「お酢はかけちゃダメ!」猛毒の『ハブクラゲ』に刺された時の正しい対処法は?

「お酢はかけちゃダメ!」猛毒の『ハブクラゲ』に刺された時の正しい対処法は?

海に浮かぶ幻想的な生物クラゲは、水族館での飼育やグッズで身近な存在となっています。しかし、多くの種類が毒を持ち、日本では毎年クラゲによる被害が発生しています。穏やかな見た目とは裏腹に、危険性を知り、適切に向き合うことが大切です。

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サカナト編集部

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日本のハブクラゲが危険な理由

ハブクラゲは日本で危険な海生生物の1種。ハブクラゲが危険な理由は、猛毒を持っている点と人間の生活区域に出現することです。

毎年6~9月の海水浴の時期に出現し、多くの被害を出しています。

「お酢はかけちゃダメ!」猛毒の『ハブクラゲ』に刺された時の正しい対処法は?海水浴場の注意喚起(提供:PhotoAC)

半透明な見た目のため水の中での発見が困難で、子供が遊ぶ浅瀬にも生息しているため被害が絶えません。

またハブクラゲに刺されると激痛が走り、皮膚は赤く炎症を起こします。重症化するとアナフィラキシーショックによる呼吸困難や心肺停止の危険性もあります。

沖縄県ではハブクラゲ危害防止対策事業を始めた1998年から2022年までの25年間の被害は計2865件。そのうち死亡や呼吸停止となったケースは8件で、いずれも15歳以下だったそう。

県は「子どもは体が小さいため、毒がもたらす影響が大きい。重症化しやすいので注意が必要」としています。

(参考:ハブクラゲ被害、25年間で2865件 沖縄県が注意呼びかけ-朝日新聞DIGITAL

ハブクラゲの生態

ハブクラゲは、立方クラゲ種という猛毒を持つと言われている種類に分類されるクラゲです。

熱帯に生息し、日本では沖縄や奄美大島などで発見がされています。ハブクラゲはカサから伸びる長い触手に強い毒を持っており、触手が獲物に触れた刺激で獲物に毒を分泌します。

「お酢はかけちゃダメ!」猛毒の『ハブクラゲ』に刺された時の正しい対処法は?ハブクラゲ(提供:PhotoAC)

浅瀬にも出現するハブクラゲですが、大きいものだと全長150cmにまで成長するそう。

ハブクラゲを飼育している水族館は以外にも少なくありません。改めて観察してみても、猛毒を持つ危険な海生生物には見えないくらい優雅に美しく見えます。

カサから伸びる長い触手が特徴的ですが、その長い触手が緩やかに揺れる姿は癒されてしまうほど穏やかです。

「お酢はかけちゃダメ!」猛毒の『ハブクラゲ』に刺された時の正しい対処法は?ハブクラゲ(提供:PhotoAC)

実際に水族館でハブクラゲを観察すると特徴的な半透明の見た目をしっかりと見ることができましたが、海の中では絶対に見つけられないなと実感しました。

刺された場合の対処法

ハブクラゲに刺された場合は、跡になってしまう可能性もあるため適切な処置をする必要があります。

沖縄県浦添市のガイドラインによれば(ハブクラゲについて―浦添市)「激しい動きは避ける」「刺された部分はこすらない」「医療機関で治療を受ける」この3つが特に重要となります。

お酢をかけるはダメ

クラゲに刺されたときの対処法として食酢をかけるという民間療法があります。これはアンドンクラゲなどのハブクラゲ類には刺胞が不活性化されるため効果はありますが、カツオノエボシやアカクラゲの応急処置に使うと逆に刺胞を活性化する可能性もあるといわれているため、刺されたクラゲの種類がわからない場合はお酢の使用は避けましょう(公益社団法人 日本ライフセービング協会-クラゲに刺された時に一番重要なこと)。

刺されたからといって慌てず適切に対処することが大切です。またアナフィラキシーショックにより呼吸困難になるなど重症化するリスクもあるため、医療機関で治療を受けることが大切です。

世界で最も危険なハブクラゲ「キロネックス・フレッケリ」

「キロネックス・フレッケリ」はハブクラゲと同じハブクラゲ属に属するクラゲで、世界で最も危険なクラゲだといわれます。

数多くの死亡例があり、「殺人クラゲ」と呼ばれ恐れられている危険なクラゲです。オーストラリアに生息し、大きいもので体長3メートルを超えるものが発見されています。

キロネックス・フレッケリ(Chironex fleckeri)は学名で、英名では“Sea wasp”と呼び、名前からもその危険性が伝わります。和名はオーストラリアウンバチクラゲで、こちらにもハチという名前が入っています。これほど毒性に注目したネーミングは珍しいですね。

キロネックスは、ハブクラゲ以上に危険な猛毒を持っており最も致死量の高い毒を持っているのだとか。刺された人が5分で死亡した例もあり、刺されたものは凄まじい痛みに襲われるそうです。

死亡しない場合でも数週間にも及ぶ激痛が続き、ひどい跡も残ります。死亡事故が多発するため血清が作成されている(公益社団法人 日本ライフセービング協会-クラゲに刺された時に一番重要なこと)そう。

キロネックスは、水族館で飼育されている場所はないため見ることはできません。世界には想像もできないような大きく危険なクラゲが存在しているのですね。

キロネックス・フレッケリは日本には生息していませんが、クラゲ毒による被害は想像以上に身近です。

海水浴に行く人や、海でのアクティビティに参加することが多い人は、応急措置の方法やクラゲ毒の種類などを前もって知っておくことが重要です。

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