師走に入って世間では慌ただしい雰囲気が流れているが、夜の三重県・紀伊長島三浦沖もにわかに慌ただしくなってきた。その原因はバチコンで狙うアジ。毎年この時期に釣れ盛るのだが、今年は例年以上にサイズがいいのだとか。平均が40cmと聞いてにわかに信じられなかったが、その真偽を確かめようと早速今回は釣友の桑原さん、渡邉さんを誘って12月8日に同地のフィッシング光栄を目指した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・原田順司)
極小アカイカがお出迎え
早速20号のスッテの上にドロッパーを出したリグを落としてみる。ボトムから30mほど誘い上げ、そこから折り返して誘い下げていくとティップにモゾモゾとした反応。すかさずアワせるが空振り…。だが何かおかしい。
いったん巻き上げてみると、極小サイズのアカイカがしっかりドロッパーを抱いていた。さすがにこのサイズはリリース。後ろでは佐々木船長の手ほどきを受けた桑原さんにも、ミニサイズのアカイカがヒットしている。
アジのサイズに驚き
だがアカイカも釣れ続くわけではなく、気づけば時刻は午後6時35分。そろそろ食い始める時間だ。
ロッドを持つ手に神経を集中していると、船首でサオを出していた渡邉さんから「きたよ~」との声。見るとベイトロッドが絞り込まれて、ジーッとドラグが鳴っている。渡邉さんは「アジ!」と言っていたが、あの引き、ホンマにアジ?
だが正体を見るまでもなく、あえなくフックアウトしてしまう。
デカアジ浮上
すると、私の手にもコツンとアタリがあった。スッと聞き上げると、一気にティップが海面に突き刺さる。
だが重いだけで魚の生命反応はない。だがするすると中層まで巻き上げてきたところで、急に魚が暴れだしてギュンギュンラインを引き出していく。そのパワーはまるで青物だ。ホンマにアジかいな…と思いながら浮かせてくると、紛れもなくアジ。ただサイズが驚くほど大きい。
桑原さんにタモを入れてもらい、無事船中1匹目をキャッチしたが、あらためてそのデカさに目を見張った。40cmに迫るサイズであることはすぐに分かった。だが佐々木船長は「まだまだ小さい!!」。ドン引きしながらも取りあえず時合いなので、アジをイケスに入れて次を投入。
1匹釣ったらワームのズレは必ずチェック
ここで佐々木船長から「ワームがズレてない?」と聞かれた。慌てて上げて見ると、アジが食っていたジグヘッドのワームが大きくズレていた。
これはアタリのみでアジがハリ掛かりしなくても同じ。ワームの端をくわえて走るだけで、簡単にズレてしまう。ワームはジグヘッドにまっすぐ装着するのが基本。これがズレてUの字なんかになったりすれば、食うものも食わなくなってしまう。
モタモタするよりゴボウ抜き
後ろを見ると、桑原さんもロッドを大きく曲げている。これまた激しくドラグが鳴り響き、コイツは水面で縦横無尽に走り回る。慌ててロッドを置いてタモを持っていくと、ギュンと突っ込まれてポロリとハリが外れてしまった。
ここで船長から「タモを待つより引っこ抜いた方がいいよ」とアドバイス。実際好調にアジを上げている渡邉さんは、タモは一切使わず水面まできたら一気に抜き上げている。船長によれば「アジは口が弱いけどバレるときはタモを使おうとしてもバレる。それなら巻いた勢いで一気に抜き上げる方がいい」とのこと。
それでもこのサイズのアジが浮いてくれば、さすがに抜き上げるのはためらってしまう。念のためタモはそのままで、釣りを再開した。
低活性時の対処法
だが連発するかと思われていたアジだが、その後は単発。忘れたころにヒットする程度だ。そんな時、再び佐々木船長からアドバイス。「渋いときはシンカーが底から浮くことをアジは嫌がっている感じがする。捨てイトを1mほど足してシンカーを底に着けたままフワフワ誘うといいよ」。
このアドバイス通りに捨てイトを1mほど付け、シンカーを底から離さずゼロテンションを保っていると、何の前触れもなくティップが海面に突き刺さった。これまた40cmオーバーのアジ。だがあまりの大きさに、抜き上げできずタモを使ってしまう私は小心者…。
ゲストにカイワリも
ここから全員捨てイトを足してリグを落とすと、一気に活性が上向いてきた。交互にロッドが曲がり、次々に40cm前後のアジが水面を割る。小さくても35cmほど。大きなものは45cmクラスも交じった。こうなるともう大きさの感覚が狂ってきて、35cmだと小さく感じてしまうから、人間の感覚って怖い…。さらには私に良型のカイワリもヒット。