キザクラが誇る独自のウキ製法「AMR(アーマー)」が進化し、さらなる精度を追求した「PRO-AMR(プロアーマー)」が登場。強度・水中安定性・遠投性を高め、プロも納得の浮力精度を実現した。余浮力を極限まで削ぎ落とし、仕掛けのバランス調整がよりシビアなトーナメントでも自在な設定が可能に。本記事では、開発の背景や実釣でのメリットを詳しく解説する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版編集部・立石)

実釣の場でのプロアーマー
実釣の場で注目してほしいのは、ウキ単体の浮力調整の精度の高さです。
アーマーでは0で、通常の仕掛けにジンタン5を打っても沈まないことが多く、ゆっくりと沈めるためにウキのボディにバランサーのオモリを貼り付けて調整していました。
プロアーマーではその調整が不要になり、オモリを使用する際はジンタン5を基準に使い始めることを推奨しています。

構造の違いはあるのか?
プロアーマーはアーマーと比較して、余浮力がより細分化されている点が最大の違いで、内部に組み込まれるオモリの精度や塗装技術が向上しています。

プロアーマー実釣でのメリット
プロアーマーの実釣時での大きなメリットは、「小さなアタリがすぐにウキに出る」ことです。
アーマーではBのウキにガン玉Bを打っても海面に浮いていましたが、プロアーマーは余浮力がなく、ガン玉を打つことで素直に海中へと吸い込まれるように沈んでいきます。
グレの食い気がシビアな時でも、口を使った瞬間にすぐにアタリが出ます。
余浮力についてもう少し詳しく説明すると、アーマーでは浮力2Bのウキでも、実際は3Bくらいの浮力がありました。プロアーマーでは、例えばBならばアーマーのジンタン5相当の浮力に設定されています。
基本の仕掛けは、フロロハリス1.5号を2m、グレバリ6号、スイベル8号を足すと約0.25gで、この設定でテストを行いました。
これからウキ釣りを始める人が磯に行く際も、超高感度のウキを入門者でも使いやすくするため、浮力表示の分かりやすさも考慮しています。

半誘導仕掛けのプロアーマー
ウキ釣りをする人の大半は、半誘導仕掛けでハリスにガン玉を打って釣っています。
アーマーではウキの浮力の幅がありすぎましたが、プロアーマーではタナ調整がしやすくなっています。繊細な魚にどう口を使わせるかを考えながら、ガン玉の使い方を工夫することができるのです。
プロアーマーは0をゆっくりと潮に馴染ませながら釣れるため、全層釣法からスタートし、タナを決めて半誘導仕掛けに切り替えるスタイルにもおすすめです。
ウキ下の仕掛けを張って調整することで、アタリの出やすさを体感でき、今まで取れなかったアタリも捉えられるようになるでしょう。

釣り人のスタイルに合わせて調整可能
ハリスをミチイトに直結して釣る人や、ガン玉を打つ人だけでなく、ミチイトすら仕掛けを沈めるための材料にする人にも対応。ハリスにガン玉を打ち、沈むスピードを調整しながら釣るスタイルにも適しています。
今後は、プロアーマー仕様のウキを増やし、シリーズとして展開していく計画です。
既存のアーマーも一部継続製造される
チヌフカセ用のアーマーウキは、今後も継続して提供する予定です。チヌはダンゴエサを使用するため、余浮力の調整幅が広い方が使いやすいからです。
これからグレフカセ用のウキはPRO‐AMR仕様に変わっていきます。

<立石寿栄/週刊つりニュース西部版編集部>