家族で楽しめるアクティビティの代表格、潮干狩りのシーズンがやってきた。シーズン初期である4月8日、釣り人ならではの視点で楽しんできた様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
この視点は釣り人ならでは!?
ここまである程度は採れていたので退屈こそしないものの、やはり潮干狩りの魅力と言えば「纏まってザックザック出てくる!」ではないだろうか。
そこで著者は、釣り人お得意の思考パターンを巡らせ、思いついた作戦を実行。これが見事にハマったので紹介したい。
アサリがいるラインを考える
サーフからの投げ釣りを楽しむ際、PEラインのマーカーを基準として「投点から~mラインに多い」といった考え方をすることが多い。そこで、1個発見したラインを基準に波打ち際から沖に向かって進むのではなく、並行に進んで掘ってみることにしたのだ。
砂紋の変化にも注目(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)狙ったのは砂紋に変化のあるラインで、この時は波打ち際からおよそ6mと、3m。これが見事にハマり、掘ればザクザクとアサリが採れ始めた。
道具は不要!?
最初の方こそ水中でクマデを使用していたのだが、やはり海中でクマデを動かすと水の抵抗がキツイ。そこで、砂に対して軍手をした掌を当て、撫で押ししながら円を描くようにしてみると、驚くほど簡単に採れる。
手に直接貝の感触が伝わるので、取りこぼしも少なくて済む。陸では道具、海中を狙う際は軍手を装着した手……と使い分けるのが良さそうだ。
良いポイントには沢山!
釣り中も「良いポイントに当たった」という事があるように、アサリにも潮の流れ・地形的に「固まって棲息する場所」というのがあるようだ。砂紋だけでなく、水面/ヨブの状態・潮の流れを確認して山立てをし、その場所を丹念に探るとハズレが無い。
結果、大漁!
ある程度経ってから戻ってくると、コツを掴んでいた息子とお義母さんも中々順調だったようだ。周囲の家族が苦戦し、小さなバケツに僅かしか入っていない中、我が家は大漁となった。15時半頃終了としたのだが、最終的に3~3.5kg程度のアサリを採る事が出来た。これには息子もご満悦だ。
アサリ選別中(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)あると便利な釣具紹介
ではここから、今回著者が使用した「あると便利な釣具」を紹介したい。
ウェーダー
今回著者は最初からウェーダーを着用して挑んだ。海水温がまだ低い為に水着は厳しい訳だが、ウェーダーなら一切問題が無い。かなり深いところまで行ける上に、濡れることを全く気にしなくていいのは、潮干狩りにおいて大きなアドバンテージと言えるだろう。
持っている方は、是非着用してもらいたい。若干「ガチ勢感」が出るのは否めないが……!
ビク
渓流釣りで日頃愛用しているビクが、潮干狩りの最中も最高の相棒となった。肩紐を一番短くして首から下げておけば、採集したアサリをそのままワンタッチでインできるため大変効率が良い。万が一傾いても、構造上貝をこぼす事もないので安心だ。
使用後はしっかり洗いたい(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)バッカン
潮干狩りはその特性上、どうしても砂まみれになる。勿論、大抵の潮干狩り場で綺麗に洗う事が可能だが、今度は濡れた道具を車に積む際にどうするか……と言った問題が発生する。全ての道具を収納できるキャパを備えたバッカンは最強アイテムかもしれない。
必要な物の大半が収納可(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)空のペットボトル
これは釣具ではないのだが、採ってきた貝を砂出しさせる為に現地の海水は必須だ。海水程度の濃度の塩水でも可能ではあるが、砂を吐くレベルが全く違うので、海水は是非持ち帰ってほしい。今回は8リットル程度の海水を詰めて持ち帰り、砂出し中に3回水換えを行ったのだが、丁度いい量だった。
採ってきた後は?
最後に、採ってきたアサリをどう処理するのかを紹介しよう。
砂抜き
吐き出した砂を再度吸い込んでしまう事を避ける為、著者はスノコ付きタッパーを愛用している。
著者愛用品(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)こちらにアサリを重ならないように並べ、やや貝の表面が出る程度に海水を注ぐ。完全に水没させると窒息してしまうので注意しよう。後はアルミホイルでフワっと蓋をし、使い古したタオルで周囲を覆って暗い状態にすると、落ち着いて砂を吐いてくれる上に周囲が水浸しになる事を防ぐことが出来る。
砂抜き中(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)後は6~8時間に1度水換えを行いながら、可能であれば丸1日程度は砂抜きを行いたい。8~12時間程度でも食べれなくはないが、普通に砂が残っている印象だ。
匂いに注意
どうしても途中で死んでしまう貝が出てくるのだが、これが強烈にドブ臭い。放置すると周囲の貝が全てダメになるので、マメにスメルチェックを行い、死んでいれば即処分しよう。
アサリ料理を堪能
こうして砂抜きを終えたアサリだが、やはり王道の酒蒸しが超絶に旨いため、個数を分けないと取り合いになってしまうレベルだ。さらに、残り汁にパスタを入れて、バターで絡めても最高だ。さらに翌日、我が家ではアサリご飯と佃煮も堪能した。
酒蒸しは最強メニュー(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)保存方法
砂抜きが終わったアサリは、真水でしっかりと殻の表面の汚れを取ったら、ジップロックに重ならないように並べて急速冷凍しておこう。こうすれば料理する際、そのまま放り込むだけでOKというお手軽さだ。
最高に楽しい潮干狩りを堪能
著者が訪れた4月初旬はまだ水温が低かったため、アサリがやや深くに潜っていたり、浅場の方が攻めやすかった。この記事が出る頃には気温・水温が上昇し、ベストシーズンとなっているはずで、より採りやすくなる事だろう。
その反面、日差しが強くなり日焼け・熱中症のリスクが大幅に増すので、対策を採りつつ水分も補給しながら、家族で楽しんでみてはいかがだろうか。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

