一度見たルアーは二度と食ってこないメバル。警戒心が高い魚ではあるが、逆に言えば、「一度目は食いやすい魚」でもある。新規なルアーは、メバルにとっての「初見殺し」とでも言おうか、好奇心むきだしで飛びついてくる。変り種ルアーは、持っておいて損にならない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
メバルルアーは変わり種が多い?
昔からルアーは何か流行を取り入れたデザインや、かわった意匠のものも少なくない。まあちょっとした遊び心のようなものだ。ただ、遊び心が実際に釣りに効くこともある。同じ動きや柄ばかり見ている魚は、「初見」のものには食いやすいのだ。かつて流行したブラックバス界の常吉リグや、近年、時代をつくったビッグベイトなどもそうと言える。
メバルルアーは、ライトソルトのルアーの中でも、かわったものが出てきやすい。メバルそのものが好奇心旺盛な魚で、初見のものに反応がいいからだ。まだアングラーがあまり投げていないルアー、すなわち「新発売」されたばかりの、変則的なかたちのルアーはおもしろいほど釣れたりする。筆者も、最近「アジスプーン」なるものを手に入れて使ってみたが、まだ釣りきれてはいないものの、メバルのアタリは頻発した。今度は釣ってやりたい。
スレていく前に手早く使う
メバルはどこか収斂進化しているような印象がある。収斂進化とは、まったく別のところに棲む同種の者が、同じような特徴を備えて進化していくことだ。メバルの収斂進化の現れ方はことに顕著で、たとえば下で紹介する「マイクロタイラバ」だが、3年くらい前の登場初期は主に新子のメバルがよく飛びついてきたものの、最近では少しアタリが遠くなった。
マイクロタイラバ
やはりこれは全国でアングラーが同様のルアーを使っているからだろう。だからメバルを同じルアーにスレさせてしまうのだ。これを収斂進化と言っていいかわからないが、まあ同じ特徴の出方をするということだ。
同時期にアタリが加熱し、そして同時期にスレる。今はネットによって大きく情報が共有されている時代で、さらにメバルは長いこと生きる。スレるのもむべなるかな、と言えよう。
よって、変則的な新規のルアーも、手早く使ってしまうこと。これが釣果に直結する。具体的に「変り種ルアー」と、その使い方を紹介しよう。
ポッパー
流行のポッパー。小さな魚が口を開けたような形状をしており、そこで水を割って音と水飛沫を出し、アピールする。小さなポッパーはなかなかうまくスプラッシュさせることが難しいが、ラインスラックを弾くようにコントロールすると、いい音が出る。遠い魚を寄せる効果もあるので、オープンウォーターで使うのも良い。
エビ型ルアー
これは反則とも言えるエビの形をしたルアーだが、まあ強い。スレきったところで出すと一発回答だ。私が使っているものはシンキングのもので、フォール中に食いついてくる。