静岡県島田市にある野守の池が目下注目の的となっている。この酷暑と小雨で関東の平場はどこも壊滅状態だが、同池は涼しげな水を満々と蓄えている。当然魚の活性は高く、両ダンゴの宙釣りでバクバクを楽しめる。関東からはやや遠方の地ではあるが、新東名を使えば朝なら首都圏から3時間で到着できる。近くをSLが通る大井川鐵道が走り、汽笛を聞きながらの釣りも可能だ。ドライブがてら出かけてみてはいかがだろうか。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
野守の池の概況
大井川の蛇行部分がせき止められてできた周囲約1.5kmの河跡湖。流れ込みがなくても水が枯れないので、水源は湧き水と言われている。現に水を手で触ると、今年のような酷暑でさえぬるま湯のようには感じない。
水温・水質・エアレーションなど良質な水のおかげで、ヘラの活性はすこぶる高め。関東の多くの沼や池が高温・溶解酸素不足などで低活性を余儀なくされているが、こと野守の池に関しては無用の心配と言えそうだ。
昨年の大雨で不通となった国道473号線も復旧し、さらに大井川鐵道も全線復旧したのでSLの汽笛が復活したのはうれしい限りだ。
ポイント
野守の池のポイントを紹介しよう。
新幹線桟橋
なぜ新幹線なのかは不明だが、一説によると当時の新幹線技術者が同桟橋を作ったからとも言われている。南側から見て常連は親しみを込めて「運転席」と呼称し、ここが池全体での一級ポイント。ところが今期は酷暑のためか背後の建物で日陰になりやすい「2両目以降」が人気。午前中はほぼ日陰なので、とくに土日祝などは早い時間帯からの争奪戦は必至。
手前は根掛かりが多いので底釣りなら竿16尺以上が無難。宙なら短竿でOKだが、混雑したら11尺以上がお勧め。座面が水平ではなく万力を取り付ける受け木もないので釣り台必携。
埋め立て地
同池では数少ない野地ポイント。桟橋のように沖に出られるメリットがないため、比較的長めの竿(13尺以上)を振る人が多い。どちらかと言えば底釣りポイントだが、あえて沖宙をセットで狙う人も少なくない。駐車場とトイレが背後にある。
扇桟橋
新幹線桟橋に次ぐ人気エリア。しかし午前中は太陽を正面に見るので暑い。補強はしてあるものの一部朽ちている箇所があるので、渡り桟橋を通行する際は静かに歩きたい。入口から見て左側(東側)が人気で逆側はサブ。受け木はあるが座面が水平とは限らないので、腰痛持ちはとくに釣り台を使用したほうが無難。
既設釣り台
通称コンクリート桟橋と呼ばれるが水面からかなりの距離があり、水汲みなどがしづらく短竿も使いづらい。1台に2人が乗れるが、たまたまだろうが記者はここで釣りをしている人を見たことがない。むしろ、台と台の間から持参の釣り台を使用して竿を振る人のほうが多いくらいだろう。受け木もあり構造的に立派な桟橋だが、高さゆえに使う人が少ないとは皮肉な話だ。
茶畑前桟橋
新幹線のサブ的要素が強く、ここを積極的に狙う人は少ない。座面がかなり後方に傾いているので、腰痛対策のためにも、持参の釣り台使用を強く推奨。
東屋桟橋・新桟橋
午後は日陰。何度も同池に釣行しているが、両桟橋への入釣者を見たのは数えるほど。例会、大会などで混雑した時のC級ポイント的要素が強い。
その他の野地
コンクリート桟橋北側、扇桟橋の東側、フェンス前など陸っぱりポイントもいくつかある。好みのポイントを見つければ、そこは自分だけのパラダイスになるかもしれない。