群馬県館林市にある城沼。春の乗っ込みシーズンばかり脚光を浴びるが実は晩秋も好機がある。春ほどの大型は望めないが、それでもいい日には40cm超が出る。アベレージは30~35cm。ひれピンの美ベラとタチ70cm前後で勝負するのだから、やり取りもスリリングだ。今年は猛暑の影響でシーズンインが遅れ気味だが、確実にその時は近づいてきている。
城沼の概況とポイント
平常水位。
水温が順調に低下すれば、12月末ごろまでは底釣りで本命のアタリを楽しめる。
釣れるサイズは30~35cmがアベレージで、時に40cmオーバーも飛びだす。
この時期は北岸東部にあるヤオコー(アゼリアモール)専用駐車場前周辺の、アシが刈られ釣り座が作られた所がおもなポイントとなる。
パレットや既設釣り台が置かれているが、誰が使用しても問題はない(早い者勝ち)。
ただし常連とバッティングする場合もあるので、その際はひと声かけてトラブルがないようにしたい。
入釣場所によって前面と左右にハスがあったり前面だけなどと、形状がかなり異なる。
ハスに囲まれたほうが雰囲気もよく風流れにも強いが、広く開けたほうがジャミが少ないこともある。
また開けたほうが長竿も使用できる。
どちらも一長一短があるので、空いていれば打ち分けて探ってみるのも一つの手だろう。
城沼での釣り方
水深は深くても1本前後なので釣り方は底釣りがメイン。
おもな障害物は枯れたハスで、際に打ち込むかそれとも離すか。食いが渋いほど際にウキを立たせたほうが有利だが、活性が高ければ際打ちにこだわることはない。
パレットが敷いてある所なら誰かしらがエサ打ちしているはずだし、際よりも中央付近にウキを立たせている確率が高く、そのほうが底の状態がいいとも言える。
よって竿の長さはこれらの地形に合わせてチョイスする。大方は竿12~15尺で十分だが、広く深く切れ込んでいる釣り座なら、さらに長い竿が必要な場合もある。
大切なのはエサ打ち点の目安をつけたら、いかに底の状態がいい場所を見つけるかだ。
底質を見定めよう
タナ取りゴムを付けて底ダテしたら、できるだけトップがトンと静止する場所を探す。逆にグジュグジュと止まるならヘドロ質な底。そして城沼では圧倒的に後者のパターンが多い。つまり軟質な底が多いということ。
また小枝や枯葉などが沈んでいるのもトップがきれいに静止しない要因だ。
きれいな底ならタナは上バリトントンからズラシ気味でも問題はないだろう。だが底質が悪ければタナは切り気味(片ズラシ)のほうがアタリが出やすい。
実釣時も竿掛け正面ではナジミ幅が安定しなかったので、やや左斜めに打ったらいい底が見つかった。
両ダンゴの硬ネバタッチ
エサはジャミ(おもに小さなマブナ)が多ければ両ダンゴの硬ネバタッチ(50回練り)。
バラケマッハなどの麸系バラケは使用しない。しかし、水温が下がればジャミは静かになる。そうなればエサは両グルテンまたはグルテンセットでOKだ。
メインは両グルテンだが、アタリが遠いようならバラケを併用し〝置きバラケ〟的に時どきセットで打つといい。その場合のバラケはダンゴの底釣り夏単品。
練り込む前の基エサを手水と軽い練りで調整し、底にエサを置いてくる感じで打つ。
アワセ方のポイント
水深が浅いので強いアワセは厳禁。
シュッと穂先を跳ね上げる程度に留めて、魚を暴れさせずに素早く取り込む。強いアワセだと魚が驚いて暴れてしまい、障害物に逃げ込まれてバラす確率が高い。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
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