釣り場にクーラーボックスを持って行かないアングラーも多いのではないだろうか?そんなときにデカい魚が襲来したりするので、リリースするしかなくて、まったくもうと微妙な気持ちになる。しかし、空気が冷たい真冬の一時期、野締めにしたまま持って帰ることができる魚もいる。根魚だ。今回は、根魚は限定的に野締めで持ち帰りOKという話をしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
真冬はクーラーなしでOK?
筆者は個人的に魚の鮮度というものをそこまで気にしない。いつもの釣り場なら家に帰るまで40分なので、そこから処理をしても、そう遅くないだろうと思うからだ。サバのような身が悪くなりやすい魚を除けば、そこまで慎重になる必要はないんじゃないかと思う。
前提として、ナイトゲームでは魚が紫外線を浴びにくく、野締めにしていても乾きにくいということもある。これが真昼間の釣りではダメだ。クーラーがないなら即リリースを。
野締めとは
魚を釣ったまま放ったらしにして、死なせてしまう。これを「野締め」と言う。身が傷むので釣ったらビニール袋には入れてやってほしいが、この乱暴な方法でも、意外に釣魚の鮮度はそこまで落ちない。
クーラーボックスの役割は、要するに「魚を冷たい状態で保管する」ということだ。それならば、真冬、気温6℃とかで釣った魚を、クーラーに入れて「さらに冷たい状態で保管」する必要があるだろうか?個人的に、私は、別にそこまでやらなくていいのでは、と思う。
根魚は生命力が高い
冒頭で述べた、根魚の野締めについて。真冬に釣れた根魚は、特に、そこまで保管に気を遣わない魚だ。というのも、カサゴもメバルもタケノコメバルも、沿岸で釣れる根魚は他の魚と比べると生命力が高い。野締めした状態で家に帰って捌こうとしても、まだ生きていることがある。
そうは言っても、弱ってはいるので、陸に上げて30分以上経つと水に帰しても蘇生しないだろうが・・・・・・。持ち帰る分には、野締めでもいいだろう。
正しい処理をされず死んでしまって何が悪いかと言うと、心臓のポンプが止まることで、内臓や血のニオイが身にうつる、と言われる。要するに少し臭ってしまうのだ。
しかしスーパーマーケットの鮮魚コーナー(を比較に上げるのも何だが・・・・・・)を見てみると、魚はどうにも血抜きされた様子もなく、ワタも詰まったまま売られている。これが許されるなら、釣魚の野締めは、まだマシかも?と思うのは私だけだろうか。
真冬はビニール袋と保温袋で
筆者は、野締めした魚は二重にビニール袋に入れて、そのままリュックサックに入れて持ち帰ってしまう、なかなかの男だが、もちろんもう少し労わってやった方がいい。小さいジュースなんかを保管するペラい保温袋があれば、そこに入れて、コンビニで氷を買ってビニールに包んで魚に添えてやればいいだろう。
正しい締め方と保管方法について
最後に、根魚の正しい締め方について解説しておこう。
まず釣り上げた魚は、喉をはさみで切って、海水を入れたバケツにつけて血抜きする。大体10分ほどで完全に絶命するので、そのあと、保冷剤を入れたクーラーボックスに入れる。
多くの魚はこれできれいに締められる。タチウオはこれにプラスして、腹を切ってワタを出して血合いまで指で取ってやると、鮮度高く保てる。
アジは、できれば氷締めしたい。海水と氷を混ぜたバケツに入れ、その中で死なせるのだ。こうすると、口がきれいに閉じて、見た目にもおいしそうに締まった姿となる。
ただ、たとえば時合いの釣りで一回一回こういうきれいな締め方をすると手返しが悪くなるので、喉だけ切ってバケツにつけ血抜きし、あとから処理するのが最上の方法だ。なお、血で汚れたバケツの水は、ちょこちょこと入れ替えよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>