年明けからずっと好調をキープしている観音崎沖のタチウオ。1月17日(火)、東京湾金沢八景(漁港内)の忠彦丸から出船し、天ビンでの釣りを楽しんだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版・近藤惣一郎)
忠彦丸でタチウオ釣り
この日も釣況はよく、終始アタリが出た。私は124cmを頭に6割がメーター超えで、34尾をゲット。船全体では9~37尾。ていねいなエサ付けと、小さな前アタリを感じとったあとで違和感なくエサを追わせ、口元にフッキングするまで持ち込むことが大切。
そのためには、手元の誘い動作にとらわれるのではなく、常にミチイトからハリス先までの最適な”張り”と”ラインテンション”を保ち続けることが重要だ。その観点から、私が20年以上前からタチウオ釣りで行なっている「電動微速巻き付加釣法」に触れつつ、実釣の模様をレポートしたい。
ここ数年爆発的な人気となったタチウオテンヤ釣り。テンヤ釣りは大型を掛けやすく、私自身も好きな釣法だ。前アタリが出てからていねいにエサを追わせ、しっかりと口元にフッキングさせる釣り方は奥深く、そして趣がある。
出船前、天ビンタチウオのカリスマ・安田船長からエサの付け方、誘い方、ハリ掛かりのさせ方などのレクチャーを全員が受け、7時半に出船。遊漁船が多数ひしめく観音崎沖に8時前に到着。
エサ付けにこだわる
大型が多い今の時期は、ケン付きタチウオバリ2/0または3/0を使用。ハリスは7~8号2m、あるいは先ハリス10号10cmをハリス4~5号2mに電車結び、またはチチワ結びで連結するテーパー仕掛けを船長は奨励する。このテーパー仕掛けは、鋭い牙からハリス先端を守り、幹の細ハリスで潮の抵抗を抑えることでアタリも出やすく、仕留める確率がアップする。
私が天ビンタチウオで釣果を伸ばすうえで大切にしていることは、誘い云々以前に、正しいエサの付け方。それは「センターをずらさずまっすぐ付ける」という月並みなことでなく、「ハリのケンにしっかりエサを留める」ということ。
そして、ケンのあるハリのチモト部分が短冊の身の中を通ってケンが皮に刺さり、エサを引っ張ってもズレないこと。タチウオは上に逃げるエサを繰り返しついばむように追ってくるので、容易にエサがズレて外れてしまうと、前アタリが出てもほとんどフッキングしない。
小さなアタリを感じとる
安田船長は「48mから上5~6m」といった具合に、群れの感度の上限から5~6m上を探るように指示する。群れの中に天ビンを降ろしてしまうと、警戒してタチウオが沈んでしまうことがその理由だ。
誘い方は、指示ダナまで天ビンを降ろしたら、1~2mイトを巻いてミチイト・ハリスを張る。穂先を上げるというよりも、穂先を海面に向けたロッドの穂持ちを前方に押し出すようにしてエサを動かし、数秒ステイ。穂先を下げて元に戻すときにイトフケをつくらないように、リールを8分の1~4分の1回転ほど巻く。この操作を繰り返すことで、小魚が上方に逃げ泳ぐように演出できるのだ。
タチウオの活性が高いときは誘いのピッチを速め、低いときはピッチを遅めたり、ときに同じタナでエサがゆらゆら漂うような誘いが効果的になることもある。
釣りの最中は、ロッドやリールのハンドル操作に目を奪われがちだが、大切なことは小さなアタリを感じとれるかどうか。釣り人の誘いを見ると、けっこうさまざまなパターンでアタリを出している。
イトは常に張っておく
小さなアタリを感じとるには、タチウオがエサにコンタクトしてきた瞬間にミチイトが張っていることが必要。コンタクトの瞬間、イトが弛んでいたら、すなわちイトフケがあると、優れたタックルを手持ちで使用していてもアタリは伝わらない。近年、「ノンストップバイブレーション」という激しく穂先を震わせ続ける釣法が広まっているが、これも闇雲にテンヤを動かすのではなく、ミチイトを張りながら揺らすことが、小さなアタリを感じとるためのポイントだ。
その際は、潮や風、船の横方向の動きだけでなく、揺れによる船の上下の動きを把握しながら、ロッドとリーリング操作でミチイトの張りを保ちながらアタリを感じとれること。そして前アタリ後も、アタリを保ちながらフッキングに持ち込むまでの間、さらにフッキングの瞬間もイトが張っていなければならない。