4月の雪代の釣りから2ヶ月、渓流の様子は一変し本来の穏やかな流れが戻っていて、緑の山々からハルゼミが鳴いている。6月12日、梅雨空の中2泊3日で南会津へ向かった。今回はその渓流釣りの模様をお伝えしよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
舘岩川はヤマメの魚影濃厚
翌日は舘岩川へ入渓した。国道沿いに渓は続くが川幅もあり釣場は広範囲である。雲行きが怪しいので無理はせず、堰堤を釣り歩く事に。
雨衣の準備をし彼について行く。入渓点を心得ている彼との釣行に時間のロスは少ない。今回は2ヶ所の堰のポイントを用意してくれた。
単独行の源流釣りとは趣きは異なるが、会話を楽しみ大場所に腰を下ろし二人で竿を出す。へら鮒か乗合い船の雰囲気である。
この川のヤマメは幅広の本流育ち尺超えのスーパーヤマメだ。ルアーマンのターゲットでもある。と、会話を中断した彼の竿が曲がり、ネットに収まったのは泣き尺のヤマメ。
続く私には18cmのウグイが掛かる。彼に勝つつもりはないが、悔しい。
その後22cmのヤマメを追加したが、彼の魚籠には3匹のヤマメがあった。時折邪魔するウグイを交わしリリースを繰り返しながら20匹程の山女魚を釣ったところで雨も強くなり納竿。7m竿本流仕掛けで川虫を使った。
最終日短時間でヤマメ14匹
3日目の朝、昨日行けなかった大堰堤に向かった。曇り空の中、入渓点を目指し田植えの終わった畔道を進ぶ。カエルがうるさい程鳴いている。雨が近いのであろう。蝉は聞こえない。
ここは堰堤の下、餌釣りは彼に任せ、私は下流の淵でルアーを試みた。7gのスプーン、クランクミノーと手を変えるがノーバイト。4月の釣行の様なアタックは無かった。
諦めて彼の魚籠を覗くと10尾程のヤマメがキープされていた。リリースを繰り返している。雨も降り出したところであるが、ワタ処理は彼に任せ、彼の竿を手に最後まで目印を追う私に、彼は苦笑いをしている。
この羨ましい環境は彼の日常なのである。いつまでも渓魚の住む静かな里であってほしいと願った。
舘岩川
私の熊避け対策
最近熊被害のニュースも後を経たない。店には対策グッズも色々出回っているが、長年渓流釣りをしていると熊騒動への腹も括っており出会った時は仕方がないと思っている。獣との遭遇は覚悟の上である。
山へ入る時はホイッスルを常備し獣の予感がすれば鳴らし続け歩く。それでも不安な時は爆竹や取置きのネズミ花火を使う。が、花火はあまり出番は無かった。
今はサイレン付きの携帯ラジオが活躍している。熊撃退スプレーは高価でかさばるので、持参しないが近付けば効果があると聞く。出会ってしまったら目を見て物を捨て後退りしようと思っている。勇気があればの話しだが……。
ザックには獣避けの鈴は付けてある。宿で会った源流ルアーマンは、ロケット花火を常備しているそうだ。人それぞれである。山は獣達の領域なのだから入渓の際は辺りの獣に人の存在をアピールし釣りを楽しませて頂く気構えで望む事が、今の所私の対策である。
釣行感想
今回はルアーマンも数組出会い湯ノ岐川は場荒れの感もあった。魚影はあるが春先に比べ岩魚は20cm以下が目立った。リリースを心がけて欲しいと思う。
ヤマメを狙うなら舘岩川の方が型は良い。ウグイも来るがイワナ混じりで楽しめる。季節柄何方の渓も日中の釣りは手強くなるが、朝夕のまずめを選び狙いたい。梅雨も落ち着けば、至る所ライズも始まるであろう。季節を待って再度訪れようと思う。
湯ノ岐川放流は数回に分けて各所で行っているとの情報を宿の釣り人が教えてくれた。魚はスレ気味らしい。今回も宿は紅葉館さんにお世話になり女将さんの打つ裁ち蕎麦と山の幸は絶品だった。
<中山祐司/TSURINEWSライター>