春を告げる海産物『桜えび』の生態 見た目がそっくりなオキアミは仲間?

春を告げる海産物『桜えび』の生態 見た目がそっくりなオキアミは仲間?

春を告げる海産物はたくさんありますが、その中の一つ「桜えび」の生態について調べてみました。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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桜えびって?

桜えびは【甲殻類中・十脚類・遊泳類・車えび族・桜えび科・桜えび属(セルジア属)】の属する淡いピンク色をした小さなエビです。

成長しても体長40mm前後の小さなエビですが、栄養豊富で旨味が強く、風味豊かな食材であることから春を告げる食材としても有名です。

日本では唯一、駿河湾で水揚げされ、4月~5月までと11月~12月までしか漁が行われていません。

ピンク色で知られていますが、海中では透明で、水揚げされるとピンク色になることから「桜えび」と名付けられたと言われています。

また、見た目の特徴でいえば、体長の約3倍もある長いヒゲでしょう。

他にも体の表面には点々とした155個もの赤い発光体があり、これが夜の海でキラキラと光ることから「海の宝石」とも呼ばれています。

桜えびは日本でしか獲れない?

桜えびは、日本では駿河湾のほかに遠州灘や相模湾、東京湾にも生息していますが、富士川、安部川、大井川という大きな河川の流れ込む駿河湾でもっとも多く繁殖しています。

遠州灘や相模湾、東京湾にも生息してはいるものの、資源保護の観点からその中でも水揚げが許可されているのは駿河湾の由比と大井川漁港だけです。

さらに、猟期、漁船数・トン数・網の長さ・操業方法等も厳しく制限されており、漁獲量の決められた希少価値の高いえびと言えます。

しかし、桜えびが獲れるのは日本だけと耳にすることがありますが、実際は海外でも漁獲はあり、同じく台湾では水揚げがされています。

オキアミって?

オキアミは、言わずと知れた釣りエサの代表ですね。

【軟甲綱・オキアミ科】に属する生き物で冷たい海域に生息するプランクトンの一種です。

日本では三陸海岸の太平洋海域、海外では中国や南極海あたりに生息しており、年間3~5万トンが水揚げされています。

桜えびと同様に、生きているオキアミの体は透明ですが、水揚げされた後に赤みが増し、エサなどでよく見るピンク色に変化していきます。

漁獲されるオキアミのうち約半分が養殖魚や海釣りのエサとして市場へ流通されます。

ちなみに、桜エビは大きさは同程度でもオキアミを捕食することがあります。

人間もオキアミを食べている?

人間はオキアミを食べることなどないと思われがちですが、意外にもかなり身近な食品に含まれています。

劣化が早く色も変わりやすいため食用としての流通はあまり多くありませんが、干しえびの他、スナック菓子やふりかけ製品の材料として加工品に使われています。

キムチなどにはかなりの確率でオキアミエキスが配合されています。

桜えびに比べオキアミは絶対数の違いから価格が手頃である上に、色みやカルシウムの高さでも同等のため、希少な桜えびの代替品として扱われることが多いようです。

春を告げる海産物『桜えび』の生態 見た目がそっくりなオキアミは仲間?乾燥オキアミ(提供:PhotoAC)

その乾燥桜えびはオキアミかも?

先にも記載した通り見た目や用途がかなり似ている桜えびとオキアミ。

安い乾燥の桜えびの中にはオキアミが桜えびとして売られていることもあります。

オキアミが食べたくないという人は裏面のパッケージを確認し、原産地名が駿河湾となっていれば本物の桜えびで、三陸産や中国産などであればオキアミ製品だと判断することが出来ます。

また、見た目においてはヒゲのあるなし、色の赤身の強弱でも判別することはできるでしょう。

桜えびはその名の通りピンク色で、乾燥しても変化はあまりありませんが、オキアミの場合は乾燥から時間の経過とともに白っぽく変化してきます。

見た目が似ていても味はやはり桜えびの圧勝ですので、間違えたくない場合はまずは裏面のチェックです。

春を告げる海産物『桜えび』の生態 見た目がそっくりなオキアミは仲間?乾燥桜エビ(提供:PhotoAC)

<近藤 俊/サカナ研究所>