釣れた魚が大きいとか小さいとか、大漁だったとか貧果だったとかに一喜一憂するのは釣り人の常だが、そんなとき、いろいろな場面や季節ごとに出会う植物たちが、和ませてくれたり癒やしてくれたりする。今回はそんな釣りの応援花(歌)を紹介したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤拓摩)
春の兆しを見つける
2月から3月にかけて渓流釣りが解禁となる。解禁当初はまだまだ寒いため防寒対策が必要だ。シーズンによっては、残雪を踏みしめて入渓なんてこともある。
渓流を移動していて、足元に顔を出したフキノトウを見つけるとホッと春を感じる。日差しを浴びて銀白色の毛が光るネコヤナギに水辺で出会うと、冷えた体がなんだか暖かくなる感じだ。
3月になると、釣り場へ向かう道中にある田んぼの土手でツクシの大群を発見する。青空に向かってニョキニョキ伸びる元気いっぱいのツクシに、大漁の予感がしてうれしくなってくる。
桜満開で春本番
4月に解禁する滋賀県甲賀市を流れる野洲川上流域では「鮎河の千本桜」が桜の名所となっている。咲き誇る桜は絶景で春本番。そして渓流もシーズン本番を実感する。
彩り増えて初夏に
5月になると、初夏の汗ばむ季節のなかでサツキが爽やかに出迎えてくれる。三重県津市美杉町を流れる長瀬太郎生川漁協・太郎生支部管内では、ワラビが曲がった背筋を伸ばそうと頭を上げているだろう。
そして頭上には藤が咲き乱れ、アマゴ釣りが楽しくなる。
サーフフィッシングで人気の高い三重県鈴鹿市の浜辺には、5月になるとハマヒルガオがじゅうたんのように群生し、気分もウキウキハッピー!
梅雨はアジサイ
奈良県・山添村の波多野漁協管内では、梅雨の季節でもアジサイのブルーの色を見ていると、ジメジメ感がなくなりスッキリ気分になってくる。
シーズン終盤のヒガンバナ
そして9月になってアユに赤黒い婚姻色のサビが出始めると、真っ赤なヒガンバナがアユ釣りシーズンの終盤を知らせるように咲き広がる。
このように、たくさんの植物が釣り以外にも楽しませてくれる。釣果だけに心をとらわれず、余裕を持って周りに目を移せば、もっともっと釣りを楽しむことができるはずだ。今年もエンジョイフィッシング!
<週刊つりニュース中部版APC・伊藤拓摩/TSURINEWS編>