投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】

ルアーで獲物を狙うなら、フルキャストして広範囲を探るもの……と考えておられる方は多いのではないだろうか。実は、堤防の足元に広がるテトラや捨石の穴・際には、ルアーフィッシングの対象魚である根魚が沢山隠れている。今回は、意外な可能性を秘めた「ルアーでの穴釣り」を紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

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荻野祐樹

釣り歴は約25年。得意ジャンルは渓流釣りと、カワハギ・タチウオ・メバル(全て餌釣り)等。解りやすい!をモットーに発信していきます。

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目次

ルアー穴釣りの対象魚

まずは、ルアーを使用した穴釣りの対象となる魚種を紹介しよう。

カサゴ等の根魚

カサゴやソイ、メバル、アイナメといった根魚たちは、日中はテトラや敷石の僅かな隙間に隠れているため、住処をピンポイントで狙い撃つことが出来る。場所やタイミングによっては、高級魚のキジハタやハタの仲間がヒットすることもある。油断は禁物だ。

アナハゼ

ハゼという名前が付いているが、実際はカサゴやカジカの仲間。岸壁の際やテトラ周辺などに潜んでおり、意外と獰猛なフィッシュイーターで、大きなものは20cmを超える。簡単に釣れるため、初心者でも楽しめる。

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】外見も身も青い変わりもの(提供:TSURINEWS編集部 立石)

ウツボの仲間

九州や四国、伊豆諸島等、黒潮の影響のある潮通しの良い場所なら、ウツボがヒットする事もある。ライトタックルでヒットさせると、その重量感に驚く事だろう。

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】口周辺には要注意!(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ギンポ

見た目は少々グロテスクだが、江戸前の天ぷらでは美味な食材として扱われる。口が小さいものの、メバルやアジ用のワームに果敢にアタックしてくる。

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】見た目に反して美味な魚(提供:PhotoAC)

ルアー穴釣りの道具

続いて、ルアーで穴釣りをする場合に必要な道具と、その理由を説明しよう。

ロッド

穴釣りの場合、素早く取り込まないと根に潜られてしまうため、メバリングロッドやアジングロッド等硬めの竿はやや不向き。バスロッドやエギングロッドといった少々硬めの竿が向いている。穴釣り専用の1m程度の専用竿+ルアー、といった組み合わせもOKだ。

リールとライン

リールはロッドに合ったものなら何でも構わないが、ドラグを出してしまうと根に潜られる可能性があるので、ドラグはややきつめに設定しておく。また、PEラインを使用する場合は根ズレに弱いので、フロロカーボンラインのリーダーを最低1m~2m程度つけておきたい。ラインの太さは対象魚に合わせるのだが、メバル狙いなら4lb程度、それ以外の根魚なら8~12lb程度とやや太めにしておく

使用するルアー

穴の中にルアーを落とす為、当然フローティングタイプの物や、ミノーのような形状のルアーは不向き。圧倒的にオススメしたのがワームで、ジグヘッドやスプリットショットリグが釣りやすい。その他、数グラム程度の小型ジグも使える。ただし根掛かりが多いので、フックはシングルフックに取り換えておこう。

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】小型ジグは案外使いやすい(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

その他道具

魚を掴むフィッシュグリップ、フックを外すプライヤーは欠かせない。また、テトラでの穴釣りは足を滑らせる可能性があるので、ライフジャケットは必ず着用すること。

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】フォーセッププライヤーがあると便利(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ルアー穴釣りのポイント

「穴釣り」という名の通り、この釣りはテトラや敷石の隙間をピンポイントで狙う釣りになる。こういった場所は魚たちのマンションになっているのだが、「釣れる穴」と「釣れない穴」が存在する。詳しく見ていこう。

深い穴

一見同じような穴に見えても、ルアーを落とすと浅い穴と深い穴がある。当然、深い穴の方が確立が高いので、深い穴を優先的に探っていこう。

入り口が狭い穴

入り口が狭くても、実は中が広かった……なんて事も多い。こういった穴は他のアングラーに見過ごされがちなので、発見したらじっくり攻めてみよう。

沖に面した穴

港の内向きにある穴よりも、外海に面した穴の方が、新たな魚がやってくる分釣り荒れしにくい。潮通しが良い場所なら大型の可能性もある。

近くに藻場がある

夜間に魚たちの採餌場となる藻場があれば、日中はその近くの穴に潜んでいる可能性が高い。積極的に探ってみよう。

堤防の際

堤防の際の穴は構造上深くなっていることが多い上、カニや貝類・そこに潜むゴカイ等のエサが豊富なため、高確率で釣れる。ただし、ある程度の水深がある事が条件だ

実際の釣り方

ではここから、実際の釣り方を紹介しよう。

満潮前後を狙う

釣行時に干潮で潮が引いていると、釣るポイントが限られてしまう。一か所で粘らずランガンしながら釣る為、探れる穴が多い満潮前後がオススメだ。特に干満の差が大きい大潮の日に釣行すると、良型に出会える確立がアップする。

ルアーをチョイス

ポイントや狙う対象魚によって使用するルアーを変えるが、万能なのはやはりワーム。著者はジグヘッド+甲殻類を模したクロー系、メバル用ピンテール、アジ用ストレートワームの他、ボトムワインド等でも実績をあげている。大型を狙うなら小さめのジグも良い。

投げずに楽しむ堤防釣り:ルアーで穴釣り【対象魚・道具・ポイント・釣り方を解説】実績の高いクロー系ワーム(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ルアーを落とす

気になった穴が見つかれば、その穴にルアーを落としてみよう。着底させたら糸フケを取り、その場で細かくシェイクするように動かす。時折食う間を与えるようにストップさせて、反応が無ければ少しだけ浮かせて、またシェイク……といった動作を繰り返す。当然横の動きは使えないので、縦の動きのみで誘っていく。

アタリと取り込み

アタリは、ルアーを動かしている最中に重くなったり、止めている時に竿先を引き込むように出る。アワセを入れたら、根に潜られないよう素早くラインを巻き取り、最後は横穴に潜られないよう、一気に抜き上げる。大型がヒットした場合はタモを使いたいが、タモが穴の隙間に入らない場合は、フィッシュグリップやハンドギャフ等でランディングする。くれぐれも安全第一で行おう。

ルアーでの穴釣りは非常にお手軽

餌釣りとは違い、ルアーなら自宅で手軽にストックできる上、思い立った瞬間に釣行できる。無数にある穴から、魚がヒットするお気に入りの場所が見つかったなら、その手軽さも相まって、通いたくなること請け合いだ。ロッドとリール、ワームセットさえあればすぐにチャレンジ出来るので、是非一度「投げないルアーフィッシング」にトライしてみてはいかがだろうか。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>