2泊3日で福島の湯ノ岐川へ渓流釣りに出かけた筆者。40年前に岩魚釣りを覚えた思い出の渓で、岩魚に山女魚と美しい魚たちと対面。温泉や宿での素敵な時間も併せて楽しんだ釣行の様子をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター中山祐司)
残雪の湯ノ岐川で渓流釣り
4月13日快晴の朝、2泊3日の予定を組んで福島の湯ノ岐川へ向かった。40年前イワナ釣りを覚えた渓である。そして20年振りの湯ノ花温泉に宿を予約した。
東北自動車道西那須野塩原ICを降りたのは午前7時過ぎ。塩原温泉を超え会津西街道へとハンドルを切った。外気温4℃残雪の山に春は届いていない。
山王峠を下り会津高原尾瀬口駅を抜けると、中山峠の眼下に舘岩川の流れを確認できた。近づく里はウグイスの声と山桜が迎えてくれている。少し雪代があるが水はクリアーである。
2投目で20cm級ヤマメ
午前9時南会津漁協舘岩支部に到着。広範囲の釣場地図を手にした時、迷わず年券の購入とさせて頂いた。時間が許す限り竿を振りたい渓ばかりである。禁漁区の資料には種沢の明記も多く、漁協の姿勢が伺える。
宿に向かい挨拶を終えるといよいよ釣り開始。昔の面影を残す中流域納屋裏からの入渓である。ジンクリアの渓流、洒落た形容も納得がいく。水は水深を見誤るほど澄み、白砂の川底は川虫の影も確認できてしまう。
ネットを用意し、川虫は川底の岩盤を撫で取った。ヒラタは小さいが1回で30匹ほどは取れてしまう。石裏には鬼チョロと黒川も多く充分な数を手に入れた。持参の餌は出番がなさそうである。
初ヤマメキャッチ
7.1mの本流竿に天上イトを2mつけナイロン0.3号の通し仕掛け。ガン玉2Bと鉤はヤマメ半スレ6号をセット、マーカーを3ヶ所決め仕掛を作った。ヒラタを房掛けにし左岸からトロ場のひらきを流す。2投目に踊り出たのはヤマメ20cmほどの魚体である。ネットに美しい1匹を入れた。
29cm頭にイワナ連打
気温が上がり雪代が増えて来たので渡渉は充分場所を見極め行うことに。流木の杖を利用し対岸へと渡る。落込みを流すがアタリなし。遡行は労力がいるため一度川を離れ、車で渓の様子を伺いながら上流へと向かうことに。
橋ぎわに駐車場所を確保し農道から入渓。上流に見える堰堤まで足場を選んで釣りを楽しむ。ネコヤナギの咲く淵を選び鬼チョロを流すと、逆光の流れに目印が止まり、イワナ独特のアタリで深い淵へと仕掛が動いた。
イトを送り飲ませにかかると、ゴツゴツと合図、釣り上げたのは25cmほどのイワナ、今年の初物である。次の小場所はアタリがなく車に戻り上流へ。ウェイダーを身につけたままハンドルを握る。安全運転を心がけ駐車スペースとポイントを探した。
大滝の淵に入渓して29cmのイワナをゲット。しらかば公園を超え水引の集落まで来たところで、イワナを2匹追加した。竹魚籠が重くなった。満足である。釣り人に出逢うこともなく里の渓流を楽しめた。時計は3時を回っている。納竿。
足元のフキノトウとノカンゾウを竹魚籠に頂きmクーラーBOXには残雪を詰め締めた魚を保存した。ありがたい春の恵みである。
初日の最終釣果
ヤマメ混じりで5匹の釣果に早々に宿に戻り、懐かしい湯めぐりを楽しむことに。宿の周りに4箇所ある素朴な温泉、小さな共同浴場へ向かった。
夕暮れの山桜が北国の里の情緖を誘っている。宿に戻るとイワナ料理や山菜そして打ちたての裁ち蕎麦など女将の心温まるもてなしは忘れられぬ旅の始まりとなった。