シロイカ、アカイカ、マイカなどで知られるケンサキイカ釣りは、山陰ではオモリグが主流だが、若狭湾や丹後半島ではメタルスッテとオモリグの使い分けが新たなスタンダード。専用タックルを揃える際にはコストと性能のバランスが重要だ。オリムピックの23カラマレッティーUXシリーズは、これらのニーズに応えるロッドとしておすすめで、実釣を通じてその性能を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
メタルスッテモデルでも連発
一方、メタルスッテを担当していた前神さんも次々にケンサキイカをキャッチしていく。サイズはまちまちだが、小型の微細なアタリを積極的に掛けていく手法で数を伸ばしていた。
ケンサキイカは体のサイズとアタリの大きさが比例する。ゆえに小型ほどアタリは不明瞭。特にパンチをともなわずにスッテやエギを抱いたままサスペンドしているケースでは、相手が小型だと穂先の微妙な変化でこれを感知する必要がある。
今回前神さんが使っているカラマレッティーUX〈メタルスッテモデル〉23GCALUC-582MH-S-MSはエキストラファーストテーパー寄りの設計。操作性に長け、即合わせを決めやすいショートレングスと相まって、アタリを片っ端から掛けていくのに適したロッドだ。
ただし、極端な掛け調子というわけではなく、ベリーの先端部がティップに追従して曲がり込むため、掛け調子のロッドに慣れていない人にも扱いやすい。
また、ソリッドティップを採用しているのでイカに違和感を与えず、かつ微妙な変化をよく表現してくれる穂先は目感度にも優れている。
触腕一本でも逃さない
夜が深まってくるとケンサキイカの密度もUP。メタルスッテで攻めている前神さんは、かなりの頻度でダブルでキャッチしていく。
中には触腕一本で掛かってくるものもいたが、ポロリはなく百発百中でキャッチ成功。前神さんの腕ももちろんだが、掛け調子ながら適度に曲がるベリーが身切れを防いでいるのは確かだ。
ピーキーな掛け調子のロッドの場合、適切なドラグ調整はもちろん、波による船の動揺に合わせてリーリング速度やロッドの保持角度を加減して一定のテンションを保たないと、身切れやフックアウトが生じやすい。この点で、マイルドな掛け調子のカラマレッティーUXは使い手を選ばない。
オモリグで良型を狙い撃ち成功
釣りも半ばを過ぎたころ、釣果に余裕が出てきたところで記者から増田さんに「締めの良型を釣ってください」とまたもやお願い。当日は大小のケンサキイカが同じタナに混在し、サイズの釣り分けが難しい状況だったが、増田さんは快くトライしてくれた。
大型は集魚灯でできた明暗の境目の暗部に潜む傾向がある。増田さんは暗部に向かってオモリグをキャストし、リグを潮に乗せてドリフト軌道で明暗の境目を通していく。
ちなみに、明暗の境目は目視できる水平方向だけでなく、中層にも立体的に形成される。キャストしてリグをカーブフォールさせ、この境目を通過させるのも効果的な方法だ。オモリグが活躍するのはボトムだけではないのだ。
何発かレギュラーサイズが上がったあと、大きくロッドを曲げ込むサイズがヒット。強烈なジェット噴射に対し、サスペンションのように躍動するブランクス。間違いなく先ほどとはサイズが違う。キャッチされたのは胴長30cmを軽く超える良型。期待に応え、増田さんは今釣行を締めくくってくれた。
オモリグとメタルスッテ使い分けで対応力UP
今回の釣行、結論から言えばオモリグとメタルスッテのどちらもよく釣れた。ただし、一方にヒットが偏る時間帯もあり、有効なメソッドがひと晩のうちにも変化することをあらためて実感した。
このことは、オモリグとメタルスッテの二刀流で挑むことの有用性を物語っている。シーズンたけなわのケンサキイカゲーム。両スタイルで一層爆釣を楽しんでみてはいかがだろう。そして、ロッドを選ぶ際は23カラマレッティーUXをお忘れなく。
<五井貴文/週刊つりニュース中部版編集部>