夏が訪れて、厳冬期にふ化した小ぶりのハゼが、そろそろ釣りのターゲットになってくる。今回は、ハゼをミャク釣りで狙うためのポイントやタックルセッティングについて触れながら、紀ノ川の釣行の模様をお伝えしよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・牧野博)
ハゼ釣りのシーズン開幕
ハゼの産卵は2~3月の厳冬期に、干潟の泥の中に掘ったトンネルの中で行われるという。それがふ化して釣りのターゲットになってくるのは6~7月ごろになる。初期は5~8cmと小ぶりであるが、かなりの勢いで成長し、最盛期の9~10月になると15cm近くに成長し、竿先をふるわせる。
その後は徐々に深場に移動するが、暖地であれば11月中旬まではミャク釣りで狙える範囲内にいる。なお、ハゼは基本的に1年魚であるが、夏ハゼのかなり早い時期でも、散発的に良型が来る場合がある。これは産卵後に越冬して生き残った2年魚と見られ、今年ふ化したハゼに比べ2回り以上サイズが大きい。
12~翌年1月中旬位になると産卵に備えて砂泥底の深場に落ちるが、チョイ投げで狙うことができる。また、カレイ釣りの外道に良型のハゼが混じってくるのはこの時期である。
ハゼ釣りのポイント選び
一般的には、大河川の河口部周辺の護岸や河原がポイントになる。東京都内など、運河が多く流れているところでは、その中でも狙えるし、潮汐の影響のある砂泥底の場所ならハゼはいると考えていいと思う。立ちこみ釣りで狙う場所もあるが、初心者やグループなら足場の良い護岸のポイントの方が安全だと思う。
もう一つは干潟の周辺、潮汐の影響を大きく受ける場所であるが、干潟で注目したいのはクリーク(水路のようになった場所)である。上げ潮回りのみのポイントであるが、水温の高い海域の干潟であれば、メッキなども混じることがあり、多彩な釣果が楽しめる。
竿の長さについて
竿の長さは釣り場の条件に合わせる。川幅の狭い運河やクリークの様な場所なら、3.3~3.6mの短竿が扱いやすいと思う。大河川の下流部なら、3.9~4.5m位の竿でもいい。下げ潮周りになると、やや長めの竿の方が有利である。
たとえば川の中に見えている流木やヨシなどのストラクチャーのすぐ横に仕掛けを入れてみたいといった場合、ある程度長さのある竿の方が仕掛けを操作しやすい。私がよく使っているのは4.5mの小継の振出コイ竿と、4.2mの並継のヘラ竿である。
ライン
道糸を竿1本分取る。道糸については、感度のいいPEラインの使用可能性を昨年までテストを重ねた結果、穂先から50cmをナイロン2号、そこから仕掛けまでをPE0.8号としたラインシステムを使用している。
仕掛け
これに竿の調子に合わせて1.5~3号位のミニL天や、ハゼ天秤にナス型オモリを取り付けたものを使う。針数は私の場合。2本を標準にしている。連続仕掛けを作っておき、2本分をカットして自動ハリス止めにより天秤にセットすれば仕かけはできあがりである。
ハリスの間隔は短め
ハリスの間隔は私の場合15~20cmほどと短くしている。仕掛けの全長は20~25cmほどと短い。ハゼの場合キスのように長い仕掛けは不要で、極端にいえば自動ハリス止めに直接5~8cmほどのハリスをつなぎ、その先にハリを結んでもいい。