この冬の引き際は、1月11日となった。111、区切りとしては良い数字。水温12℃。かねて私が沿岸の釣り物のボーダー水温と考えている地点で、露骨に魚が止まってしまった。手堅い釣り物と踏んだメバルで、1尾で終了。大阪湾奥シーサイドコスモの、「この冬最終」のメバリング釣行をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
当日の状況
当日の潮回りは大潮。夕方18時半からスタート。シーサイドコスモは珍しく風がおとなしい。気温は9℃とまだ何とでもなるが、水温12℃は魚にとってはギリギリ。アジがいなくなったことは感触的にわかっているので、メバルをメインに狙った。オーソドックスなメバリングタックルで、キワ打ちしていく。
夜光虫が邪魔をする
先日の中潮の日から確認しているのだが、夜光虫が依然わいていて釣りを邪魔した。まだマシなレベルだが、当然のことながら釣りのフォローにはならない。夜光虫の正体は大量発生したプランクトンで、この微生物たちが優先的に海中の酸素を奪うため、魚は活性が低くなる。酸欠状態に近くなるのだ。
鬼の低活性
まーったく気配がない、鬼の低活性ともいうべき時間が続いた。まあ実は開始1時間くらいで後述のメバルを釣っているのだが、結果的に、その他にはまったくアタリがない時間が3時間続くことになる。こうなると薄々「もう季節的にダメだな」と理解する。しかし、今後の極寒期に無駄打ちしないために、ここであきらめがついたのは良かった。
釣り人の姿は少なくないが、みんなエサでやっている。生エサでも釣れている様子でもなかった。「水温下がり過ぎたね」と二人のアングラーから声をかけられ、同意した。アジ狙いもアタリが出ないそうだ。カサゴはたまーに釣れているみたいな感じ。
はしご周り打ちで1尾
私がキャッチしたのは小メバル1尾のみ。15cmくらいかな?はしごの回りをゆっくりとオレンジのワームを通していると、食ってくれた。
このあと相当厳しくなる見込みがあったので、写真はいくつも撮った。よく見ればいいところにハリがかりしていて、外れるわけはない感じ。このはしご周りでもう1尾気配があったのだが、ノセきれなかった。別のワームを通しても、すでにスレてしまって処置無し。
2時間で「あきらめ」
極寒期にはどれだけ気配がありそうな日でも釣れない。たとえば日中15℃を記録する日があったとしても、海の水温はほとんど上昇しない。そして回遊魚であるアジは一度抜けたら入らない。メバルも深いレンジに沈んでしまい、活性が低くなるので食わない。
日中に、「もしかしてこの気候なら」とぬか喜びしてはしゃぐと、夜釣りに出かけても、強烈なノーフィッシュの洗礼に遭う。言い過ぎかもしれないが、私の経験としては、これは断言できるものだ。1月~4月の海のオカッパリは、「あきらめ」も肝心である。
ただ、最後の最後といえるチャンスで、メバルをなんとか1尾モノにできたのは幸いだった。ボウズで厳冬期に突入なんてことになると、夜ごと深い溜息が出る。ちゃんと釣れてくれてありがとう、ともう一枚同じメバルの写真を載せておこう。
ただ、夜光虫さえいなければまだどうにかなかったかな、と未練は正直残る……。
ところでこの日はシーサイドコスモのエスカレーターの横で、工事が行われていた。何かぶっ潰すような、解体的な工事。
シーサイドコスモは、ウォーキングやジョギングや子どもたちの集まりや、ただ海を眺めたい人が集まる場所でもある景観スポットなので、時々こうした美観と安全を守るための工事が行われている。ただの釣り場ではないのだ。釣り人のマナーを弁えぬ行動により、まさか今も限られた釣り場が失われてしまうことは避けたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>
シーサイドコスモ