夏本番を迎え連日35度を超える日が続いているが、夏の人気ターゲットであるイカメタルでのマイカ(ケンサキイカ)釣りは今シーズンも大人気だ。例年マイカは春ごろから釣れ始め、夏場に最盛期を迎える。毎年の傾向として、シーズン序盤は良型がそろうものの数が出にくく、梅雨が終わり夏本番を迎えるころには中~小型中心の数釣りに移行していく。日によって釣果にムラがあるものの、良い日に当たれば3ケタ釣果も狙える。今回はイカメタルの基本と夏の数釣りのポイントを解説していきたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 桑原一幸)
イカメタルの釣り方と誘い方
ポイントに到着すると船長からスッテの号数、狙う水深などの指示が出る。指示に従って釣り開始となる。
基本は誘い上げからのステイ
誘い方は、「誘い上げからのステイ」とテンションをかけながら誘い下げていく「テンションフォール」の2パターンが基本となる。どちらが良いかは状況次第だが、誘い上げからのロングステイ(ワンピッチ2~5回5~10秒のステイ)が比較的容易で、実績もあることからオススメだ。
テンションフォールでの誘い下げ
集魚灯が効いてくるとイカのタナが浮いてくるが、釣れるタナがバラバラだったり頻繁に変わるような状況であれば、テンションフォールでの誘い下げもぜひ試してほしい。
テンションフォールはリールのクラッチを切って指でスプールを押さえ、誘いとテンションをかけたスローなフォールを入れながらタナを上から下へと探っていく。
やる気のある活性の高いイカは表層付近へ上がってくることから、イカのタナを探しながら誘い下げていく方が勝負が早く、手返しも良くなることで釣果アップにつながるだろう。
アタリの取り方
アタリは引き込む、穂先を持ち上げる、その場でフワフワなど、多彩なアタリが出る。アタリがあれば即アワセする。この繊細なアタリを取れるか取れないかが、イカメタルでの釣果の差となって表れる。まずは違和感があれば取りあえずアワせてみるようにしよう。
マイカのアタリは思いのほか小さく最初は非常に分かりづらいが、違和感をおぼえたら即アワセを繰り返すことで、徐々にアタリの出方が分かってきて、釣果もアップするはずだ。
また、アタリがあってアワセを入れてもハリに掛からないこともよくある。もしアワセのタイミングが合わずに空振りしてしまっても、慌てずにすぐに誘い(シェイクなど)を入れて、しっかりスッテを止めてサオ先に集中するようにしよう。いったん反応したマイカは、再びスッテを抱き直してくることが多い。
夏のイカメタル数釣りのコツ3選
最後に夏シーズンのイカメタルにおいて好釣果を上げるために抑えておきたいポイントを紹介する。
小さめの鉛スッテ
夏の数釣りには、比較的浅い水深を軽めの鉛スッテで狙うことが多いため、8~15号の出番が多くなる。鉛スッテ、ドロッパーともに各メーカーからさまざまな種類が出ているが、日によってシルエットが大きいものに反応がいい日、小さい方がいい日がある。夏の数釣りでは小型のイカがメインになることが多いので、小さめのシルエットのものに反応がいいことが多い。
鉛スッテについては写真の通り全長が短くやや太めのもの、価格が高価ではあるがタングステン素材の鉛スッテをチョイスすることで、全体のシルエットを小さく見せることができる。
ドロッパーの使い分け
ドロッパーは鉛スッテと同様にさまざまな種類があり、大きく分けるとオモリの付いていない浮きスッテタイプのものとオモリの付いたエギタイプのものがある。浮きスッテタイプは潮の影響でフワフワと動き、エギタイプはオモリがあるため安定した水平姿勢でイカを誘う。
枝スの長さについては5~15cmが基本。時には20cm以上取った方が良いこともある反面、枝スなしの直結が良い場合もある。枝スが短い方が誘いが伝わりやすく、長い方がじっくりとドロッパーをイカにアピールさせることができる。
夏イカ狙いでは状況に応じて、浮きスッテとエギ、枝スの長さを変えながら、当日のパターンが誘いによく反応する「動」のパターンか、ロングステイなどが効果的な「静」のパターンかを見極め、反応が良い組み合わせを見つけることが好釣果につながる。ひと手間を惜しまずに、こまめに調整してほしい。
ダブルヒットを狙う
イカのタナが絞れたら、反応が良いタナを集中的に狙う。オバマリグの場合は鉛スッテとドロッパーを使用することから、マイカがヒットしてもすぐに巻き上げずにダブルヒットを狙いたい。
しかし、巻き上げを完全に止めてしまうと仕掛けが緩んでしまい、せっかくヒットしたマイカをバラしてしまうことが多い。私はイカがヒットしたらすぐに巻き上げたい気持ちを我慢して、ゆっくりハンドルを5~10回転巻き上げ、2匹目のヒットを狙ってから巻き上げることが多い。
まとめ
イカメタルはシンプルな仕掛けで狙う釣りではあるが、シンプルな釣りであるからこそ腕の差が顕著に表れる釣りであるとも言える。夏の数釣りにおいても、好釣果を上げるためにはやはりさまざまな工夫が必要となってくる。皆さんも基本を押さえつつ、今回の記事を参考にしていただき夏の数釣りにチャレンジしてみてはいかがだろう。
<週刊つりニュース中部版 桑原一幸/TSURINEWS編>