「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材

「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材

ソルトアングラーがオフシーズンにしがちな冬。その冬でも楽しめるのが、エリアトラウトだ。「エリアトラウトを通じてラインの素材について理解を深めると、メインでやっているソルトでの釣りにも必ず活きてくる」と力強く教えてくれたのが、ラインメーカー「株式会社バリバス」の添野さんだ。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部 河野陸)

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目次

エリアトラウトのライン

はじめに、エリアトラウト初心者におススメしたいラインについて伺った。

釣り初心者

全くの初心者であれば、ナイロンラインの「SVG 0.5号(3lb)」をおススメしたいです。現在、エリアトラウトのナイロンラインの標準が3lbと言われています。扱うルアーでいうと1.5g-2.5gのルアーが、最も使う頻度の高いウェイト帯です。

「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材ナイロンラインSVG0.5号3lb(提供:株式会社バリバス)

「SVG 0.5号(3lb)」は、前述した王道のウェイト帯のルアーを難なく引けるので、おススメです。ナイロンラインを初心者の方におススメするもう一つの理由は、リーダーを結束しなくて良い点です。ライントラブルがあってもすぐに回復でき、スナップにユニノット直結で釣りをスタートできる点は初心者にとって魅力だと思います。

ライトソルト経験者

アジングやメバリング等、ソルト経験者に対してであれば、エステルラインがおススメです。バリバスからは2種類のラインを出しており、「Super ESTER」と「ES2」があります。

「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材エステルラインES2 0.4号(提供:株式会社バリバス)

その中でおススメしたいのは、「ES2 0.4号」。この「ES2」は「Super ESTER」より、しなやかで若干伸びるのが特徴なので、慣れていない方でも扱いやすく、トラブルも少ないのかなと思います。0.4号であれば、2gを超えるようなスプーン・クランクベイトも問題なく引いてくることができます。この「ES2 0.4号」に、フロロカーボンラインのショックリーダー0.8号をつけていただきたいです。

海釣りのライン流用

メインの釣り以外に挑戦する際、どうしても気になるのがタックルの流用であろう。今回は、セッティングの良し悪しが釣果に直結する「ライン」について、海で使用しているラインはエリアトラウトにも流用が可能なのか伺った。

エリアトラウトのライン

エリアトラウトのラインは、大きく分けて「ナイロンライン、フロロカーボンライン、エステルライン、PEライン」の4種類に分かれます。特に、「アジング・メバリング」をされる方は、エステルラインやPEラインの扱いには慣れていると思うので、親和性が高いです。対してソルトでは、ナイロンラインとフロロカーボンラインをメインに使われている方は少ないと感じているので、PEラインとエステルラインの方が流用はしやすいはずです。

「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材エリアトラウトで使用するライン(提供:TSURINEWS編集部 河野陸)

しかし、これはあくまで「レジャーとして楽しむ」という観点であれば、エステルライン・PEラインだけでも釣りは成立するよという話です。突き詰めてやっていくと必ず、「ナイロンライン・フロロカーボンライン」の必要性を感じてきます。

ラインセッティング

今回は、ソルトアングラーの方の流用を想定し、「PEライン・エステルライン」のセッティングに絞ってお話します。まずPEラインですが、アジングでも良く使われている「0.2-0.3号」であれば、スムーズに流用が可能です。PEラインに結ぶショックリーダーに関しては、1ヒロから1ヒロ半で設定されている方が多いですね。

エステルラインを使用する場合は、ベースが0.3号、安全に楽しむのであれば0.4号。ただ、エリアトラウトでは、1g以下のマイクロスプーンを使う機会も出てきます。その場合は、0.25号を使っていただきたいです。エステルラインに結ぶショックリーダーに関しては、15cm-30cmのショートリーダーを付けることが多いです。理由は、エステルラインの「摩擦の弱さ」。エステルラインは金属との結束の相性があまり良くありません。その為、直接スナップを付けると、そこから切れてしまうことがあります。その対策として、ショックリーダーを挟むことで、キャスト切れの可能性を減らします。

エステルラインのショックリーダーは「2倍の法則」

PEライン・エステルラインどちらにしても、ショックリーダーの接続は必須になります。ショックリーダーに関しては、「フロロカーボンライン」を使用することが多いです。ここも、アジング・メバリングで出ているリーダーの流用が可能。号数で言うと、下限0.5号/上限0.8号になります。

その中でも、エステルラインとリーダーの組み合わせとして覚えていただきたいのは、「2倍の法則」。これは、0.3号のエステルラインを使用するとき、ショックリーダーは2倍の0.6号をつけておけば安全に遊べるよという目安のことです。

「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材ラインセッティングについて添野さんに解説いただく(提供:TSURINEWS編集部 河野陸)

あくまでこれは目安です。これから始められる皆様には、色々と試してもらって自分が持っているタックルに合うラインセッティングを見つけてもらい、楽しんでもらいたいですね。

ラインカラーの違いによる釣果への影響

この回答は難しいですね。正直な話、所説あります。ただ、管理釣り場がクリアな水質の場合だと、ラインカラーが影響を与えることもあると言われています。カラーラインを使う場合は、透明のショックリーダーを結んだ方が魚には嫌がられないと思います。

「エリアトラウトはラインセッティングが命!」バリバススタッフに直撃取材カラーラインには透明なショックリーダーを装着(提供:TSURINEWS編集部 河野陸)

想定されるライントラブル

最後にソルトアングラーがエリアトラウトに挑戦した際に陥りがちな、ライントラブルについて伺った。

巻いている糸に合った重さのルアーを使用する

アジングで使用することの多い、0.3号のエステルラインを巻いてエリアトラウト釣行に出掛けたと仮定します。多くの方は、「アジングでも使っているから、エリアトラウトでも気にせず使えるだろう」と思いがちです。

しかし、エステルライン0.3号の場合、許容できるルアーウェイトがだいたい1.8g-2gくらいまでが上限。それより重いルアーを使うとキャスト切れなどのリスクが高まります。ここを気にせずルアーロストしてしまうアングラーさんは多いですね。

2g以上のルアーを使用される際には、1つ上の0.4号の使用を推奨します。逆に1g以下のルアーを使う際に0.4号を巻いていると、飛距離・操作性が落ちてしまいます。この「ルアーウェイトごとの選択糸の太さ」はきちんと理解されてから挑戦した方が釣果アップにつながると思います。

次のページで「流用ロッド」&「比重」について解説!