釣友丸でテンヤマダイ釣り
集まった4人のファンが大型船の四隅に座る。私は左舷ミヨシに釣り座を構えた。
5時前、若林大船長の操船で岸壁を離れる。航程15分でスローダウンし、「近場から探っていきましょう」とのアナウンス。用意されたエサのエビを取りに行く。
横流しの態勢をとると、「はい、いいですよ。水深は20m」とスタートの合図。ミチイトは船底へ向かって少し斜めになって伸びていくので、潮の流れはほどよいようだ。
テンヤが着底すると、フアッと小さなイトフケができるので、これを見落とさないことが肝要。ベールを戻し、イトフケをとったら誘いの動作に入る。
竿先をゆっくり頭上まであおり上げ、上で1拍入れてゆっくり海面へと戻す。これを繰り返えし、フォール中にくるアタリを待つ。
エサ取りはフグやベラ
アタリはコッと竿先をわずかに叩くか、モゾッとモタれる不可解なものも多い。少しでも異変を感じたら、アワセを入れること。魚が乗ったら念のために追いアワセを入れ、完全にフッキングさせる。
この日は誘いを繰り返してもアタらず、巻き上げるとエビがかじられてボロボロになっている。たぶんフグだろう。
新しいエサを付け、再び誘いをかける。すると、テンションフォール中、底上1mでコッとわずかなアタリ。シャープにシャクると、グッと乗った。たびたび訪れるミニ3段引きを楽しみながら巻き上げると、手のひらサイズのマダイでリリース。
船長も操舵室から竿を出し、魚の動向を確かめながら北へ北へ探り上げていく。ポイントによってはフグやベラなどのエサ取りも多いが、丹念に誘えば本命のアタリが訪れ、ピンクの魚影が舞い上がる。
好ゲストに大型カサゴも登場
右舷ミヨシの深谷幸寿さん(宇都宮市)は、竿先をピンとはね上げて、エビの逃げを演出する誘いでアタリを誘発。
取り込んだレギュラーサイズを掲げてくれ、「マダイのみならず、ゲストもさまざまなので楽しいよ。ほらっこんなのも上がったよ」と言いながら、大型カサゴをカメラへ向けてくれた。
タイラバやジグもOK
右舷トモで竿を振る広瀬豊さん(潮来市)は、「この船では、ひとつテンヤのみならずタイラバ、ジグなど好きなスタイルでマダイ釣りを楽しめるので、たびたび来ている。
今日もテンヤとタイラバを楽しんでいるよ」と言いながら、釣り上げた食べごろサイズの本命を掲げてくれた。オケの中を覗くと、本命のほかカサゴ、ホウボウ、ハナダイなどで大にぎわい。
筆者に1kg級マダイ
釣り座に戻って竿を手にし、上から竿先を注視しながら戻してくると、海面近くでコッコッときた。竿先を鋭くシャクると、グッと魚が乗り、追いアワセを入れて巻き上げにかかる。
すると、鋭い突っ込みがきて、スプールからミチイトが滑り出す。竿を30度の角度に起こし、ポンピングせずにリーリング。やがて1kgほどのピンクの魚影が海面を割り、無事にタモへと滑り込んだ。