サビキ釣りと並び、初心者におすすめの釣りがチョイ投げで狙うキス釣りだ。道具立てはシンプルかつリーズナブル、釣り方は簡単、しかも数が釣れて美味しい。キス釣りはそんな魅力に溢れている。今回は、対象となるキスの生態やタックル、「これさえ気を付ければ釣れる」というポイントを紹介していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
キス釣りってどんな釣り?
まずは対象魚であるキスについて知ってほしい。日本近海で釣れるキスの仲間にはシロギス、アオギス、ホシギス等いくつかの種がいるが、釣りの対象となるのはほぼシロギスだ。ということで、シロギスにフォーカスしてみていこう。
浅い場所で釣れる
シロギスは水温が上がってくる4~5月頃、産卵のために砂地の浅場へとやってくるため、この頃から堤防やサーフで狙うことが出来る。いわゆる「シーズンイン」だ。
1年で何度も産卵
シロギスは生後約2年で12cm~18cm程度になるのだが、この頃に成熟し、産卵が可能となる。水温が25~26度程度になると産卵行動を開始するのだが、1年で何度も産卵するために、活発に餌を食う。そのため、卵をもった個体と遭遇する機会も多いだろう。

サイズは?
一般的に陸からよく釣れるのは15cmから20cm程度だが、稀に30cmを超す個体もいる。大型の物は手で掴んだ時に「ヒジを尾鰭で叩くようなサイズ」ということで「ヒジタタキ」と呼ばれ、投げ釣り師たちの憧れだ。
これはチヌ(クロダイ)でいう「年無し/50cm」、ブラックバスでいう「ランカー/50cm」、タチウオでいう「指5本/1m」、メバル・アジ・渓流魚でいう「尺/30.3cm」みたいなものと考えてほしい。
ちなみに日本記録は20年ほど前に長崎県で37.2cmが釣れているというから驚きだ。
天ぷらや刺身が大変美味
「キスと言えば天ぷら」というほど、シロギスは天ぷらが大変美味しい魚。フライも最高だ。また、23cmを超すような大型のものは刺身も美味だし、焼き物・椀物・蒸し物・干物と、実に数多くのレシピがある。

こんなゲストも釣れる
キス釣りをしていると、よく釣れるのがメゴチ/テンコチ(関西ではガッチョと呼ばれる)、ハゼの仲間など、砂底で生活する魚達だ。その他、フグやチャリコもよくヒットするし、稀にカレイやホウボウが掛かる事もある。

タックル
次に、使用すべきタックルをみていこう。うまくいけばトータル5000円程度で揃えることが可能だ。
ロッドとリール
キスのチョイ投げ釣り/ライトキャストは近年人気の為、釣具店などで「チョイ投げセット」と銘打って3000円~4000円程度で売られている「オールインワンパック」が存在する。
初心者の方は、これを購入するだけでOKだ。この中にはロッドやリールの他、オモリや仕掛けもパッキングされているので、お手軽に始めたい人は是非探してみてほしい。
もし予算に余裕があり、本格的に始めてみたいなら、8~9フィートのルアーロッドやエギングロッドに1000~3000番程度の小型スピニングリールを用意すると、感度がよく釣りやすいだろう。
オモリ
続いて、仕掛けを遠くに飛ばすために使用するオモリだが、キス釣りでは「テンビン」と呼ばれるタイプの物を使用するのが一般的だ。2本入りで300円~400円程度で入手できるので、サイズは竿のオモリ負荷にあったものを選ぼう。
ちなみに、チョイ投げで使用するテンビンは5号前後が一般的で、重さは18.75g。一般的なエギングロッドは3.5号程度のエギ(22g)までキャストできるように設計されているので、エギングロッドであれば問題なくキャストできるだろう。シーバスロッドの場合はキャストできるルアーのウェイトを参考にしてみてほしい。
市販仕掛けがおすすめ
キス釣りの仕掛けは針数が多く、絡み防止となる「砂ズリ」と呼ばれる部分は自作すると時間と手間がかかる。200円~400円程度で2~3セット入っている市販仕掛けは大変便利なので、最初は市販仕掛けからスタートするのがおすすめだ。

エサ
キス釣りで最もよく使用されるのは、イシゴカイと呼ばれるイソメだ。大変滑りやすいので、石粉と呼ばれる粉を塗して使用すると良いだろう。

イシゴカイは1パック500円から販売されている場合が多く、小さく切って使用するため、これだけで4時間~半日近く楽しめるのでコスパも抜群だ。活きた虫エサが苦手な場合は、バイオイソメと呼ばれるタイプのワームを使用するのも良い。
どちらの場合も、針に刺す場合は針軸一杯とし、食い渋り時を除いてタラシは出さないようにしよう。
