新潟県を流れる魚野川水系の2023年は、急速に雪代が収まり始めた5月上旬からドライフライの反応がよくなり、中旬にはトップシーズンインとなった。例年になく早い季節の進みで、ポイント選びや時間帯のタイミングが重要な年となった。そのなかでも近年設定されたC&R区間では安定した釣りができた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・井田泰司)
魚野川・土樽地区
関越道湯沢インターから近く、河川敷公園がある。早期から反応のいいエリアで、水量豊富なうえ分流も多い。紹介するエリアの中ではもっともキャパシティーがあり、フライ・ルアー・テンカラ・エサ釣りの混合グループで行っても十分楽しめる。
土樽河川敷公園には駐車場やトイレがあるので、ファミリーにもお勧め。土日にはピクニックやウォーキング、自転車なども楽しめる。
この付近は大淵やエン堤がいいポイントになっていて、ライズ待ちの釣りも楽しい。ヤマメとイワナの混生域なので、丹念に釣り上がりを楽しむ方は車からほとんど進めないくらいにポイントが多い。とくに公園最上流の大エン堤が大場所で、毎年のように大型魚がキャッチできている。
毛渡沢合流~土樽駅前は山岳渓流のようなやや狭い流れで、瀬と落ち込みが続く。フライ・テンカラに向いているスポットなので歩きを楽しみたい人にお勧め。下流の河川敷公園から徒歩範囲なので好みで分かれて釣りもいいと思う。
大源太川
湯沢インターからすぐ近くの支流で、魚野川本流合流点から釣りが楽しめる。合流付近にはテトラやエン堤が多い。重い流れがぶつかるようなポイントの緩いところを狙っていくと、いい型のヤマメに出会うことがある。街中には足湯やイベント広場などがあり、里川のいい雰囲気。
川に下りる階段などがあるので足場がいい。魚は定位していて、低いエン堤下では尺クラスのイワナが潜んでいることがある。
魚野川・五十嵐橋付近
C&R区間の設定があり大型魚が多い。スーパーヤマメを狙うアングラーが通う場所だが、近年は有志の活動で天然魚に近いヤマメが釣れる貴重なエリア。素晴らしい魚体を画像に、と思っている人はゆっくりと広いポイントを攻略するのが楽しい。時折スーパーレインボーなどが顔を出す。
登川
魚野川水系の支流で、もっともお勧めで、C&R区間の設定もある。下流部には大エン堤群と河川敷公園、中流域には巨岩帯のテクニカルな流れ、車止め付近の清水集落付近では、早い流れに点在する岩に張りつくイワナが釣れる。
テーブルマーク付近から上流は対岸に河川敷公園、両岸には舗装された遊歩道があり川へのアクセスは安心。ポイントは多数あるエン堤と淵で、ヤマメ・イワナの混生域。
さらに上流にはC&R区間があり、ここはイワナ中心にしっかりと放流されているので安定した結果が期待できる。
C&R区間外でも魚は多く、昨年は尺ヤマメを数尾キャッチしている。
中流域の巨岩帯エリアは渡渉や巻きの訓練も含めてチャレンジしてほしい。流れがあつくポイントが特定しづらいが、♯10クラスのフライに、深場から急浮上してくる魚とファイトできる。
清水集落付近はエン堤間の流れが穏やかな場所があり、ライズスポットになっている。大きなカゲロウのハッチに出会うことがあり、天候不順時にスーパーハッチが起こると連続ヒットも。エン堤から上流はゴロタ石の間を流れる瀬の渓相で、沈み石にしっかりと魚が定位している。ラインを伸ばして、流す釣りをじっくり楽しみたい人にお勧め。
三国川
2023年はハイウォーターでフライの釣りが難しかったが、ルアーは絶好調だった。釣友からは40cmアップの報告があった。フライも水位が下がった時にタイミングが合うと、28cmのイワナを連発するなどポテンシャルの高い釣りができた。
魚野川水系では流れがあつく、大型魚も多いので私は強めのタックルを用意している。
渓流釣りは一人で楽しむことが多いが、魚野川水系は釣り場のキャパシティーが大きいので多人数で楽しめる。好みの釣りに関しても管区内でベストフィットする場所が探せると思う。
単独釣行の人には、宿泊すると情報収集や釣友ができたりする。私は漁協役員の経営するアンティーズハウスに宿泊して楽しんでいる。
<週刊つりニュース中部版APC・井田泰司/TSURINEWS編>
魚野川