普段は海でのカヤックフィッシングに親しむ筆者が、知人の提案をきっかけに初めて湖でのワカサギ釣りに挑戦。カヤックで出艇できる場所探しや道具の準備、釣法の研究を経て迎えた初釣行の様子をレポート。足漕ぎカヤック「アウトバック」での実釣体験と、ワカサギ釣りならではの魅力も紹介します。
カヤックフィッシング入門時の不安を全て解消!『カヤック特集』を読む
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)
カヤックでワカサギ釣り
ワカサギ釣りといえば、湖に張った氷に穴をあけて糸を垂らす氷上穴釣りや、ストーブやトイレもあって快適なドーム船での釣りをイメージする方が多いことでしょう。
その一方、冬にカヤックで湖に浮かんで釣りをすると聞くと、極寒の中の苦行をイメージするかもしれませんね。
ですが、知人に「カヤックでワカサギ釣りってどうなの?」と言われ、あらためてカヤックならではのメリットを考えてみたところ、
・船の予約がとれない事態とは無縁で、気が向いたその日に釣りに行ける
・交通費と遊漁券代だけなので安あがり(河口湖の場合)
・隣の釣り人とのオマツリなどのトラブルがない
・自分なりに考えたタックルも人目を気にせず試せる
・釣れなければ自由にポイントを移動することができる
などなど、たくさん良いことがあることに気付きました。筆者のようなマイペースなアングラーにはピッタリです。
さらに、実際に釣りをしてみれば、もっと多くの新しい発見があるはず。そんな期待を胸に、今回は筆者が所有しているホビーカヤック・アウトバックでカヤックワカサギ釣りに挑みます。
河口湖に決めた理由
今回のカヤックワカサギ釣りの舞台は山梨県・河口湖。まずは、ワカサギがいる湖が数多くある中で、なぜ河口湖を選んだのかについてご説明しておきましょう。
河口湖はカヤックフィッシングOK
筆者の所有するホビーカヤック・アウトバックでカヤックワカサギ釣りに挑戦するにあたって、どの湖が良いのかいろいろ調べたのですが、「カヤックフィッシングができる湖って、意外と少ないなぁ」というのが率直な感想です。
カヤックは出せてもカヤックからの釣りは禁止だったり、カヤックの出艇自体が禁止されていたり、地形的に出艇が不可能だったりと、多くの湖では自由気ままに出艇できるわけではありません。
ですが、ありがたいことに河口湖はカヤックの出艇&釣りが許されていて、出艇しやすい浜や無料駐車場まであるという、とても恵まれたフィールドなのです。
当然ながら、禁漁期間や禁漁エリア、釣り竿の本数制限などのルールを守る必要はありますが、大手を振ってカヤックフィッシングをさせてもらえるならば大した問題ではないでしょう。
また、河口湖は真冬でも湖面が結氷することが少なく、きちんと防寒対策をすればカヤックフィッシングができるくらいの寒さなのも良いところです。

河口湖はワカサギ釣りに優しい
河口湖は、漁協によってワカサギの資源量が維持・管理されています。ひと昔前は、ワカサギの不漁が問題となった時期もあったとのことですが、ワカサギの卵を人工孵化させて放流するなどの取り組みによって、現在ではワカサギ釣りのメッカのひとつとして復活しています。
遊漁券の自動販売機
また、遊漁券の自動販売機が設置されていて、深夜・早朝に到着しても大丈夫。釣り人の利便性を考慮された素晴らしい釣り場といえます。

釣果情報も充実
右も左もわからない初心者が、ノドから手が出るほど欲しいのが釣果情報です。ワカサギが釣れるかわからない状況で、「初めて」かつ「遠方」の釣り場に行くのはかなり心理的ハードルが高いですからね。
その点、数多くのドーム船が釣果情報をホームページにアップしてくれている河口湖は、どれくらいワカサギが釣れているかを知ることができてすごく助かります。「本日の竿頭は1000匹超え!」などの情報があれば勇気100倍、モチベーションも大幅アップですよね。

準備整え河口湖へ!
それでは、いよいよ初めての河口湖、初めてのワカサギ釣りです!カヤックでワカサギを釣るぞと決めてから数週間が経ち、満を持して挑んだ初釣行は2月末。
ひと通りのタックルや仕掛けをそろえ、万全を期して車のタイヤもスタッドレスに履き替え、ついに河口湖へ到着しました。あとはワカサギを釣るのみです!

初回はまさかのボウズ
前日のドーム船の釣果情報では、初心者や家族連れの方でも100匹〜300匹は釣っている模様。
「まあ、最低でも何十匹かは釣れるでしょ。釣れすぎちゃったらジップロック2枚じゃ足りないかも……」とルンルン気分で支度をして、湖へ漕ぎ出していきます。が……、 結果はまさかのノーフィッシュ!
ホビーカヤック・アウトバックを漕ぎまくってワカサギの群れを探しても反応なし。ドーム船の近くならワカサギがいるのかもと思いつき、ドーム船めぐりをしてみてもまるでダメ!快晴で富士山がクッキリ見える最高の景色とは裏腹に、心の中を焦りと落胆に支配されたまま数時間経過。
結局、記念すべきカヤックワカサギ初釣行は、「一日で1000匹釣る人もいるワカサギ釣りでゼロって……そんなことある⁉」と落ちこんだだけでなく、帰路で4時間以上の大渋滞にもハマってしまい、心身ともにヘトヘトで終了したのでした。
