衰えない人気を誇るメタルスッテのツツイカゲーム。ケンサキイカやスルメイカ、ヤリイカを狙うゲーム性に富んだ釣りだが、読者の皆さんは夏の日本海で楽しむイメージが強いと思う。だが寒さ厳しい冬でも楽しめるのが、三重県の熊野灘沿岸だ。北西の季節風に強いので出船率が高く、イカも非常に濃い。今回は三重県・紀北町引本浦のエヌテックマリンに乗船。このメタルスッテで狙うツツイカゲームについて実釣記を交えながら解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
メタルスッテ女王が爆釣
だがこの日のアカイカはスルメが元気すぎたせいか、やや活性は低かったように思う。やがて9時を回ると、スルメの勢いも徐々に落ちてきてまったりとした空気が流れ始めた。
皆さん休憩したりバチコンをしたりと、先ほどまでのラッシュとは打って変わってのんびりした様子。だがそんななかでも1人サオを曲げ続ける人が……。そう、萩原さんだ。私は萩原さんの隣でサオを出していたのだが、こちらが1匹釣る間に5匹ほど立て続けに釣り上げている。誰もが「時合い終わったね〜」なんて話しているが、1人時合い継続中といった感じなのだ。
さらにバチコンに切り替え、良型アジ、表層では大サバも連発。1人で釣りまくって、当然のようにサオ頭。真剣に釣り続けていた橋本さんですら、2番手に甘んじるほどの釣りっぷりだった。
頻繁にアクションを入れよう
あまりに釣りまくるので萩原さんにコツを聞いてみた。するとやはり頻繁にアクションを入れること、そしてステイは短めに、とのことだった。
見ていると任意のレンジまでスッテを落とした後、ジギングのように激しく2〜3回シャクってステイ。ステイは2〜4秒といったところか。
さらにはリールを巻かずに、激しく2回、3回シャクってすっと落とす。同じレンジでもシャクリ幅の分、しっかりスッテを動かしてスルメの目を引くのだ。
アタリは止めてすぐ出ることが多い。これで乗らなかったら、その場でシェイク。たまらず抱き直してくることも多く、これで乗せ損ねたイカを何度も掛け直していた。
エサ巻きスッテ
他に奥の手として萩原さんが教えてくれたのがエサ巻きスッテだ。特にスルメイカには有効で、専用のスッテに鶏のササミやキビナゴを巻き付ける。ササミは専用のパウダーや漬け込み液でしっかり締めて、エサ持ちを良くすることが大事だ。キビナゴよりもササミの方が、エサ持ちはさらに良い。
ベイトのいるレンジを集中攻撃
またベイト反応の出るレンジを攻めることも大事だと教えてくれた。特に15m前後の浅いレンジで濃い反応が出た時は、素早くレンジを合わせて3連発。こんな観察眼も大事になってくる。
この日は20〜30mでアタリが出ることが多かったが、萩原さんもこの範囲でスッテを頻繁に往復させることで、多くのアタリを引き出していた。
そして午後11時に終了。アカイカはやや少なめだったが、皆さんボリューム満点のスルメイカの釣果に大満足。
この尾鷲湾口のメタルスッテゲーム、これから最盛期を迎える。高水温でヤリイカは期待できないかもしれないが、おいしいアカイカに強烈パワーのスルメイカは安定して狙えそうだ。寒さも吹き飛ばすほどの熱いメタルスッテゲーム、初釣りがまだの人はぜひチャレンジしてほしい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>