春のライトゲームは釣り物がたくさんある。シーバス、チヌもLT(ライトタックル)で攻略するなら、実に5魚種以上もの対象魚がいる。今日は何を釣ろうか?迷うならば、月周りが参考になる。ライトゲームが成立するかもしれない、3つの条件を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
5~6月のライトゲームの釣り物
春は釣れ残ったメバルが居て、産卵の回遊アジも入ってくる。ライトゲームの季節としては秋に次いで良い時期といえるだろう。底物の調子も上がる。ロケーションによっては、アコウやハタ類も釣れる。日参したいくらい最高の海!
夕マヅメは産卵のために接岸してくるアジ。夜はメバル。満月周りならバチ抜けのシーバスもLTタックルで狙える。ノッコミのチヌも小さなワームに弱い。そしてカサゴから、動き出しのアコウまで。回遊があれば、サバの群れも海を沸騰させる。デイメタルも心弾む。
月周りが重要
これだけ多くの釣り物がいると、潮周りと自分の空き時間が味方してくれたら、何度でも海に通いたくなる。一方で、春は気まぐれな魚も多い時期だ。いついかなるときも爆釣とはいかない。
たとえば回遊のアジがいつでもいるかというと、そうでもない。シーバスが毎回食うかといえば、バチやマイクロベイトの出方にもよる。実は釣果を左右するのは、海の状況を決める、「月周り」なのだ。月周りを頭に入れて立ち回れば、魚は釣りやすくなる。
満月周り
月周りは2週間ごとに変化していく。月が欠け、また満ちていく。フルムーンに近づいていく満月周り、特に光量が多い大潮満月の日は、河川周りでバチ抜けが起きやすい(※多毛類が海面に浮いてくること)。そのため、バチについた魚が釣りやすくなる。
バチにつく魚は、シーバスを主とし、メバル、アジなどだ。ただ、シーバスの活性があまりにも高いと、バチの次に捕食の対象となるアジの活性が下がる。よって満月周りは、いればシーバス、いなければ次にバチを恰好のベイトとするメバルを狙うのが、戦略的だろう。
新月周り
新月周りとは、夜空に月がない「新月」という状態に向かって、月が欠けていく月周りのこと。月影がまったくない新月は、主にはメバルやアジなどの小魚の活性が高くなる。
夕マヅメのアジの回遊、常夜灯下で光合成するプランクトンにつく居着きのアジ、夜のメバル。翻っていえば、新月周りはアジの活性が上がるため、バチを食わない状態のシーバスの活性がむくむくと上がってくる可能性もある。ただアジなど小魚を追うシーバスの活性が上がるのは朝マヅメの話で、夕刻から夜の釣りと考えると、小さめの魚の方が釣れやすい。
釣れない時はカサゴ頼り
と、いろいろ言ってきたが、これはあくまでセオリーである。非原則的なことも多々起こるのが、自然相手の釣りの楽しさというものだ。バチ抜けなんていい加減なもので、実は新月周りでもシーバスは沈みバチをバコバコ食っていることもある。満月周りでもマヅメのアジが異様に高活性で、夜になっても常夜灯下に釣れ残ったり……そんなパターン外の海なんてザラだ。
どうやっても何も反応してくれないときもある。ザッツ・フィッシング。だがそんなときには忘れないでほしい。われわれにはカサゴという“いつもの釣り物”がいることを。おなじみのこの魚。ボトムのリトリーブ、トントンと底を叩く釣り、あるいは軽量リグのふわ釣りで顔を覗かせてくれる。冬から春はこの魚が大きい時期でもあり、良型の期待も高い。