大阪湾奥、初冬~春の釣りを盛り上げてくれたメバリングが、そろそろ終わりかけている。梅雨メバルもぎりぎりという時期の6月12日にこの文章を書いている。おそらく記事が公開される頃には終了しているだろう。総括という意味でも、メバルの動きを綴っておく。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
梅雨メバルの反応鈍る
この記事を書いている現在は、まだ粘り強く勝負すればメバルは反応させられるが、大阪湾奥の陸っぱりのターゲットは今はタコに移っているようだ。しかも今年の新子というべきかタコは、1kg級とでかいらしい。タコは当たり年だという話をすでにあちこちで聞く。
ではメバルはどうか?悪くなってきた。本当に梅雨に入ってからダメという感じで、壊滅的な影響を海にもたらした台風一過、まずくなっている。最後の数釣り(10尾超え)が3週間前となった。まだ台風の影響で浮きゴミや笹濁りが続いている状態なので、そもそも釣りにくいせいもある。
とはいえ今季全体を振り返ると、メバルの反応は決して悪くなかった。
今季のパターンを振り返る
2022冬~2023春の大阪湾奥のメバリングのパターンを振り返りたい。
序盤(11月~12月)
早いタイミングでメバルが出てきた。11月序盤にはすでに釣れた。しかしこれは釣り次期として早いものではない。数が出るのが早かったという印象だ。時合いが20時前後の時期が続き、寒い中焦れるものはあったが、短時間集中で15尾に迫ることもあった。
この時期はワーミングで、極端に小さなワームをメバルが小突いてきた。1inch級以外で釣ったことがなく、1inch級の中でも小さな、極小ワームがパターンを作った。たまに卵持ちが混じった。
序盤のメインベイトはプランクトンだろう。常夜灯がある場所でしかほとんど掛けた記憶がない。サヨリやアジやサバも混じったし、ミニシーバスもきた。典型的なプランクトンパターンの混泳だ。
中盤(冬季~厳冬期)
12月中盤から厳冬期にかけては例年になく厳しかったメバリング。ものすごーく寒い時期はシーズンオフと考えられるが、まだ水温も12℃くらいとボーダーラインぎりぎりのところでも、パタッと食いが止まっていた。メバルがスポーニングに入るのが非常に早かった印象がある。まったく出てこなかった。
ボトムをリトリーブして大型をいくつか取ったが、それ以外のヒットの記憶がない。真冬のメバルはボトムだな、と再認識した時期となった。
終盤
4月までは3月の水温を引きずって反応はまだまだ。春の後半といえる5月から再登場したメバルである。一気に大型化した。バチ抜けパターンではなく、釣った魚のお腹を捌いてみるとベイトフィッシュがいっぱい!いや、そもそも今年はあまりバチが湧いていない。
ただ数そのものは例年になく、異様に釣れている。25UPが連発した。最初はプラグ、渋くなってからワーム。活性の高い日はプラグにしか食わない。面白いメバリングができた。
お腹を捌いて、ベイトフィッシュパターンの研究ができたのは良かった。しかし、そのパターンを発見するのが遅すぎて、反応が鈍った今にフィードバックできないのは悔しい。梅雨メバルは、総合的に見るとあまり釣れなかった。台風に2週間海を潰されたことも大きい。
小型と大型の挙動を考える
メバルは何年も生きる魚で、1年に成長は4cmくらいらしい。すなわち私の言う小型も大型も釣れる魚はある程度の年齢にあるし、群れの中で生存競争や新陳代謝は起こっていないはずだが、なぜ前半小型ばかり、後半大型多しという釣れ方の傾向が出たのか?
――推測はできる。おそらく前半に食ってきた小型は、プランクトンパターンで、好奇心旺盛な学習していない魚なのだろう。後半の大型は、シーズン中盤以降の学習個体だ。暖かくなるにつれ湧いてきたベイトフィッシュを追って、捕食をスタートしたものと思われる。
前半のメバルはレンジを深くすれば大型になったかもしれないが、実際、そうした釣り方もしたが釣れなかったので、こんな推測をしたとてどうしたものか……、という感じもする。