2023年11月、青物絶好調の武庫川一文字に2度釣行。ルアーマンがひしめく中で、辛うじて両立可能な「エレベーター釣法」によるノマセ釣りを試みた。2度ともアタリがあったが、ラインブレイクと針外れという悔しい結果に終わった。実際に青物を釣り上げることはできなかったが、今回の釣行記では、エレベーター釣法の解説を交えて、青物釣りの魅力を綴ってみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)
ルアーマンとの共存が可能な「エレベーター釣法」とは
釣り人の大半はルアーマンで、沖向きに頻繁にキャストを繰り返す。エサの小アジは十分に確保できたものの、左右の幅をとるウキ流しでの泳がせ釣りだとおまつりトラブルを招くので避けざるをえない。
そこで、両隣がルアーマンでも辛うじて両立可能な沖向き縦方向のノマセ釣り「エレベーター釣法」を今回は採用した。
エレベーター釣法は、釣り糸の末端に10号以上の重いオモリをセットして、沖向き20mほどを目途に投げ入れる。オモリが着底したら活きた小アジを針掛けした別ラインの仕掛けを、スナップなどを使って外から釣り糸に掛けて、エレベーターのように滑り落して小アジを海中に送り込むという釣り方だ。
活字だけでは分かりにくいので、TSURINEWS編集部による過去の掲載記事を、記事内の図解とともにご覧いただくとイメージを掴みやすいと思う。
しかし、この記事の仕掛けは、太ハリスで針も大きく、小アジに負荷がかかり傷みやすい。また、磯竿5号に重いオモリは竿先折れのリスクもあるので、私は違ったタックルを用いた。
当日のエレベーター釣法のタックル
私のエレベーター釣法のタックルは、オモリ20号まで耐用できる投げ釣り用の竿に近い特殊な磯竿10号5.4mに、ミチイト5号を巻いたスピニングリールの組み合わせ。
エレベーター仕掛けは、ミキイト8号約10mにウキ止めゴムとセル玉を、海面から3ヒロあまりの深さで止まるように調整する。ミキイトの下には捨てイト2号1mにオモリ15号をセットする。
ミキイトには8の字スナップを通し、ハリス4号1.5mに管付丸セイゴ12号の親針と管付チヌ1号の孫針を結んだ活きアジを泳がせるラインを接続する。
仕掛けを沖目に投げ入れ、あとは活きアジが沖目で海面から3ヒロまでのタナを自由に泳いでいる間に、メジロの群れが回ってきてアタックしてくるのを待つばかりという算段だ。
11月3日は青物好調も11日は激渋
早々と小アジを確保でき、いよいよ本命の青物狙いに転じたが、回遊状況が潮回りや天候などに左右されるのが青物狙いの難しさ。
好天に恵まれ9時過ぎまでの上り潮の3日は、朝5時半頃からあちこちでサゴシがあがり始め、中にはサワラも混じる好調ぶり。別のエリアではブリも釣れていて、武庫川渡船のホームページの釣果情報の更新が追い付かないほどの好調ぶり。
一方、前日の天候不良の影響が残った11日は冷たい北風が止まない曇天で、潮回りも6時過ぎの満潮からは下げ潮という釣りづらい状況のせいか、青物の回遊状況は激渋。
午前中に私の付近で見かけた釣果はサワラ1匹、サゴシ2匹だけで、大半の釣り人はノーバイトの惨憺たる状況。ルアーだけで挑んだ釣り人は丸ボーズの憂き目を見る結果となった。