伊藤さとしのプライムフィッシング:真冬でも浅ダナセット?④

伊藤さとしのプライムフィッシング:真冬でも浅ダナセット?④

伊藤さとしのプライムフィッシング。その日その釣り場で最良の釣りを目指す。1か月をメドに釣り方、エサ紹介などを伊藤の実釣を交えて解説する第7回。今回のテーマは「真冬に浅ダナセット?」。冬に強いと言われる段差の底釣り・チョウチンセットを差し置き浅ダナを選択する。一見不利に見えるが、条件さえクリアすれば速効性を持つこの釣りの長所が生きてくるはずだ。今回は落とし込みとバラケタッチの重要性について考えてみる。

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淡水の釣り ヘラブナ釣り

オモリとエサの着水点

浅ダナセットであっても、振り込みは落とし込みが基本だ。

食わせの上から雨のようにバラケ粒子を降らせて、食わせとリンクさせる。どんなにいいバラケを作っても、落とし込みが正確にできなければ意味はない。しかも仕掛けを絡ませないように。

そのためにはウキ周り、オモリ周りをシンプルかつきれいに仕上げる。

伊藤 さとし

「そこまで書くならぜひオモリとエサの着水点にも着目してほしいね。」

 

着水点ですか?

伊藤 さとし

「そう。ハリをオモリ周囲に絡ませないようにするには下バリとオモリの着水点を少しだけズラして打ち込む。そうすれば下ハリスの絡みを防ぐことができるからね。」

 

イメージとしてはまずエサが先に前へ飛んで着水し、次にオモリがそれを追いかける。この時にオモリを手前とか沖、または左右のいずれかに着水させるのですね?

伊藤 さとし

「そう。そしてコンマ数秒後から追いかけてくるウキをオモリの着水点にふわりと投げ入れるこれが落とし込みの基本動作。この時にエサを起点にして、オモリを前後左右に打ち分けることでエサが通るコースが変わるから、それで触りを出せたりするから試してみるといいよ。」

 

オモリは常に一定の位置で、先に飛んでいく上下のエサを前後左右にズラすわけですね。

伊藤 さとし

「そういうこと。着水すると今度はエサとオモリの順序が入れ替わり、先にオモリが落下するよね。それを追いかけてバラケが落下し、さらにバラケを追いかけて下エサが落下する。この落下するコースを替えてみてはどうかって話しなんだけどね。でもこれはあくまで小細工であって、基本はバラケのタッチがとても重要なんだけどね。」

伊藤さとしのプライムフィッシング:真冬でも浅ダナセット?④オモリとエサの着水点を意識して投げ入れる

使い慣れたバラケを基本とする

どんなバラケがいいのですか?

伊藤 さとし

「ずい分と乱暴な質問をしてくるね。どんなのと聞かれて答えられる人なんていないよ。だって必要なタッチは、その日その時で変わってくるのだからね。だからといってスタート(基準)があいまいだと、その先の調整もしづらい。だからスタートは常に使い慣れた同じバラケブレンドから入って、そこから必要に応じて調整を加えることが大切なんじゃないかな。」

 

ちなみに伊藤さんのブレンド例は?

伊藤 さとし

粒戦、粒戦細粒、とろスイミー各50㏄に水が150㏄。十分に水分を吸収させたらセットアップとセット専用バラケが各100㏄。これをさらりとかき混ぜたものを基エサとして使ってるよ

 

抜き系でも持たせ系でも常に同じですか?

伊藤 さとし

「そうだね。メーター前後のタナなら、これでどちらも調整が効く。あとはハリ付け時の指圧調整と、圧を加える位置や面(広さ)などの調整、そしてバラケサイズ(絶対量)を併せて考えればどこかでパズルの答えが見えてくる」

伊藤さとしのプライムフィッシング:真冬でも浅ダナセット?④使い慣れたバラケブレンドを基本に使うことが大切

 

当然、仕掛け調整もですよね?

伊藤 さとし

「とくに下ハリスの長さは重要だよね。ただあれもこれもだと、かえって何をやっているか自分でも分からなくなってしまうから、一つ一つ目的を持って段階的に行うことが望ましいだろうね。」

 

それでもアタリが出せない時は?

伊藤 さとし

「あらゆる対策を講じたにも関わらずウキが動かない。しかも同じ釣りをしているな並びでも同じような状況なら、思い切って竿を伸ばすかチョウチンまたは段差の底釣りに替えてみよう。

目安は2~3時間。時間をかけてやり切ることも大切だけど、この釣りの場合は答えがほかの釣りに比べて早い。ただし朝と日中では水温差によって釣況がコロッと変わることもあるから〝今日の浅ダナはない〟などと決めつけずに、臨機応変に釣り方を模索するといいだろうね。

 

次回のテーマは「迷ったらチョウチンセット」です。

「真冬でも朝ダナセット?①」から読む。

<週刊へらニュース 伊藤さとし /TSURINEWS編>

▼この釣り場について
友部湯崎湖
この記事は『週刊へらニュース』2019年月1日25日号に掲載された記事を再編集したものになります。