北陸地方は長かった冬が終わると、いよいよ春の乗っ込みマダイのトップシーズンが開幕する。5月1日には日本海屈指のマダイ宝庫と知られる福井県・越前町の鷹巣沖が解禁日を迎える。鷹巣沖といえば大勢のアングラーが完全フカセ釣りで訪れる有名な漁場だ。今回は鷹巣沖のマダイ釣りのだいご味を堪能できる、完全フカセ釣りを紹介したい。狙うは乗っ込みの大型マダイだ!
完全フカセ釣りの釣り方
潮の流れでラインが引っ張られて、軽くサオ先が曲がるまで我慢して1~2分待つ。
全員2~3回ほど仕掛けを流せば、誰かのラインが飛び出すはずだ。
ヒットゾーンを探し当てたら、全員速やかにヒットした仕掛けに合わせること。
仕掛けを投入したらヒットゾーンの手前10m付近でラインの出を止め、サシエ先行で流れるまでは1~3分待つ。
これでマダイの群れの前方上から、サシエが違和感なく流れるはずだ。
この一連作業が重要で怠ってはならない。
こうなれば完全フカセ釣り作戦は成功だ。
常にサシエを先行させる意識を持っていれば、ヒットゾーンで必ずラインは飛び出す。
しかし時間が経過すれば潮流の状況は変わるので、同船者との情報交換も忘れてはならない。
ラインが飛び出したら、早アワセは絶対にしない。
イトフケがなくなるのを待ち、再びサオがたたかれたタイミングで大きくアワセを入れよう。
同船者にヒットした場合は、オマツリしないように仕掛けを回収するなど、お互い協力したい。
完全にハリ掛かりすれば、魚の生命反応が手元に伝わり、サオが満月になる。
ここからは慌てず手巻きで対応し、マダイ特有の三段引きを楽しみたい。
ヒットしたマダイは大暴れするので、ヒットゾーンのマダイの群れは警戒するはずだ。
誰かが釣り上げている時は、同船者はマキエを欠かしてはならない。
自分が仕掛けの再投入したときのためにも、必要なマキエといえるだろう。
浅場でヒットしたマダイは寄せてきても、大暴れして船底に潜り込うとする。
ここでバラシは避けたいので、タモ入れは船長に任せよう。
また、半日便でマキエ(オキアミ)2~3枚ぐらいは準備したい。
バラシ要因&対策
マダイ釣りで痛恨のバラシは、誰もが経験しているだろう。
上達への道といえば格好はいいが、バラシ対策の知識も必要だ。
1. 早アワセ
マダイはエサをくわえて突っ走り、違和感がなければ反転してエサをのみ込む習性がある。
この反転した突っ込みで、引きアワセすれば大丈夫だ。
だからエサをくわえて走ったタイミングでのアワセは早過ぎる。
2. アワセが緩い
サオがたたかれ、瞬時のタイミングでアワセを入れるわけだが、ここでアワセをためらって巻き上げてしまう場合がある。
これではハリ掛かりが緩くて、巻き上げ途中でハリが外れることが多い。この対策としては引きアワセは遠慮せず、1~2発ほど大きくアワセを入れることが必要だ。
マダイを取り込んだときに、マダイの口横の閂(かんぬき)に、ハリ掛かりしていれば、アワセはバッチリだ。
3. タモ入れ時
手前まで手繰り寄せてきても、タモ入れ時に安心して手に持つハリスを緩めると、ここでハリが外れてしまう。
手で引き寄せたハリスは、タモに入れるまで絶対に緩めないこと。
ライフジャケット着用とマナーを守ろう
鷹巣沖は浅場と言っても日本海の大海原で、突然の突風や波が発生するかもしれない。
思わぬ落水に備えるためにも、身体を守る救命胴衣(ライフジャケット)は必ず着用しよう。
また、沖釣りは長丁場(6時間)なので、船上での飲み食いは欠かせない。
各自のゴミは船上の備え付けのゴミ箱、またはナイロン袋に入れて持ち帰ろう。
船上からのポイ捨ては絶対に禁止だ。
魚は鮮度良く持ち帰ろう
釣り上げたマダイは素早くエラ切りして、血抜きは絶対に忘れない。
クーラーボックスの中に氷で冷やした海水を入れ、そこに入れて鮮度を保った状態で持ち帰りたい。
鮮度の良い魚をおいしく食べるには手抜きはしない。
最後に
今年も鷹巣沖ではうれしいドラマが待っているはずだ。
皆さんも完全フカセで記録更新にチャレンジしていただきたい。
鷹巣沖解禁は今から目が離せない。
<週刊つりニュース中部版 鈴木利夫/TSURINEWS編>
【鷹巣沖で完全フカセ釣りを楽しめる船】
静海丸【三国港】電話: 0776-81-3498。
鷹巣釣船センター【越前鷹巣】: 電話: 0776-87-2762。
天栄丸【越前鷹巣】: 電話: 0776-86-1257。
みの浦丸【越前鷹巣】: 電話: 0776-86-1551。
福丸【越前白浜】: 電話: 0778-39-1433。