムツを巻き上げ途中に逃すリスクも高くなります。
そういう観点では置き竿も考慮して操作性も兼ねた6:4調子がこの海域にはマッチしている考え方もあります。
NEWショットバイパーMHは7:3~6:4調子・最大錘負荷200号で、操作性は勿論、巻き上げの時は5:5に曲がり込みバラシを多いに防いでくれます。
仕掛け
仕掛け他の海域と異なり、犬吠埼沖のアカムツ釣りは2本バリまでと定められているので仕掛けもシンプル。初心者でも作製も扱いも楽です。
枝間は1~1.2m、ハリス40~60cmを親子サルカン4×5号で出します。
ハリスは長いから良型が掛かるというわけではありません。捨て糸の長さは70cm~1mを基本にサメやドンコなど底の外道が多い時は1.5~2mと長く調整します。
ただしハリスも同じですが長すぎる捨て糸はバランスも良くなく、後述する「根歩き」という釣法時に仕掛け絡みの原因にもなります。
同乗のベテランが捨て糸を極端に長くしていたとしても、初心者は、扱いやすく、絡まないバランスの仕掛けで基本に忠実な釣りを心がけるべきでしょう。
エサ
餌は冷凍ホタルイカです。ほとんどの船宿が用意してくれます。
針はバラシを防ぐネムリ系でアカムツ専用針やムツ針、ホダ針の16~19号。ホタルイカの口から針先を通し、両眼の間から抜きます。そして俗に言う“ツボ抜き”で身からワタ付きのゲソだけを抜き出します。この時ワタがちぎれたり破れないよう丁寧に抜くことが釣果に影響します。
また餌持ちを良くする意味とアピールを兼ね鮭皮短冊やサバ短冊でサンドする方法もあります。
針のチモトには浮力とアピールのためビーズやパイプを入れる事が多いですがマシュマロボール(ヤマシタ)を利用するのが定番です。
サバやサメなどの外道が少ないときは蛍光や発光タイプでアピールすると釣果が伸びることも多いですが、外道が多い時は無発光のオレンジや赤、白などが好ましいです。
場合によっては装飾は何も付けないシンプルな仕掛けが良い場合もあります。
針の色も含めその日の状況を踏まえ最適な判断と実践が出来るかで釣果は大きく違ってきます。