三寒四温を繰り返し、季節は徐々に桜の季節へ向かっていく。この時期は乗っ込みの季節。乗っ込みとは産卵のため、魚たちが浅場へ入ってくることを意味する。クロダイもだが、海の王様マダイもこの時期から産卵を意識して荒食いを始めるようになる。今回はそんな春の乗っ込みマダイをタイラバで狙ってみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
巻きスピードをアジャスト
乗っ込み初期はディープエリアを攻めることが多いタイラバ。深いほど攻めるレンジの幅が広くなるが、浅場と深場で釣り方自体がそう変わることはない。
まずは着底をしっかり確認することが第1段階だ。はっきり底を確認できないときは、シンカーを重くして確実に底を感じ取れる重さを使うようにしよう。
着底をしっかり確認できたら、すぐに巻き始めること。この巻きスピードも重要で、速い遅いで釣果に差が出る。その日その日でヒットスピードが変わるので、デッドスローから超速巻きまでいろいろ試したい。船長の合図があって全力で回収していたらヒット……なんてこともあるので、何が正解!とは一概にはいえないのだ。
ドラグ設定は適切に
そしてもうひとつ大事なことが、リールのドラグ設定だ。極軟調ロッドに極細ライン、小バリを使う釣りで80cm前後の大ダイと渡り合うには、ドラグ性能をフルに発揮しなければ、キャッチすることは難しい。
ドラグの設定は手でラインをつかんで、強めに引っ張れば出るぐらいが目安。数値でいえば1kg前後といったところだろうか。緩すぎるといくら巻いても魚との距離を詰められないし、強すぎると走った瞬間にラインブレイクやハリ折れといったことが起きる。
一定に巻き続ける
アタリは巻いている途中でゴンゴンとはっきり伝わってくる。肝心なのはここからで、アタリがあっても何事もなかったかのように、それまでのスピードを維持して巻き続けること。ゴンゴン……の後にサオ先が絞り込まれたら、ハリがしっかり掛かって魚が反転した証だ。
アワセに関してはいろいろな考え方があるが、ここでは「アワせない」ことを提言したい。サオが絞り込まれてしっかりハリ掛かりしても、サオの角度を一定にして巻き続ける。魚が走ってラインが出ていくときは巻くのをやめ、止まれば再び巻き始める。
マダイは青物のように猛烈なスピードで突っ走ることはない。まずは慌てないこと。むやみにロッドをあおったり、指でスプールを押さえることはしないようにしよう。どれも即バラシにつながる行為だ。
水面近くまで浮いてくると、大型ほど抵抗がなくなる。水圧変化についていけず、腹にエアーが入って動けなくなるのだ。こうなれば獲れたも同然。テンションを緩めないようにして、浮かせてタモですくってもらえばOKだ。
素敵なゲスト
タイラバは五目釣りといえるほど、いろいろなゲストフィッシュがヒットする。中でも最も喜ばれるのがアマダイ。太平洋側では、幻の高級魚ともいわれるシロアマダイが増えている。
他にも岩礁帯であればカサゴやハタ類なども食ってくるし、青物やシーバスなどのヒットも。いずれも喜ばれるターゲットだが、中には招かれざる客もいる。エソだ。
釣れるだけならいいのだが、鋭い歯でリーダーをズタズタにする上、最悪の場合は高価なタングステンシンカーごと持ち去ってしまうこともある。またエソが釣れたら、リーダーが傷ついていることが多いので、必ずチェックしておこう。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>