秋に旬を迎える魚は多くあるが、ゲーム性も食味も一級品といえるのがカワハギ。釣り人を果てしなく熱くさせるゲーム性ととろけるようなキモの味わいは、一度経験すればやみつき必至。狙えば年中釣れる魚だが、キモが肥大するのは秋~冬。今回はそんなカワハギ沼に案内しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
東海地方の船カワハギ釣りエサ
エサは乗合船なら、船宿で冷凍ウタセエビなど用意してくれることもあるが、できればアサリを用意したい。メーカーから販売されているが、こだわりがある人はスーパーでアサリを買ってきて1つずつ殻をむき、塩で締めて自作する人もいる。
アサリは水管と呼ばれる部分からハリを入れ、ワタと呼ばれる黒い部分にハリ先を入れる。このワタの部分がカワハギの大好物のようで、ワタがなくなったアサリは極端に食いが落ちる。
最初は冷凍の市販アサリでいいと思うが、沼にハマればここまで手間をかけるようになるかも…。他に予備としてアオイソメなどムシエサやオキアミなども有効だ。
その他に準備するもの
この釣りはとにかく手が汚れる。エサを頻繁に交換するためだ。なのでタオルは2~3枚は用意しておこう。もちろんライフジャケットは必須。ハリ外し用のペンチや魚を絞めるためのナイフ、そしてクーラーボックスも必要だ。
船を予約しよう
準備ができたらまず船を予約しよう。カワハギ便を出している船を探し、釣行日が決まれば電話だ。その際に氷やエサの有無もしっかり確認しておこう。
当日は必ず出船の30分前には港に到着しておくこと。釣り座は船長の指示かくじ引きで決まる。自分の釣り座が決まったら、速やかに席に着いて準備にかかろう。
東海地方の船カワハギ釣り方
エサ取り名人のカワハギをハリに掛けるのは、なかなかハードルが高い。誘いのパターンもいろいろだ。だがまず1匹を釣ろうと思えば、タタキ釣りがお勧め。オモリを底に着けたまま、穂先を小刻みに揺するのだ。3~10回ほど軽く揺すった後、ピタリと止める。揺すっている間はカワハギはエサを食えない。つまり目の前にエサがあって食べたいのに、激しく動くので食えずにイライラしている。
ここでピタッと止めてやると、待ってましたとばかりにエサに飛びついてくる。このとき、アタリが出ればゆっくり大きくサオを持ち上げること。ビシッという鋭いアワセは必要ない。揺すって止めてアタリが出れば大きく持ち上げる。これを意識してみよう。
中層狙いも有効
そしてもう1つは中層を釣ること。これはベラやフグなどのエサ取りがあまりに多いときに有効だ。基本的にベラやフグは底付近に多い。対してカワハギは中層まで浮くことがあるのだ。
底から10mまで浮くこともあるので、あまりにエサ取りが多いときは仕掛けを思い切って上げてみてほしい。このときはサオ先を水平に構え、アタリが出れば少し送ってから、ゆっくり持ち上げる。これで掛からなければ、アタリ即アワセなども試してみよう。
やり取りと下処理
やり取りは一定のスピードで巻き上げる。ポンピングはせず、サオを一定の角度に固定したままリールを巻こう。タモを使う場面はまずない。そこそこの大型でも、素早く抜き上げよう。
釣ったカワハギはしっかり絞めてクーラーに入れるが、ナイフでエラに刺し込むだけでOKだ。そのまま海水を張ったバケツに入れておき、10分もすれば血が抜ける。
血抜きができたら早めにクーラーボックスにいれておこう。気温が下がったといっても、海水温はまだまだ高い。絞めたカワハギを放置しておくと、傷んでしまうのでこまめにクーラーに入れよう。
カワハギの食べ方
今が旬のカワハギはキモがぽってり肥大し、とろけるような味わい。湯引きして裏ごしして、しょう油に溶けばキモじょう油の完成。これにカワハギの薄造りを絡めて食べると病みつき必至だ。
カワハギ人気が拡大し、今や伊勢湾から熊野灘沿岸まで楽しめるようになった。ぜひ釣って食べて秋の味覚を堪能していただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>