石花海の鬼カサゴは桜エビを捕食して甘くて美味しいとの話から釣っても、食べても至福の時を味わえる鬼退治、今回、ダイワ船チームのフィールドテスターである田渕、石塚、高槻の三名のプロが参加したとても勉強になった豪華な釣りをレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター前島宣秀)
とび島丸から出船
とび島丸では、大型船で初めての方にはひと通り乗船時の掟が説明される。真水は緊急時の飲料水にもなるので蛇口は閉めること、夜間は船外に出ないこと等など、遠征船ならではの説明である。また、船内には人数分のベッドも完備してありとても快適である。
タックルと仕掛け
リールは小型でパワーのある電動タイプ、頻繁に底ダチを取り直し、誘いが決め手となる釣りなので、なるべく軽量が望ましい。竿は操作性がよく、元部から胴部にかけてしっかりとしたタイプが扱いやすい。筆者はメタリヤ アカムツにダイワシーボーグ300J、オモリは150号だ。
仕掛け
仕掛けは全長2m、エダス40cm、ハリス、エダスともにフロロカーボンライン6号、ムツ針20号の3本針をストレート天秤とした。天秤はストレートの方がアタリを強く感じられるのでおすすめだ。
その他、水中ライトが有効で色は赤か青が一般的で、タコベイトや蛍光玉、フロートパイプ等のアピールグッズは欠かせない。
石塚フィールドテスターの潮がゆるんだ時の仕掛けを拝見すると、夜光ムツ針に3cm程度のフロートパイプ、半切りタコベイトの軽い仕掛けであった。
各自様々なエサを用意
三時半に集合、4時20分に出港となった。現場まではベッドでゆっくり睡眠、ゆっくりと石花海(せのうみ)の真ん中辺りまで進み、六時半に船内アナウンスから「海よー祈りの海よー」とダイナミック琉球のテンポの良い音楽が流れこれからの釣りを演出してくれる。
釣り開始は七時からとのことで、当日はめずらしく快晴のベタ凪、真っ白に染まった富士山が良く見える中でゆっくりと準備ができた。ミヨシに石塚テスター、2番目に筆者、三番目に高槻テスターと並び、プロの釣り方を勉強できる良い機会。
早速石塚テスターに良型サイズの鬼がかかった。誘いはどちらかというと大き目で、エサはヒラヒラする様に薄くした鮭ハラスをメインにカツオのハラモを多用していた。
右を見ると高槻テスター、エサは太刀魚のハラモを終始使っていたが、誘いは少なくふわふわと揺らす様な釣り方、ダイワの鉄人田渕テスターは鬼カサゴ名人、大艫であまり見えなかったが、後で聞くとサバを終始使用したとのことであった。
釣り方の基本
筆者は、石塚テスターに事前に伺ったサバ、イカ、鮭皮と先日青森で釣ったサクラマスの皮、ハラスも試してみたが、結果的にはサバとサクラマスに軍配が上がった。
なお、エサは潮によっても変わるが、潮が早いときはあまり軽いエサでは舞上がってしまうので少し重めにした方が良いと石塚さんが話されていた。
エサ付けも重要
いずれにしても、天秤を先に入れ、エサがその後に続いて行くよう投入するのが鉄則であるが、その際のエサが沈んでいくエサの姿勢をよく観察した方が良い。特に高槻さんはエサ付けを特に慎重に行っており、海底に沈んでいく太刀魚のハラスはまるで小魚とも思えるほどであった。
連掛けを狙おう
釣り方の基本は、オモリ着底後底を取り直して2~3度底を叩いて1mほどゆっくりと聞き上げ、アタリが無ければ更に1m上げてからオモリを再着底の繰り返し、オモリを底から少し上げて、フワフワっとした誘いをかけているとコツコツとしたアタリがあり、ゆっくりと聞き上げると竿先がグッと曲がり、サイズにもよるがゴンゴンと引く。
この時、仕掛けの長さからどこで魚のアタリを得られたか、その強さからどのハリに魚がかかったかを見極めるとダブル、トリプルも狙えるので是非とも試してもらいたい。しかし、先端のハリにかかっている時にはおとなしく上げた方が根に潜られないので難しいところだ。
当日、筆者は最後の流しで当日最大のアタリがあった。底潮の流れが弱いリスクが高いなかでダブルを狙っていたが、やはり潜られて結局ハリス切れで納竿となった。